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うららに待つ(松)は桜に非ず・・・ 地松〜赤松と黒松 Α

地松の持つ精油と細菌の関係。
根の周りに来る細菌を、精油成分でコントロールしていると前回書きましたが、それは私たち日本人の秋の味覚にとっても大きく関係していると思われるのですよ!

なんだと思います?!
桜の季節から始まっていきなり秋の味覚の話になりますが、実はあの香り高く品格も高い(汗)日本の高級食材である「マツタケ」です。

マツタケ

マツタケと松の木。
うん、たしかに昔から松林に松が生えるのは周知の事実ですが、それと根っこに何の関係が?!
はい、そう思って下さい。

みなさん、マツタケは松の木と共存共栄しているということをご存知ですか?
マツタケと松の木はとても大切な関係にあり、この関係が維持され環境が適した場合にのみ、マツタケができるのです。
そしてそこには松という樹種の生き方自体が大きく関わってくるのです。

マツタケを産するのはアカマツですが、基本的に松は乾燥しているヤセ地に育つことのできる樹種です。
例をあげると、自然植生の無くなった様な荒れ地などでも生きていくことができる逞しい樹種ですが、それも自分一人の力ではないんですね。
そう、共存共栄の仲間、マツタケのおかげなのです!!

マツタケというのは、いわゆる根っこに寄生する菌である「菌根菌」です。
寄生といっても病気ではありません。
ウチの真面目な息子は、マツタケを前にしたおとうさんが「これ、カビみたいなもんやで。菌やで、元は・・・」と教えた途端、食欲げっそり!
直前まで美味しいと頬張っていた(頬張る?う、嘘かも・・・)マツタケへの箸が止まったのです。
世のマツタケを独占したいお父さん。是非お試しあれ(汗)・・・・
そのあと、もちろん奥さまにはしかられますよ、念の為・・・

脱線しましたが、つまりマツタケは松の木と共生する共生菌で、土中の養分を松に提供している、大切な存在なのです。
松はヤセ地にも育つといいましたが、ヤセ地から養分を摂取するためにマツタケの力を借り、その代わりに光合成で作った栄養をマツタケに与える事でお互いに共生しているのです。

おぉ、なんともけなげな関係。
パートナーシップとはこのことか。

もちろん、それだけで松は過酷な環境で生きていけるわけではありません。
空気環境にも適応できるように、葉の乾燥を防いだりするワックスで葉の表面からの水分の蒸散を予防したりする防御策があってこそ、乾燥地でも育つのです。

では、乾燥していないところでは育たないのか?
いや、育つでしょう。とっても良く。ただし、競争相手がいなければ・・・・
松という樹種は「陽樹」といい、陰樹に反して他の樹種の陰ではうまく育つことができないので、肥沃な土地に種が落ちたとしても、日の光に乏しく自分よりも旺盛に成長する他の樹種に負けてしまうのです。

最近、マツタケが出なくなったといわれますが、もしかすると松が生育する環境の土が肥沃になり、共生菌の働きが鈍くなっているから、そうも思えてきます。
また、土壌に落ち葉が積もってしまってもマツタケは出にくいらしいので、一見土の上にフカフカの落ち葉の層があり、土壌が豊かに形成されている様に見えていても実は、マツタケには不向きな環境なのかもしれません。
人が里山を利用し、薪炭資源などを求めていた時は童謡にある様に焚きつけにする「落ち葉掻き」もしたでしょうし、なにより松自体も薪にするために伐採され「適度に荒れた状態」が維持される事で、マツタケは育っていたのかもしれません。

そう考えると、現在手つかずで緑豊かになった森は実は、秋の味覚を奪っていたのかもしれない、、、、かもしれないのです。
いつの時代も、人との森の関係は一様ではなくまた、植生や利用方法によっても変わるということを、如実に表しているのは実は、マツタケなのではないでしょうか・・・・・

地松22


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