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うららに待つ(松)は桜に非ず・・・ 地松〜赤松と黒松  

この2年ほど、つとに冬が短いと感じるのは私だけだろうか・・・
確かに、今年は大寒波での大雪被害などが多発し春の雪が残るものの、凍えるような寒さは少なかったように感じる。
楽しみにしているスキー行脚も、すでに昔のことのよう・・・


冬も終わると自動的に春がくるわけで、ビール会社さんなんかはすでに3月半ばから「お花見缶」なる桜のピンクの花びらの装飾の施されたビールの広告をたくさんだしていたので、いやでも「そんな季節か・・・」と思わざるを得ない。
もちろん、例年であればピンクに咲き誇るソメイヨシノを愛でる季節ではあるものの、今年ばかりは私の気持ちはほかの樹種にあるのです。

ソメイヨシノをはじめとする桜が隆盛を極める季節に、私が想いを寄せる樹種。それは「松」。

今年は昨年からかかわっている日本の松が入荷したことや、夏に納める予定の黒松のフローリングの案件の事、そして来月に開催する弊社主催のイベント「地松を自分の手で確かめる!」が控えていることもあり、心は日本の松一色なのです。

さて、一言に「松」といっていますが、その中にもいろいろと種類のあることをご存知の方は意外と少ないかもしれません。
昔、材木屋さんですら「赤松があるんやから黒松とかあるんやろか?!」と冗談で「色つながり」の話題をだしてあざけていましたが、それを言うなら「黒松もあるし、紅松もある。中国には白松や老黄松とよぶものもある」と答えそうになるのをぐっと堪えたものです。

みんな「松」という樹種に対して、ある程度のことを想像できてしまうので、それ以上に深く知る機会がないのは残念なことであるとともに、「ある程度のこと」を想像できるのは、実はこの時期に日本人の心に深く根差す桜と同じように、日本人になじみの深い樹種だからかもしれません。

その証拠に、松に関する言葉は知らず知らずに「縁起のいいもの」や「慶び事」に用いられているのをお気づきになりますか!?

最近は街中ではあまり目にしませんが、お正月の「門松」や松竹梅という言葉、そして結婚式で耳にする「高砂」も実は松に深い関係があるのですよ。

高砂1


日本史の授業?!で耳にした覚えのある(浅学ですみません・・・)世阿弥の能「高砂」が由来がそうで、そこに登場する離れた地にある住吉の松と高砂の松が夫婦である、というお話(老夫婦に例えられる。また、その男女がそれぞれの松の精霊であるという設定)で、離れた地にありながらもそれらの松が相生の松(夫婦)と呼ばれるのは、「遠く離れていても、夫婦の心は通い合う」と老夫婦が答えたことに由来するとか・・・
夫婦が深く結ばれともに長生きする象徴として、結婚式にこの題材の謡曲が披露されることによるそう。

こういうことを深く知るにも、やはり日本のことはきちんと勉強しておかないといけませんねぇ・・・学生時代に戻りたい・・・

「松」の名前の由来は「神を待つ」ことから来たとされるもののあるのは、先の門松からも分かる通り「神は柱や樹木に降りられる」ことから、神様の依代としてそれを待つことからきていると考えられていることも一つの理由。
(北海道では、以前紹介の様にニレがそうなのかもしれないですね。)

また、「たもつ」という言葉の転訛ともいわれる通り、久しく寿をたもつものという意識からきているという話もある。
どちらにせよ、常緑針葉樹の代表である松はその葉のあおさの通り、いつまでも「あおい=若い=伊勢神宮に代表される常若の思想」につうづる「常盤木」の象徴であり、神様のよりどころであるために神聖な樹種という思いが根付いているのでしょう。

そして日本人特有といえば、虫や木々などが発する音にもとても感性が深いということ。そこにも松の姿があります。
昔の人たちは、松林が発する音にも様々な想いを巡らせ、「松風」という言葉は最も風雅ともいわれるほどに格調を感じるのです。
日本では、少し前に話題になった豪華列車の「トワイライトエクスプレス瑞風」に用いられている様に、瑞々しく吉祥をあらわすめでたい風を「瑞風」とし、常磐木である松風も瑞風と称されることも合わせて、車体は緑色ベースなんではないか?!なんて考えたりするわけです(笑)。


因みに、松の木語は「長寿・向上心」。
たしかに、松にはどこか、それにふさわしい貫禄があるのは申し分のないところ。

高砂2


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