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木の伸び縮み、説明できますか

どうしても、無垢材についてのお話をするときには避けて通れない「伸縮」などの木材の性質のお話。
前回少し触れた「木材の異方性」。
木の伸縮は、木材自体が細胞組織を持ち、その細胞が水分を含んだり放出したりすることで起こることがわかるとともに、異方性があるがために「反りや割れ」といった現象につながっていくのです。

道管

今回は伸縮とともに問題となる「反りや割れ」に触れましょう。

木材は異方性を持つ材料だからこそ使い方によっては強度を維持することが出来たり、はたまた使いたい寸法に小さく加工するような柔軟性を持っていたり、特性を生かした使い方ができるのですが、反対にいえばその異方性があるがために、わざわざ「伸縮しますよ、反りますよ、割れますよ、寸法違いがありますよ、隙間がすきますよ・・・云々」言わないといけないわけですね。

異方性ということを数字でいうと、驚くほどの差があり、そりゃ反るし割れるわな・・・と妙に納得してしまうんですよ。
木材の特性を三方向から位置づけると、樹木の根元から末に向かう垂直方向を「繊維方向」、木目が真っ直ぐ通る柾目になるような面(半径に当たる面)を「放射方向」、そして木目がタケノコ状に見える(木の芯を通らず)ような面を「接線方向」というように言います。
そしてこの三方向の伸縮の比率の差は驚くなかれ、繊維:放射:接線=1:10:20!!!!となるのです。

なんと最大20倍も異なるのです。

この差を理解するのは少々難しいかもしれませんが、単純に比較すると通常の板材の場合は厚みに対して幅方向は2倍伸縮する、という事です。
この条件に、成長途中で加わる成長応力や「陽疾(あて)」、生育条件などが複雑に絡まって、無垢の木材の様々な変化や伸縮を生み出すのです。

反り1


文字通り、生きた材料が木材なんですね。

因みに、「ぬくもりを感じる」とされている木材ですが、一本の木材であってもその方向で、ぬくもりの感じ方は相当異なります。
「木材のあたたかさ」をイメージする時、あなたはどんな木目を想像しますか?!
綺麗にタケノコ状の木目のある板目面か、それとも真っ直ぐに美しく端正な柾目面か、はたまた、特有の美しさのある杢がある材か・・・
人それぞれ異なるかもしれませんが、100人中に1人であっても、いきなり「木の木口面」のぬくもりを想像する人はいないでしょう。

そうです、木のぬくもりを感じるのは「木目のある面」です。
もちろん、柾目でもいいんです。
木口ではないんですね。

それにはきちんと理由があって、木口面(長さ方向の切断面)になる繊維方向の熱伝導率はその他の方向に比べて2〜2,5倍ほど大きいというのです。
つまりは、倍以上のスピードで触れた熱が奪われていくという事。
それに、目で感じる五感の上での温かさも、やはりあの特有の木目があってこそでしょうしね。

昔から使われてきた木材は、今でこそ様々な理由と理論で語ることが出来ますが、昔の人たちはこのようなことを生活上、もしくは感覚上ものすごく精緻に知り抜いていて様々な形での木材利用の痕跡が残されています。

こんなに正確にではなくとも、やはりこだわる工務店さんや大工さんなら、ある程度のお話は深く切り込んでいってもらうとうれしいですね。
その先のお話や補足は、ぜひ私にお任せを・・・
脱線をしながら、樹種のお話も含めてさせて頂きますよ。

これを機会に、もう少し精緻な目で木材を見つめてもらってはと思うと同時に、これだけの事を知ると反りや割れも、少しはいとおしくなるのでは?!と期待しているのですが、その効果やいかに・・・・

 道管木目

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