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木の伸び縮み、説明できますか

いきなりですが、本題を始めましょう。

木材はどうして伸縮(のびちぢみ)するんでしょうか。
その伸縮によって、無垢の木材は利用するのに注意が必要だとか、難しい材料だとか言われているわけですが、実際はそれがどのようなメカニズムになって起こるのかまで、説明できる人は少ないでしょう。

それに、そのメカニズムはまだ完全に証明されていない部分もあるので、細かなことまでは伝えきれませんが、できるだけわかりやすく話を進めてみましょう。

木材のことを少し知っていれば、その伸縮作用は木材がもつ水分が大きく関係していることは容易に想像がつくでしょう。
木材は生きている(立木の)時は、当然のことながら水を吸い上げています。つまりは、その中に水を蓄えているわけですね。
その水分は、伐採されて木材になってからも材の中に存在しているために、伸縮が起こることもなんとなくわかるというものですが、では、なぜ水分があるから伸縮するんでしょうか?!

ここまでくると、なかなか即答はできないかもしれません。
無垢のフローリングを使うと、伸縮によって隙間や反りができますよ!と説明していますよね?!
しかしそんなお決まりの説明をする材木屋さんや大工さんでも、経験上は木材が反るとか割れるとか言った現象は、その水分が乾燥したり湿ったりすることによっておこることはわかっていても、なぜ乾燥と湿潤によって伸縮するのかまで説明はできない場合がほとんど。

元が同じ寸法でも湿気を吸う事で、こんなに大きさに差が出ます。

伸び


伸び 拡大


さて、木材には人間と同じように細胞組織があります。
木が生き物であるということですが、その細胞の中に蓄えている水分は木材となってからは、周囲の環境の変化によって細胞から出入りするために木材が収縮膨張するのですね。
人間でも「水太り」なんて言ったり「ビール腹」なんてこともありますが、同じように細胞をもつ木材も水分を吸って膨張し水分を吐き出して収縮する、ということです。

まぁ、イメージ的にはわかるとしても、どうして水分の移動で伸び縮みするのかの真相はまだ見えてきませんね。
それには水分だけではなく木材の細胞のお話にも少し触れないといけないからです。
木材の細胞は主に3つの成分で構成されています。
セルロースとヘミセルロース、そしてリグニンです。
この中で、木材の伸縮動作にもっとも関係しているのは「セルロース」です。
セルロースはとても有用な物質で、近年では「セルロースナノファイバー」という名前でもわかる通り、最先端技術から生活に身近な部分まで、とても多くりようされているものですが、じつはこのセルロースが木材の伸縮には大きなカギを握っているのです。
木材の主要部分を構成するセルロースには吸湿性があります。
吸湿するということは、乾燥すれば放湿するということで、木材自体の伸縮に関係しているのですが、木材の細胞自体は木目の伸びている方向(樹木の直立している状態の根元から末の鉛直方向)の伸縮はごくわずかです。
また、放射方向と呼ばれる木材の半径方向(柾目と呼ばれる状態)は、これも放射組織と呼ばれる帯のようなものでつながれていることなどの理由で伸縮しづらい。
そこで、もっとも伸縮が大きな方向が「接線方向」と呼ばれる、一般的には「板目面」という状態です。
接線方向は、伸縮しやすい帯が並んでいる状態になるため、ほかの方向よりも大きく伸縮しやすいといわれます。

これらの特徴は木材の持つ「異方性」と表現されています。

組織


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