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カッコいいの注意点

夢のマイホーム

ひと昔、いや、みつ昔(?)くらい前でしょうか・・・住宅取得を夢にしていて時代の言葉。
いや、今でももちろんマイホームは夢の塊ですが、その夢を実現させる過程で人とは違う外観やカッコいいデザイン、珍しい工法などで独自性や個性を出そうと想いを巡らせている方もいらっしゃることでしょう。

しかしながら、その過程では少し注意しなければいけないポイントもあるのです。
木材でも建築でも、昔から「理由があって続けられていること」というのがあります。
木材なら適材適所に樹種を使い分けることや、性質を活用して特殊用途に用いること。建築であれば、各部材の寸法や納まり(仕上げ方)、その部材が存在する意味などがあるものですが、時代の流れでいつしか双方ともに、大切な部分である理由が忘れられてきているようです。

それを象徴するように、一般紙にある記事が掲載されていたのが目にとまりました。

「デザイナーズ住宅の注意点」

そう囲まれた表題がありました。
建築に携わっている人間としては、もしかしてぇ〜・・・?!と思う節があるのですが、何のことかわかるでしょうか。
具体例として記載されていたのは、案の定「軒の出」の話。

軒


街で見かけませんか?!
かっこいいキュービックデザインの住宅。
四角くて窓も小さくまとまって、かたまり感があってクール。
日本の住宅に多く見られる斜めにかかる屋根がなかったり、軒(のき)と言われる屋根の張り出しがなく、非常にすっきりとした外観になるのが特徴で、鉄筋コンクリート造に多く見られるはずのデザイン。
「はず」としたのは、今回問題にされているのはおそらく木造住宅において、上記のデザインが採用されている住宅が多いから。

もともと屋根や軒は不必要ではありません。
雨や日射が季節によって多様にかわり、環境変化が激しい国において、それらから建物を守る意味を持つ部材がそれら。
しかし、「オリジナルな自宅」という思いが先行し、必要とされている部分まで削り取る「デザイン重視の住宅」に警鐘を鳴らしています。

もちろん、雨風や直射日光を遮ってくれる部材を取り除くのですから、建物は通常の住宅よりも厳しい環境になります。
つまりは劣化のスピードが早くなるということ。
そのために、修繕費がかさんだり転売しにくくなるということもあるということ。

もちろん、そんなことはお客様では想像しにくい話なので、できる限り建築側が話題として提供しなければいけないことなのですが、一般紙に記事がでるほど未だにこういったお話をお客様と交わさない人たちがいるということ。
古い大工さんや建築士さんは、そのような仕上げ方については、話が出た時点でできることとできないことを明確にされてきましたが、やはりカッコいいことが優先されて、カッコはできても機能性に劣るものを作ってしまっているのかもしれません。

記事


以前に聞いたことがあります。
「住宅で角ばったカタマリみたいな建物は好きやで。でも、木造ではやらんで。納まり考えたらせんほうがえぇとおもてる。」
建築に携わっている工務店の社長さんのお話しですが、家のことを考えている人はこんな意見なのです。
できるできないではなく、意味のある部材を犠牲にしたデザインがいいのかどうか。
夢のマイホーム、自由にさせてくれ!!と言われればそれまでですが、その気持ちが萎えて、折角のマイホームが・・・・・にならないように、お客様皆様が、こういったことも考えての建築にされることと祈っています。


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