空を見上げて
トップページ » 究極の接着剤?! リグノフェノール

究極の接着剤?! リグノフェノール


いきなりですがみなさん、木材ってなにでできているか考えたことありますか?!
そりゃ、光合成でできてるんやろう・・・
うーむ、まぁそんな感じでもひとまずいいでしょう。詳しくは次の機会に譲るとして、木材は私たちと同じように細胞組織を持っている生き物であるということは以前からちょこちょことお話ししていますが、その細胞レベル同士を引っ付ける役割をする物質があるのです。

木材の多くの部分を構成する物質を引っ付ける役割を担うそれは、「リグニン」というものです。
あんまり聞きなれないものですが、木材自身が持つ接着剤のようなものがリグニンです。
実は、その細胞レベルの接着剤であるリグニンを使って、天然の接着剤を作ろう!という試みがされています。
その天然の接着剤、その名も「リグノフェノール」。
なんかかっこえぇですね。正義に味方みたい・・・

リグノフェノール3

ごらんのとおり、木材らしく茶色っぽい色合いをしている粉末体の状態です。

昔から、せっかく無垢の木を使うんだから、接着剤も天然由来のものが使えるといいのに・・・と思っていました。
現在でも天然由来のものもないわけではないですが、接着力や価格などでまだまだ科学系のものには及ばないと思います。
木材の施工において、接着は非常に重要な部分なので、今はまだ天然のものですべて賄うわけにはいかない状態ですが、近いうちにもしかすると天然由来のものを使用することができるようになるかもしれません。

その期待の接着材がリグノフェノール。
期待の、としておきたい理由をはじめに述べておくと、今のところは接着力がもう少しほしいということ、完全に天然由来ではないこと、使用にはある程度の熱が必要なことが課題だからです。

リグノフェノールができる背景の一つには、有名になった「間伐材」の用途の開発と、虫害などの被害木の有効活用などの側面を持っています。
ご存知のように、山によっては間伐を必要としているところが多くあります。
しかし、町では間伐によって出てきた木材を必要としているとは限りません。その需給のギャップのようなものを埋めるものは、現在ではバイオマス発電ということになってしまうのですが、それとは違う方法での間伐材利用を模索している一つの方法がリグノフェノール。
そして虫害で問題なのは、キクイムシによるナラ枯れ松くい虫による松枯れによって、立木のままほおっておけない状態になったものを伐採した後の丸太の活用方法として研究されているのがもう一つです。

とにかく、木材はいろいろな用途に活用できる素材である上に、現在は間伐を促進させるほどに原材料には困っていません。
そのために、どんどん有効活用する方法を模索しなければならないのです。

実際に試験的に、合板の接着剤として試作されているものもあり、その接着力は、通常建築で室内に使用するベニヤ板と同等レベルの性能を確保できているそうです。

リグノフェノール2

先々は、成分もさらに性能を良くし、熱圧がなくとも接着し耐水性が高く、接着性も問題ないというようなものができればいいのですが・・・

まだまだ身の回りですぐに実用できるようなものではなく、「究極の天然接着材」には遠いですが、こういった研究もなされているという木の世界をご案内しておきましょう。
セルロースナノファイバーもそうですが、単純に見える樹木たちから、科学と肩を並べるような物質を生み出すことができる。
木という物言わぬ存在の可能性の深さに、また一つ、感心の溜息をもらす私です。

リグノフェノール1



木のビブリオが、それぞれの木が持つストーリーとともに、こだわりの木材をお届けするブログと、稀少木材・無垢フローリングのホームページです。

・樹種別無垢フローリングのブログ記事一覧 http://trackback.blogsys.jp/livedoor/muku_mokuzai/1611916

・戸田材木店・セルバのホームページ
http://selva-mukumokuzai.jp




トラックバックURL
コメントを書く




情報を記憶: 評価:  顔   星