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木材を「売る」には・・・

私の仕事は材木屋さん。
材木屋さんは木を販売するところ。だから、日々木を売っているわけながら、その反面大工さんや工務店さんからは「木は売りにくいわ」とか「木の良さよりもやっぱり見た目や性能やわ」という話を聞く。
おいおい、木は売りにくい・・・ということは私たちの仕事はやりにくいということか?!

一般のお客様が聞くと、こんな話はどう聞こえるのでしょうか?!

その言葉の真意は、もちろん木造住宅を主に仕事されている大工さんや工務店さんなどは、木材を使って家を建てたり間取りを変えたりしているわけですから、実際多くの木を使っているにもかかわらず「木は売れない」という。
果たしてその心は・・・・?!
もしかすると想像がつくかもしれませんが、木造住宅とはいえ現在の住宅では完成してしまうと、木造なのか鉄骨造なのかわからないような造りなのは確かなところ。
視覚的に、木を感じるところがないからですが、先の言葉通り、木は売れないというのは、この視覚に訴える使い方ができる機会がないからです。
視覚的に訴える木の使い方といえば、当然ながら目に見える部分、つまりは床や壁、天井やドア、窓や外壁などなどですが、それら以前には「和室」の存在がありました。
木材をふんだんに使うメインどころである和室が無くなったから、木は売れなくなった、というのも一つの結論の落としどころとし易いのですが、実際のところ感じることは少し違います。

本当は、木の事や木の性質や、木を使うことでどのように感じるのか、、、などということを、お客さんが理解していないかもしくはきちんと伝えられていないのだということ。

無垢材を扱うには・・・


木を使って見て喜んでもらう時代から、木を商品として売ることが主になってしまったのは、私たち材木屋にも責があるところですが、木を使いたい人の手元にも木が届かなかったり、木を活かした建築をしたいと思っていてもお施主さんにうまく伝えられずに、床鳴りや反り・隙間を敬遠されるがあまり、印刷シートでピカピカの家になってしまう。
または、山から木を出したい、木を使ってほしい、山をほおってはおけない、と危機感を募らせる山主さんや生産者さんがいるのに、一歩山から出るとその木は「商品」になってしまうので、想いがお客さんにまで届かなかったり・・・・

全ての人に対して無垢の木材がベストの選択だとは言えないかもしれませんが、木材業界の方や木をすすめたい大工さんなどは、やはり木を使うことの優位性を以前から理解しているからすすめるわけですが、上手に伝えられなかったり、経年変化や木材の性質をうまく説明できない場合がほとんどで、せっかくの木の出番を逃していることが多いのです。

木材業界は木の事をたくさんアピールしてくれるのですが、いくら木が優れていても健康的であっても、やはり見た目の美しさや恰好の良さもないといけません。
それに付随して木の良いところを伝えていかないといけないのです。
だからこそ、綺麗で恰好いい木材の使い方を提案して、そこに私が蘊蓄を乗せていく、というような付加価値を与えてやらなければいけないと思っています。

木は売れない、のではなく木がほしくなるように、大工さんと工務店さんには建築用途の木材をどんどんアピールしていってもらいたいところ。
大工さんや工務店さんがすすめる木材がベストな選択!というお任せで進める建築は少なくなりました。
メンテナンスが大変だとか、隙間ができると見栄えが悪いとか、いろいろと木が売れない理由を並べられることがありますが、使用後10数年経って規格品のドア枠や合板のフローリングが劣化した場合や、表面が剥がれてきた場合、ほとんどは「廃番」となって同じもので交換できないこと、その時には木のものは経年変化はしているかもしれませんが、十分に当初の性質を保ち続けているはず。

販売終了


木を活かす仕事ができる大工さんが減ってきていると、危機感を持ってもらう機会も増えましたが、木を活かす仕事を継続してこなさないとそんな大工さんも生き残ることはできません。
だから、木を使うにはお客さんの協力も必要です。
安くてもいい場合もあるかもしれませんが、時間と手間のかかる仕事に対価を払い、少しの部分でも人に自慢できる木のものを持つ。
それが、大きな住宅の建築の一部分でもいいんです。
お客様が来られた時、うちのここだけは見て!!と胸をはれるところ。
住む人の愛着の湧くそんな場所に、木を活かしたい。

木を売る、のではなく喜んで使ってもらえるように・・・

次回はいよいよ、木を山を、本当に切実に考え続けている地元大阪の山主兼製材所へお邪魔した様子をお届けします。
日頃はお客様の立場からの意見を聞くことが多くなりがちですが、木が木材となるまさにその場所で、現実に向き合い続けている「与作さん」からのお話をお届けします。


木のビブリオが、それぞれの木が持つストーリーとともに、こだわりの木材をお届けするブログと、稀少木材・無垢フローリングのホームページです。

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