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いろんな要素を含むバイオマスと報道

先日、録画している番組の整理をしていると、まったく覚えのないタイトルが録画リストの中に入っている。
覚えがないので家内に聞いてみると、「あぁ、ちょうどつけたらやってて・・・見るやろなぁ、と思ってさ」とのこと。
さすがはわが家内!!

ということで、気が利く家内の配慮で見始めたニュース番組の特集。
内容は「異業種が参入するバイオマス発電」です。
それも主に「木質バイオマス」のお話。
バイオマスといっても、やっぱり私が気になるのは木質バイオマスです。
もしかすると、いつものように間伐材利用促進と発電が両立できてとってもいい取り組みですね!!とまとめられているのかと邪推してしまっていたのですが、少し内容が違いました。

インタビューされているのは、有名な石油元売り会社と有名な重機の会社。
石油元売り会社だと、まだバイオマスという言葉が注目される以前、バイオエタノールという名前で注目されていた時には、ガソリンなどの代替燃料として普及することで石油価格に影響がでる、と言われたものですが、いまでは、その石油会社がバイオマスを取り入れているという。

それも、国産の木を基にしたものを使えば電力の買い取り価格が上がるにも関わらず海外からもってくるバイオマス燃料で。
その理由は、近くで燃料となる木質資源が手配できる環境ではないことなどが挙げられていましたが、実際日本中のバイオマス発電で必要な量の木質材料は、完全に不足しているといわれていますし、「間伐材の利用」といううたい文句が決まるようなある意味「有効活用」と思わせるような、利用方法ができないことがもうそこに見えてきている証拠なんだと思います。

しかし、家庭用や産業用の太陽光発電が売り文句にする、発電した電力を買い取ってくれる「固定価格買い取り制度」を利用するんだから、有効活用なんかはどうでもいいんじゃないの?!と思われるかもしれません。
しかし、それも利用しない企業がのちに紹介されていました。

こちらは重機の一大メーカーさんですが、年間7000tの木質バイオマス燃料を入れているそうです。
その会社でインタビューを受けていた男性によると、「発電だけを考えると採算に合わないが、重油燃料の削減や本当の意味での地産地消を考えた結果だ」という。
しかも固定価格買い取り制度は利用しない、と。
バイオマス発電について、自身で肌身で感じているわけではないにしろ、発電による先の固定価格買取制度の電力会社の支出の原資が「電気を買う消費者が負担している」状態であることを、太陽光発電の普及の時点で言われていましたが、それでも太陽光発電は売る人の群がる一大マーケットになってしまいました。(買い取り価格はぐんぐん下がっている。)

バイオマス1

それを考えると、とりあえず制度を売りにして機器を販売しまくるという流れになるのは当たり前であって、同じようなことが木質バイオマスでも起こるのは残念でなりません。

しかしながら、木質バイオマスの場合はお題目として「林業振興」が掲げられていますから、簡単に路線変更はしないでしょうが、
無理な設置や急速な普及は、様々な整備や考え方が追い付かないために危険です。

バイオマス2


特集の冒頭に出ていた国産材ではない燃料として紹介されていたのが「パームヤシ殻」。
パーム油を採取した後に大量に入手できて、一見とてもエコロジカルに感じるそれ。
しかし、実はこのバイオマスをはじめそのほかへの利用が見込まれるということで、ある時期から需要が大きくなります。
するとそれにこたえるために増産する、ということになるわけですが、どうやって増産するのでしょうか?!
いつも森林破壊!といって話題になる熱帯やそのほか地域の森林は、実は木材として伐採されたり違法輸出に伐採されているばかりではなく、このパームヤシの生産のために多く伐採されているという実情があります。

現に、マレーシアだけを見ても、5年ごとにおよそ2割ほど増産されていますから、どれだけパームヤシが増えたのかは、ちょっとは想像できると思います。

バイオマス3

未利用材を活用して発電できるとなれば、とても良い取り組みであるものの、そのための制度をいいように利用したり、それによる波及効果が悪影響として出てくる場合もあるので、やはり熟考する必要があります。
邪推のとおりの、めでたしめでたしではなかったものの、異業種が参入してくることで変わることも大いにあります。
いいほうに変わってくれるといいですし、より林業や木材への良い影響が出てくれることを期待しますが、現実のところ問題は山積です。

まぁ、最後に「間伐材が利用できて良い」旨のコメントがあって、まだ少しバイオマス=間伐材=使えない材を利用する、という図式が抜けていないのかとも思いましたが、新しい動きだったことには変わりありません。
樹齢100年の間伐材は使えない材なのか?!バイオマスにしてしまっていいのか?!
いや、バイオマスのためにそんな木を燃やしていく日がもうすぐそこに来ているのかもしれませんよ。
いろんな課題があるバイオマス。少しでも正しい知識で判断していってもらいたいものです。
その先に、お題目通りの林業振興があることを願って・・・


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