空を見上げて
トップページ » 天然乾燥桧造りの御堂材を納入

天然乾燥桧造りの御堂材を納入


木材の香りの中で杉の優しく落ち着く香りもいいものですが、桧の芯のあるピシッと静謐な香りもやっぱりいいものです。
先週の弊社のトラックは、そんな香りを振りまいて走っていました。
それは、近々建てられる御堂の材料を積んでいたから。

写真3

以前にも、納入した米ヒバや日本の赤松を使って寺社建築された地元茨木市の工務店さんからの依頼のお仕事。
周りを見渡して見ると、結構お寺や神社は身近にあるものだし、桧という材料もホームセンターでも見かけるし、近年の住宅の土台は殆どがそれ。
住宅会社さんが「桧、○○角の土台を使用しています!」と宣伝されていることもありますが、実は、桧と言っても住宅に使われるものと社寺などに使われるものは、同じであっておなじではないもの、なのです。

弊社ホームページ冒頭にも書いている様に、木というのは同じ樹種でも育つ環境や人とのかかわり、そして伐採された後の手入れによっても全く異なるもの。
その大きな違いは原木の樹齢。

写真5


機械的に生産できる「モノ」の場合は、大きな物も小さなものも、つくる原料には違いは殆ど無いと思いますが、木材の場合は大きく異なります。
社寺に使われる梁や柱などの大きな木材を製材しようと思うと、それにあう大きな原木が必要になります。
大きな原木=樹齢が高い=年月がかかるもの、ということです。
因みに今回納入させていただいている桧の殆どはおよそ100年以上の年月をかけて育ってきたものたち。
100年ですよ!簡単に聞こえるかもしれませんが、近代日本が走り始めた頃?!でしょうか、明治から大正に改元されて間もない頃。
日本史で「歴史」として習う部分である様な時期に育ち始めた苗から製材されたものですよ。

写真1


そう考えると、永い時間をかけて育ってきているということがわかっていただけるかと思います。
木材というのは、数年という単位ではなく少なくとも50〜100年以上という月日がかかる、特別なものなんだということがわかるはずです。

今回の御堂に使う様な木材は、住宅に使われる角材が一度に4本ほどとれるような大きな原木から製材されています。
それが100年以上の樹齢というものです。

写真4

また、社寺などの場合は住宅と違い、カラカラに人工乾燥させてしまうのではなく、人の目に美しく映る木目や色合いを大切にするため天然乾燥によって、じっくりと乾燥させています。
木材になってからもゆっくりと時間をかけてあげるというわけですね。
育つ環境にも、木材として活躍するまでにも永い時間のかかるのが、本来の無垢の木材なのです。

そして、その特別な桧を使って建築する社寺には、やはり大工さんの技術も特殊なものが必要になります。
いや、大工さんの技術の前に「納まり」という、どのようにして各部分をつくっていくか、という事を熟知していないといけないわけですが、それが通常の住宅建築だけではわからないところ。
一つ例を上げると屋根の反り。

写真6


「反り」というと、木材では良い捉え方をしない場合が多いですが、社寺などをよく見てもらうと、屋根の傾斜がまっすぐに降りてくるのではなく、少しカーブを描いているのがわかると思います。
その屋根の反りも、建築技術のうちの一つ。
簡単に曲線になっているようで、緻密に計算されて美しい曲線を描くように造りこんでいくのです。

その曲線の作り方がわかるかどうかだけでも大きな違い。
通常の大工さんには出来ない部分です。

桧という特別な木材とそれを活かす技術が合わさって、街で見かける社寺や御堂ができているのです。
そう考えると、昔に建てられた有名社寺仏閣の建築のすごさや、そこに用いられている材料のスケールの大きさに、改めて凄味を感じることと思います。
普段は改めて聞かないと気がつかないこれらの違いを知ってもらうために、今回はこの御堂建築を通じて、桧をはじめとした木材のこと、普段の建築と社寺建築の違い、そして木材になる前の樹木に会いに行くツアーを、連続企画にして私がご案内する機会を設けました。

一つの物事を、解説付きで見て触って知ることができる機会であり、冒頭の「同じ桧という樹種での違い」を、たっぷりとお話する事で、「木材=金額」になる前に「木=時間をかけて育つ生き物」という事から知ってもらうことができると思います。
そうすることで、節や曲がり、割れなどへの理解が大きく進んでくれると感じています。
今回は、近隣の一部の方とご一緒するつもりですが、後々皆さんも御誘いする機会があると思いますので、その時は是非参加頂いて一緒に木のお話をしながら山を廻ってみませんか?!
近いうちにそんな機会が持てる事を期待しています。

写真2

あんまり惚れ惚れするもんだから、チューしたくなってしまいます。
これ、ほぼ6メートルあります。スカッととおる木目だけでも一見のかちあり!
どんな姿に生まれ変わるか?!ツアーの参加の皆さんは楽しみにしていてくださいね。




これより先はプライベートモードに設定されています。閲覧するには許可ユーザーでログインが必要です。



トラックバックURL
コメントを書く




情報を記憶: 評価:  顔   星