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共鳴する先代の言葉 福島材木店さん 〜共感編〜


前回に引き続き、福島材木店さんですが、その倉庫に一体何があったのか?!!

実は、この倉庫に入る直前に材木屋としては現在避けては通れない「乾燥材」の話をしていました。
現在は人工乾燥材が普通に流通するようになってきて、どちらかというと乾燥していて当たり前というような雰囲気すら感じますし、木の割れや伸縮すらも「不具合」と言われてしまう寸分の狂いも許さない「製品」としての木材流通が求められる一面があることを実感する時があるのですが、やっぱり福島さんは違ってた。
「人工乾燥材はすすめたくないんです、古い(考え)かもしれへんけど。」
その言葉の理由も、盛り上がる種にするには十分に過激なものなのですが、その言葉を実践している証明として先程の米松の梁材ももちろん天然乾燥させていますし、他の材料も土場に桟積みされているのが何よりの証拠。
弊社でも未だに桟積みしている木材もあるのですが、その理由を話していると急に点と点が結びつき、一気に線となって繋がるのを感じます。
それがまさしくその桟積み。

福島さん5


材木屋は、自分とこに仕入れて桟積みしたり立てたりして乾燥させてから売るもんや。生木を梱包で仕入れてそのまますぐに梱包で売るのは市場や大きな問屋さんの仕事。
木を触って様子を見て乾かして出荷するのが材木屋。

ちょっと言葉は違うかもしれないけど、弊社の会長が20年以上前に私にいっていた言葉と全く同じ事が、乾燥材の話の途中、福嶋社長ご本人の口から出るではありませんか・・・・
それって、神戸の地域性なんだろうか?それともその時代の気性だったんだろうか?!
いや、この場合はやはり故郷近辺の共通性を見出したと理解したいと思うくらいに、弊社会長の姿が甦るような言葉の並びに、単なる共感や乾燥材論争を超えた材木屋の心意気を感じたのでした。

その雰囲気のままに倉庫へ入り込んでいくと、また見つけてしまった共通性・・・
そう、様々な木材が保管されている中で、材料よりも大きく私の目にとまったのが木材に施されている表示。

福島さん3


印字してあるものや紙で添付してあるものなどありますが、どれを見てもほぼ弊社の倉庫で永きにわたり主(ぬし)を務めている木材たちと同じマークや印字ばかり。
おぉ・・・こんなところにもまだ残っていたのか・・・
旧友を探し見つけたかのような感慨、というと大袈裟かもしれませんが弊社の会長の時代に仕入れたものや、若しくは20年近く前に社長が仕入れて、入荷後主に私が仕分けをして管理していながら、ここ10年ほど一度も顔を見てない様な木材と同じマークの木材たちが並んでいるではありませんか・・・

これもある、これ懐かしい、そうそうウチもこんな色になってるわ・・・などなど一人同窓会の様な雰囲気で盛り上がっていたのですが、やはりこれも弊社が神戸からの商いスタートということで、仕入れが似通っていたのも頷けますし、なによりその材にある看板を見るだけで「昔はこのメーカーをよく仕入れた」とか「この製材所はこんな材料やった」とかいう話が自然と出てくるのが懐かしいのです。

まさか、木に囲まれていながらそれ以外の事で感激するなんて思いもよりませんでしたが、やはり会長が縁をつないでくれたのかもしれないな・・・・と深く思った瞬間でもありました。
こういう何かある、それが縁かもしれません。

昔の神戸の材木屋の流れと現在の流れの両方を知り、その中で自分のやり方をしっかりと考えておられるのを感じる事ができる訪問となりました。
一般の建築材も扱ってるよ、と言われましたがそれは弊社も同じこと。
無垢が好きで、木が好きであっても必要のない求めていないお客さんに押し付けるのは何も意味がありません。
やはりお客さんのニーズに合わせてこそ、物の価値があるんですから無垢至上主義である必要はないのです。
反対に、一般材や通常の建築も知っているからこそ気がつくことや考えること、わかる事が多い事が利点であるとさえ感じるこの頃。
2足の草鞋をはける材木屋、いいじゃないですか。

木とお客さんを想う心は訪問の最後まで続きます。

事務所横に、甕に入れられた桜がありました。

福島さん10


大きく花を開いているその枝は、少し前に工事のために伐採した桜の枝だというのです。
工事のため仕方なく伐採するにしても「もうひと花咲かせて・・・」という言葉どおり、咲くまで待てば?!とお声かけしたそうですが、「咲けば惜しくなる・・・」と咲く前の伐採を希望されたとの事。
わかるなぁ・・・・・
その為に、その伐採枝をこの甕にさして花を咲かせたというのです。
なんとも粋な心持ち。

木ってすごいね。幹を切られてもこうして花咲かすんだから・・・
そういう福嶋社長の言葉だけで、その想いは知ることができるというもの。
もちろん、伐採した幹もとってあるとの事で心配ご無用。

そんな福嶋社長、もう一ついいところあるんですよ!

それは「ワイン好き」だということ。
いやー、なかなかいそうでいないワイン好きの人。
私の交友が少ないという問題もあるかもしれませんが、それでもただお酒として好きだとか、がぶ飲みするのが美味しいとかいうのではなく、蘊蓄も味も含めて味わいにもこだわっているという方に逢えた喜びは、木材との相乗効果で倍増以上!
残念ながら今回はグラスを傾けることはできませんでしたが、次回は是非チーズかパテか、そんなものと合わせてのワイン片手の木材談義としゃれこみたいものです。

その機会を楽しみにして、ひとまず今回の訪問記は終了です。
忙しい早朝からありがとうございました。
(因みに私の手のビニール袋はお土産に頂いた社長の飛び道具・・・笑)

福島さん11






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