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戸田先生の出張授業 会議室番外編


ちょっと割愛気味なところがありながらも、できる限り平易に伝えたつもりで終えた前回の木の先生戸田昌志の出張授業。
フリータイムにして、いろんな木に触れる時間中には児童の方から「戸田先生、これって何?!どういう意味?」と声をかけてくれることもあり、興味をひくことはできたんだ、と自負しています。
これから先に、木の需要なり研究なり、誰かがどこかで関わってくれると嬉しいと思うのですが、それには継続的な授業が必要。

それを痛感するのが、授業終わりに招かれた会議室にてのお話。

当日を含め、準備段階の苦労もねぎらって下さって、会議室にて先生とお話していた時の話の中に、これだ!!というポイントがありました。

業務の中ではいつも感じているのですが、大きく宣伝流布されるイメージというのは、本当に影響力が大きいということ。
木を扱う材木屋ですら、近年の啓発セミナーなどで知ることの多いであろう日本の森林率の話や山が荒れているという話、国産の木材の不振といわれる状態・・・
木材業界にとどまらず、一般的にもニュースとしてとりあげられているだけあって、先生方もご存知でした。
そこで出てきたのが「安い外材の影響で、日本の木材は使われていない」という言葉。
バットの真芯でとらえた打球が一瞬でホームランだとわかる様に、その一言で、よく情勢に目を向けておられることが分かると同時に、宣伝流布の力の大きさを実感する瞬間です。

私も息子がいながら気がつかなかったのですが、実は現在の小学校では5年生の社会科の中で環境問題の一環として日本の森林についての記述が(たったの)4ページ記載されています。
その中にやはりあるではないですか、そのフレーズが!

授業の後1

「外国から値段の安い木材が多く輸入されるようになったため、コックさんの木材の利用が減ってきています」とあります。
輸入材と国産材の量を比べたわかりやすい棒グラフも添付されていて、顕著に
輸入材が増えて国産材が減っているのが一目瞭然。
こんなに減っているのか・・・そんなに安い外材が多いんだ・・・となってしまうんでしょうね。

それで先生も「安い外材」を知っておられたのですね。
大きく報じられる力というのはやはり影響力は大きくて、またもっともらしく聞こえるものです。
しかし、決して外材だけが安いわけではありません。

簡単に比較することはできませんが、必ずしも「外材」が安いのではないということが顕著にわかるのが販売価格を優先した住宅の中に見る事ができます。
現在街を歩いていると、多くの場所で柱やその並びの下地材といわれる木材に白い木を見かけます。
それは今や外材の代表格になった感のある、有名なホワイトウッドですが、実はそれらは安いからという理由だけで使われているのではありません。
以前に見かけた住宅で、下地材に杉を使っていた為に「国産材指定の家か・・・」と思って大工さんに伺うと「予算が優先らしいで・・・」という悲しい言葉が返ってきたことを考えても、決してホワイトウッドをはじめとする「外材」が安いわけではないということが、私の実体験としても見えてきます。
価格で言うと「安い外材」より国産の杉の方が安い場合もあり、少なくともこのケースでは先の理論は成り立っていない事がわかります。

もちろん、いつも書いている様に木材はそれぞれ個性があるので、「杉」というひとくくりでは語れない事を話に加えないといけません。
付加価値の高い杉もあれば、一生懸命に努力をして価格を抑えている杉もあるでしょう。
それらを単なる価格という側面だけの指標では判断できないという意味です。
そういった意味では、販売に携わる私たち材木屋はやはりもっと話すべきでしょうし、業界だけで理解しているのではなく一般に流布される誤解を解消する事が使命の一つになりつつあると思います。

また、確かに外国産材が住宅分野でも多いのは、柱や梁などの構造材にも使われていますから納得はできますが、単に木材といってもそれだけではなく、建築だけではなく他の用途にも使われていますしそれらの分野の外国産材比率の方が高い場合だってあるかもしれませんからやはり一概には言えませんよね。

順を追っていくと長くなるために、価格の一面だけが問題ではない事のみをお伝えしてきましたが、こういうことに対しても、実際に肌で触れている木材業の人間として、木材の特徴とともにきちんと伝えていかなければいけないところだと、改めて感じました。

授業の後2


また、私は今回出張授業を行うに当たり、敢えて木工という方法をとりませんでした。
木に触れる、というとどうしても木工を優先させたくなりますが、今回は様々な木を見る事で木に対する想像力や多様性、そして多様性の持つ木の性質を理解することで、木材に限らない教養の一部として位置づけたかったからです。
木材を利用することを考えるのは、何故使うのかや何故その材なのかということを理解してからでも遅くはないと思います。
「No think,feel」(感じること)です。
そういう意図で始めた授業ですが、やはり次回も座学が必要な様です。

まさか未だに割り箸と環境問題と結びつけたりしていないよね?!、とちょっと心配になりながら、今後の戸田先生の授業の構想を練り始めるのでした・・・

そんな事を考えながら帰路についたのですが、朝はあんなに良い天気だったのに、授業内容の採点をされているかのようないきなりの寒〜い吹雪。(これしきで?!といわないでください。ここは大阪。)

授業の後3

大阪では非常に珍しいにもかかわらず、小1時間ほど降り続きました。
決してそんなに寒いお話では無かったのになぁ・・・と思うのですが、おそらくこれは、自己満足注意報!
今回の事を成功と思わずに継続しろよ、と天からの・・・否授業前にお祈りした木の神様からの叱咤激励と捉え、次回案を考え始めることにするのでした。
めでたしめでたし・・・・・



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