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木の先生、戸田昌志の出張授業終了


先日お話していた材木屋の出張授業が終了しました。
こうやって報告できるということは・・・・・自分ではなんとかうまくできたかな、、、、と思っていると言うことなんですが、子どもたちや担任の先生方はどの様に思っておられるか。
それはまた別の話にするとして、自分の記憶の整理という意味も込めてその内容をお伝えしておきましょう。

今回の出張授業のテーマは「木に学ぶ」ということ。
いつもお伝えしている様に、想像以上に木というものから生活が離れている世の中で、木の事を知り木に学ぶことで、これから様々な物への興味の入り口となってくれるようにと企画しました。

今回は、企画から実行までほぼ一ヶ月あるなしというスケジュールで動いていたので、正直めっちゃハードでした。
もちろん、日常の業務のほかに講習の資料作成、その他の資料やプレゼンの作成などが重なり合う毎日で、最後の方は資料が混ざって頭も混乱状態でした。
そんな中迎えた当日でしたが、雪の予報にも関わらず朝のうちの天気は良好。
先生方よりも速く学校に到着して準備と心構え。
そして迎えた朝の9時。いよいよ木の先生の出番です。

戸田先生出張授業1


先ずは軽く自己紹介がてら、先日提供した教材のお話から始まりあくまでも「勉強」ではなく「体験学習」であることをアピール。
そんな事をせずとも、教室からでて体育館で集まること自体、自分の子供の頃の経験から言うとワクワクとしたもの。
それが観劇や体験学習ならなおのことです。
子供たちのワクワク顔を見ながら戸田先生の授業が始まります。

最初にしたのは「木を感じること」。

「木」というものは知っているという児童は多くいましたが、実際に小さな丸太を見せると驚いていました。
その辺にも立っている「ただの木」が、伐採されて皮を取り去っただけでも驚いていて、それを角材にしたり板にしたものを日々扱っている事を説明しました。
やっぱり、木というのは立っている状態で存在するもので、材木として使われていたり、それこそ昔から身の回りにあったことなんて、想像がつかないんだろうなと一人考えていました。
それから後は、木の虫特選の4樹種+スペシャルバージョンの5つを実際に感じる番です。
特選木は、クスノキ・木曽桧・青森ひば・カリンです。
それぞれが特徴的で、尚且つ香りのする木材を選びました。
各クラスごとに分かれて、匂いをかいだり実際に持ってみたり、木とは思えない様な赤い色を見たりと、冬の寒い体育館が子供の元気に満たされた様な状態になりました。
4つ以外のスペシャルバージョンというのは、実は「神代樟」です。

戸田先生出張授業2

これは、通常のクスノキと比較ができるだけではなく、1000年という時間を感じてもらいたいと言うことと、通常のクスノキよりも更に特徴的な香りを児童がどの様に表現するかが知りたかったからです。
実は、先生と威張っている私も子供たちの様々な意見を聞きたくてウズウズしているのです!!

期待通りの「うっわ、臭い!」とか「変なにおいぃ!!」とか、「これは、う○こや!」というちょっとお下品な感想まで飛び出し、更に大賑わい。
ただ、女の子の中には「ミントみたい!」と美しく形容してくれる子もいて、「ふむふむ、それいただき!!」と次回の説明に使えそうな言葉が出たことも報告しておきましょう。

ホント、子どもたちの素直な乾燥には私の頬も緩みます。

一通り感覚を使って木を感じた後は、いよいよメインイベントです。
水槽を使ったドキドキとする実験の始まり。
勘のいい子は、「木を浮かべるんやろ?!」と私の喋りにかぶせてくるわけですが、そこは年の功、負けてません。そんな単純な答えではないですよ。
今回は、木は浮くか沈むかということと、その理由を解説して理解を深めることが目的なので、ただ浮かべるだけではないんですよねー。

戸田先生出張授業3

本当は、みんなに体験してもらいたいところですが、水槽の容量と授業という進行の都合上、各クラスの代表さんに出てきてもらって実験スタートすることにしました。(といっても、あとからわやくちゃになるんだけど・・・・・)

使用した樹種はヒノキ、ベイマツ、黒檀、ナラ、ムラサキタガヤ、そしてリグナムバイタ。

児童にはあらかじめ、木は沈むのかな?!、と質問を投げかけてみます。
すると、殆どは「浮く」と答えます。大人と同じです。
想像している色や、イメージが軽く感じるのでしょう。

そこで、見た感じ大きく見えるヒノキの角材を見せて、この大きなのは沈むんじゃないかな?!、と質問すると先程よりも迷っている様子。
想定通りです。
それらを実際に浮かべてみるとどうなるか・・・・

もうここからは、木材を水槽に投入するたびに歓声とガッツポーズの嵐!!!!
その場から立って、スタンディングオベーションよろしく手をたたく子もいて、大盛り上がり。
最終目的地のリグナムバイタに到着するころには、「ちっさいヤツも沈むかもよ・・・」と大きさや単純な重さ以外の「何かの理由」に目を向け始める児童もいて、まさしく狙い通り!!
木を浮かべる、なんていう単純な発想ではなく立ちあがるほどに面白く演出してこその材木屋!!
どうや、すごいやろ!!とちょっとしてやったりの戸田先生。

戸田先生出張授業4


興奮冷めやらぬ中最後の体験は、「世界一を体験しよう」というもの。
子供達は、樹種名は伝えていますがその性質までは知りません。
ましてや、リグナムバイタが世界の木材で最も重いと言うことは知る由もありません。
私の喋りにかぶせてくる児童には、ちょっと大人卑怯かもしれませんが、ジョーカーである世界一を登場させて、子どもの予想を大きく外すという手に出たのです。
ふふふふふ、そんな簡単に読まれてなるもんか!、と意地になるのも専門家のプライド。
こうなったら、子供と目線を合わせたせめぎ合い。楽しい!!

「卑怯な手」を使った後は、そのジョーカーを実際に体験する時間を設けました。
1.5mほどの割り板なのですが、女の子のなかには持ちあげるのを断念する子もいて、こちらもしめしめ。
更に隣にはもう一つの世界一、重いの反対の軽い世界一「バルサ」を設定。
この急激な重量差は大人も子供も笑顔になります。

ばかばかしい位の軽さで、やっぱり子供といえど関西人なのか、バルサで頭をたたく仕草を見せるくらいな軽さを体験してくれたのでした。
これも期待通り。

熱気ムンムンの体育館でしたが、朝の2時限といえど私のとめどなくなる木材談義には短すぎて、あっという間の終了時刻。
何とかメリハリを設けて時間配分をしていった結果、3分前に終了することができました。

果たして「木」というものをどれだけ伝えられたかはわかりませんが、木に対する目線や気持ちは変えることができたと実感しています。
色々な香り、重さ、色、肌触りを体験し個性を感じてもらうこと。
そうです、今回は木からできる木材を使ってもらうのではなく、敢えて木の持つ違いや楽しさ、そしてそれぞれの木材の持つ個性というものを感じてもらうのが狙いでした。

もちろん、将来的に木材を好きになってもらい木材を活用してくれると嬉しいのですが、今必要と感じるのはやはり「木の事を伝えること」だと思っています。
諸手を挙げて「木はいいものですよ、使わないと森が云々・・・」なんていっても、その良さや木の育つ森を理解していないと伝わらないと感じています。
それは、日々の業務からも思うことです。

リグナムバイタの重さを経験すれば、誰もそんなもので頭を叩こうという真似はしません。
一方、バルサの軽さと発泡スチロールの様な柔らかさなら万が一当たっても怪我はしないだろう、ということの危険性の判断を、実際に感じる事で児童でも瞬時に行えるのです。
木は性能を買うものではありません。
感覚を満たすものです。

これから色々な物を学んでいく上で、更に感覚を研ぎ澄まし様々な物事を理解していけるような、そんな糸口になってくれると嬉しいな、という本当の狙いを少しは達成できたかな・・・と思っています。

大盛況のうちに終了した戸田先生の出張授業でしたが、これからが大切。
更に多くの人たちに伝えていくために、戸田先生の道は続くのです。
子供たちを見ていて更に木材が好きになった、そんな充実した一日だったことをここに報告しておきます。




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