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ホントの木?! いやいや島国のホルトノキ


やっぱり人間、その目標に向かっていかないとなかなかたどり着けないもんですね。
いや、今回は目標というほどのものではないですが、私としたことがこんなに近くにある珍しい樹木に会いに行かずに10年以上そのままだったなんて・・・

今年の夏は、昨年までの永い永い缶詰状態を打破できたことから、強行スケジュールながら海水浴のために淡路島に家族で行ってきました。
以前はよく行っていたのですが、その「缶詰」になってからはすっかりご無沙汰でしたので、純粋な夏の遊びに絡めて近場の巨樹を廻ろうと欲張ったわけです。
今までは、夜に到着してから宴会(笑)をして、次の日は日暮れまで海で遊ぶ日々だったので行くことができていませんでしたが、今年は夏の日の出が早い事を良いことに、宴会をそこそこに控え早朝からの巨樹巡りを企んだのですが、欲ばってはみたものの、二兎は追えず・・・・


実は淡路島には冒頭の「珍しい樹種」の大木があるのです。
もちろん、スギやクスの巨樹のスケールと比べれば全く巨樹とは言えないのですが、その樹種自体が珍しいとなると会いに行かずにはいられません。
そうして向かったのがここ。

ホルトノキ 2

密林ではありません。
しかしながら、道路際であるにもかかわらずこの様に茂みになっている事から、このすぐ先にあるお目当てにはなかなか気がつきません。
淡路島は神戸と徳島を結ぶ高速道路も整備され、一般道もそんなに車が多いわけではなく走りやすいのですが、そこからそれて山道に入ると結構な酷道(車で茂みをかき分けないといけない様なところや、対向できないところ)もありますが、ここはその少し手前。この先は少し細くなりそうだ、という直前ですがまさか、ここにそんなに珍しい樹種があるとは夢にも思いません。

案内板や、天然記念物の指定板なども無い茂みの先にはこの様な姿が待っています。

ホルトノキ 3

見事な株立ちのこの樹木は「千草のホルトノキ」。
熱帯産の木材に多く見られる、木の根元が板状に広がる「板根」と呼ばれる状態に近い印象が興味深いものです。

ホルトノキ 4


ホルトノキ?!なんじゃそりゃ?!
普通はそんな第一印象でしょう。
スギやクス、ケヤキやイチョウなどは巨樹巡りを始めると頻繁に出会うのですが、ホルトノキというのは聞き覚えがありませんよね。
私も樹木の本では見るものの、このような成木でしかも立派なものには初めて出会いました。

文献によれば、このホルトノキは2004年に神戸大学の武田義明教授が発見するまで世に出ていなかったそうです。
十数年前は頻繁に遊びに行っていた淡路島でしたが、その時にはまだその存在が一般に知られていなかったということなので、私が訪れていなかったのも無理無いなぁ、と一人納得。
また、幹回り4.82mというのはその他の樹種に比べれば巨大さは無いものの、この個体はホルトノキとしては兵庫県下最大のものだそうです。
ホルトノキは兵庫県下では淡路島南部のみに分布しているそうで、中でも五色町には個人宅も含め数カ所に点在しているとのこと。

頭上の枝ぶりも太いという驚きではなく、その木肌が力強い男性の肉体美を思わせるかの様にムキムキっと伸びている様はまるでボディービル。
異形の巨樹というのは数多く存在しますが、凛々しくも力強い巨樹というのはなかなかありません。
巨樹!というスケールには若干不足感はありますが、上記の意味でも珍しい存在だと思います。

ホルトノキ 7


千草のホルトノキは、「山の神さんの木」と言われていたそうです。
日本各地には山の神さんと言われる神木や霊木が様々存在しますが、その多くは巨大さや神話の言い伝えに由るところが大きいですが、千草のホルトノキに関してはおそらく、異形であるわけでもなく巨大でもなく、また聞こえの高い伝説を持っているわけでもない中で、地域の住民の方に愛され古くから身近な守り神の様な存在として「神さん」と呼ばれてきたのではないか?!
私はそう想像しました。


ホルトノキ 9


この立派なホルトノキ、実はインターネットの他の写真を見た時はもっと大きく枝を広げて空を覆っていたように見受けられたので、少し圧倒的なのかと思っていましたが、訪れる前に刈り込みをされたのか、若しくは直前の大雨強風によって枝葉が落ちたのかは不明ですが、土にも日が入りこむ位に上空が開けていて、どちらかというと清々しい位でした。

しかしながら、大雨でしかも真夏の早朝、6時。さらに茂みな為にコンパクトデジカメのシャッタースピードがめちゃくちゃ遅いので、大粒の雨からカメラを守りながらアングルを決めるも殆どの写真がブレていたり、雨粒で見えなかったりで全くダメ。
しかも夏の茂みだけに大量の蚊!!
耳元ブンブン、足も腕もサワサワと近寄られて制止していることができません・・・
この状態でゆっくりと巨樹との対面に感動せよ、といわれても流石の私も四苦八苦。

なんとか三脚を設置し撮影したうちの一番良い写真がこれ。

ホルトノキ 8


私の格好が少しだらしないですが、真夏の海水浴に期待していた気持ちの現れとご理解ください(恥)
前日が曇りだった為に、この日もなんとか雨が止んでくれることを期待して早朝5時起きたてで朝食もとらずに走ってきていますので、期待を裏切りそうな雨粒にうたれて元気が無く少し猫背気味・・・・
実際、この日も雨はやむことなく、どころか四国に大雨による大きな被害を残すことになるほどの雨量のため、海どころか外に出ることもままならずで何のための旅行だったのか・・・

やはり海水浴と巨樹巡りという2兎を追うことに対する期待が大きかったのか、この旅行ではずっと大雨で外には出られず、メインイベントの海水浴をせずに、早朝に巨樹を巡るのみという本末転倒な旅行になってしまいました。
2つの楽しみを同時に味わおうという欲張りは実りませんでしたが、近いうちに島内の他の木々も巡ってみたいと思いました。

ホルトノキ 5


島国というと、大陸から離れて独自の文化や種が存在する場合が多く、地域を問わずに注目される場合が多いですが、ここ淡路島はどうしても「玉ねぎ」が念頭に先んじるために、その他の印象がかすんでしまっているのは私だけでしょうか?!
テーマパークや海水浴で賑わいがあり、高速道路が整備されるまではフェリーの発着場まで伸びるサンセットロードと呼ばれる海岸線沿いの道をよく走ったものです。
そんな時分でも、耳目を集める巨樹や今回の様な珍しい樹木ならば立ち寄っていたかもしれないのですが、そのあたりの情報は島からはあまり発信されていないように感じます。

実は、淡路島にはこの木の他にももう一つホルトノキが存在します。
鳥飼八幡宮(洲本市五色町鳥飼中317)の参道にあるそちらは、今回紹介したような株立ちではなく、ずんぐりむっくりのマッチョさんですが、通常の幹回りが1.8メートル程の所が八幡宮のホルトノキは4.1m、樹齢600年を数えると言われる巨樹です。
また門の右手にはイブキもありますから、一か所で2度美味しい場所です。

珍しい樹種のホルトノキ、しかも立派に成長している個体を観察できる淡路島はテーマパークで言うところのポルトヨーロッパならぬ、樹木観察のテーマアイランド、ホルトアワジシマやぁぁ〜!!・・・・おあとがよろしいようで・・・



おっとっと、待って下さい。しょうもないシャレで締められない理由があるのです。
もう少し深いホルトノキのお話と、今回の千草のホルトノキに抜かれるまでは「県内一」を誇った上記の鳥飼八幡宮のホルトノキを交え、もう少しホルトノキのお話を次回に持ち越させてください。

ホルトノキ 6


千草のホルトノキ所在地

兵庫県洲本市千草丙

正確な地番というものがでないので言葉になってしまいますが、洲本市の国道28号線の南に洲本ゴルフクラブがあり、その東に県道481号線が猪鼻第2ダムに向けて伸びています。ゴルフクラブとダムとの中間より少し北の県道沿いに下写真の公会堂がありますので、その端です。
インターネットのマップで上記住所検索すれば公会堂近くが表示されると思います。

ホルトノキ 1

茂みの脇に2014年現在新築すぐだと思われる猪鼻公会堂なる建物があり、その前は広い駐車スペースになっていましたが、道路に駐車しても対向は可能な道幅があります。

因みに淡路島には他にも色々と見どころがあります。見事な株立ちのイブキや、自称?!日本一のソテツもあります。そのうち紹介できるかなぁ?!



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