空を見上げて
トップページ » 木材の濃縮エキス 精油

木材の濃縮エキス 精油


灯台もと暗しとはよく言ったものだと思います。
こんなに木が好きで、あれやこれやと書いているにも関わらず、関心がむいていないことが多くあることにふと気がつくときがあります。

まぁ、それだけ樹木や木材の世界の魅力が深いということだとおもいますが・・・

先日まで、木材の腐朽組織についてのお話を数回してきましたが、その途中でも気がつかず、記事を書いている最中に弊社加工場から香ってくる材料のその芳香で、ハタと気がついたのです。
腐朽に強く、香りもよく精油成分の効能が様々実証されている木材、そう「ひば」です。
記事でも紹介しながら、何度も書いていながらも実際その精油の持つ力を私自身がもっとも気になる部分に使っていませんでした。下のボトルは「ひばの材から得られる油分を集めたもの=抽出成分」で、いわば木材パワーの濃縮エキスです!

ひば精油

その濃縮エキスの力の気になる部分というのは、ちょっとした実験で永いスパンの話なので、その結果は次年度以降に報告したいと思うのですが、木材の持つ抗菌性、虫の忌避性などの根本成分であるこの精油を色々な側面から試したいと思っています。

しかしながら、ふたを開けると、木材から発するものとまぎれもなく同じ(当たり前ですが・・)香りが立ち込め、純粋に精油(木材を水蒸気蒸留して得られる油の事)のみであるだけに木材の時よりもやはり香りが強く永く発散されます。
そりゃ、木材の状態でも「くさい!」といって敬遠する人もいるくらいの特殊な香りですから、好みは分かれるところかと思いますが、私は大好きですので実験とは別に、芳香材や消臭剤、また汚れたものを洗った後の抗菌剤代わりとして使用しています。
抗菌、殺菌剤の類は現在の社会で様々用いられていますが、私の場合は木材馬鹿が行き過ぎて、自然とか天然とかいった単純なイメージからくるものではなく、純粋に木材という素晴らしい素材から絞り出される物を使いたい、と思っているだけですので、広い範囲での効果という意味では実証されてはいませんが・・・

さて、ご存知のとおり、ひば(木材)に含まれる抽出成分は有名な「ヒノキチオール」をはじめ、その他テルペンと言われる成分で構成されています。
ひば油の抽出成分を100%とすると、ヒノキチオール成分を含むフェノール類からなる酸性油が8%、セスキテルペン類からなる中性油が92%の割合で構成されていると言います。

フェノール類というのは、木材の色の基となったり抗菌(タンニン)や殺虫成分のもととなるものです。セスキテルペンというのは精油や香料原料となるもので、これも木材の耐久性に寄与する物質です。
木の香りの主成分であるテルペン類の香りを嗅ぐと、吸入後しばらくは末梢血流、脳血流が増大し、また脳波のα波の増大からテルペン化合物に鎮静作用があることが実証されています。

さらにひば油にはヒノキチオールと同様の構造をもつβドラブリンという物質も1%含まれていますので、もともと1%程度しか含まれていないにもかかわらず、様々な効果をもたらすヒノキチオール成分が合わせて2%も含まれる計算になるというわけ。どうりで耐久性が高くていろいろな効用を持っているはずです。

数字の話ばかりで恐縮ですが、木材の抽出成分というのは通常は一つの材に乾燥重量の数%しか含まれていないと言われています。(高耐久かつ高貴な銘木チークの15%ほか例外を除いて)一例としては、ヒノキの材油含有率は1〜3%、ひばですら1〜2.5%程度だそうですが、そのたった数%が木材の色やにおい、そして特有の耐久性をもたらしているのですから、なんともすごい物質だ!としか言いようがありません。有名な実験結果では、黄色ブドウ球菌は、1L中に0.8gのひば油があるだけで近寄ってるくことは不可能だ、といわれています。

ヒノキチオールはもともと台湾桧で発見されたヒノキ科特有の物質ですが、ひばの他にはネズコ、米杉、インセンスシーダー、紅桧、コノテガシワ、イブキ、ハイネズなどに含まれています。

因みに、ヒノキチオール以外の抽出成分の有用性でいえば、殺蟻作用があるという事。土台にもっとも有用という認識の強いヒノキは、αカジノール、Tムーロールによる殺蟻作用が大きく効果を表すためで、同じくひば材ではツヨプセン、セドロール、シトロネロールなどのテルペン類が作用するために腐朽とともに木材の保存性で懸念になる蟻害に抵抗しているのです。

同じく耐久性の高い木材としても有名なチークも殺蟻性を示すテクトキノンという成分を含んでいるために、水質に耐える上に蟻害にも抵抗性が高いという、木材の中のスーパースターな存在であるために、古くから世界中で賞用されてきたのでしょう。チークについてもいずれ触れなくてはいけません。

難しいついでに行ってしまいますが、先のセドロールという物質は、ひば・ヒノキ・スギ・エンピツビャクシンなどに含まれている物質で、その香りの元では寝つきが早く安定した眠りが得られることが分かっています。
そうか!、授業中にエンピツの香りを嗅いで居眠りしてしまっていたのは、こいつのせいだったのか!!
そうお思いの御仁が多くいらっしゃることでしょうが、私も同じ。
いやいや、それはおそらく自分のせいですが(笑)、スギの安眠効果というのはこのセドロールが寄与している部分が大きいことと、ひばやヒノキのように少し強すぎるほどの香り成分ではないことも、安眠に効果があるのかもしれません。

さて、話をひば油に戻しましょう。
我が家での定番の使い方はこれです。

ひば油 3

ひば材の油はアンモニア臭の消臭に効果的なのです。
精油成分の消臭効果のほとんどは、悪臭を覆ってしまう「マスキング効果」というもの、または化学反応によるものだそうですが、どちらにせよ精油の香りがやさしく広がるひば油スプレー(ひば油をエタノールなどで希釈したもの)は、何度も吹き付けたくなるので、子供にも大人気。
さらに、樹木の精油はホルムアルデヒドを吸着除去する作用も持っています。
ひばやヒノキの木材精油は約1ppm前後のホルムアルデヒドを50%除去する効果もあると言います。(しかも杉の葉油では90%以上も除去するという結果もあるそうで、これに関しては材油よりも効果があるようです。)
もちろん、使い過ぎはよくありませんよ。(記事最終参照。)

それからこういう使い方もあります。
お風呂の湯船に少量ポトポト・・・

ひば油 1

これで、FRPの浴槽があっという間にひばの木製お風呂に早変わり!

もともと、浴槽は無理でも壁はひばの材を貼って入浴タイムを楽しみたいという夢があった私には、これ以上ない楽しみでもあります。(因みに、その夢は手入れや温熱環境を優先してほしいという家内の要望から却下されたのですが・・・涙・・・・)
もちろん、嗅覚だけの話ではありますが、湯船の中で目をつぶり静かにその香りをかいでいると、何故か落ち着くのは私だけではないはず。
これもひばの抽出成分が人に作用する効果の一つですが、このような文字ではやはり伝わりません!
温泉の木のお風呂に浸かったような・・・背中に当たる感触はFRPでもどこか落ち着くように感じるこの感覚は、私の心身の疲れを癒すにはとても有難いものです。
ただ、水(お湯)に油は完全に溶け込みませんから、浴槽の垂直面に付着した精油に触れた足の裏では、浴槽の底で若干滑りやすくなるので、注意が必要ですが…(あ、入れすぎなだけか・・?!)

ひば油 2

ひば油をお風呂の中にたらすと、油そのものの香りというよりも少し角の取れたような優しい香りになるように感じることがあるかもしれません。それはおそらく、精油から放出される成分が乾燥している場所と湿っている場所では違いがあると言われていることに関係があるように思います。

また、いい香りだからと言って使い過ぎはよくありません。いくら良い成分でも香りの濃度が高くなりすぎると、リラックス効果を通り越してストレス作用に転向することも実験で明らかになっていますから、過ぎたるはおよばざるが如し。その点、木材から放出される量は、それらの木材を使用した住宅だとしても適量の範囲ですから、木造住宅は落ち着くとか健康に良いと言われているのもうなずける結果です。
(香りだけではなく、その他の視覚などの影響もありますから使用範囲を適度に決めるといいでしょう。)
また、保存には金属容器や一部のプラスチック容器は使えません。純度の高いヒノキチオールは金属を腐食させてしまうからです。

因みに、ひばの赤身の土台を採用している我が家にゴキブリが出ないのは、おそらくこの「ひば材の土台」と、我が家の居候である3匹のヤモリ「ヤモヘイ、ヤモスケ、ヤモキ」のおかげだと思っています。ダニやゴキブリの忌避効果も実証されていますしね。
たくさんの木材から少量のみ絞り出される貴重な精油。
これも特殊な木材のもつ神秘!木という塊から絞り出された木の血液のようなもの。
もっと多くの人に知ってもらいたいです。

それでも、天然の木材であるひばもヒノキでも、肌が過敏に反応する方もいらっしゃるので、ひば油も使用するにはアレルギーの確認が必要なのは言うまでもありません。
天然由来とはいえ、化学物質です。
おそばや卵などの食品でもアレルギーがある様に、使用には適性を見てからにしてくださいね。

このひば油をご希望の方は、弊社までお問い合わせください。
一緒にこの香りに浸る喜びを共有しましょう!(笑)

ひば精油2



トラックバックURL
コメントを書く




情報を記憶: 評価:  顔   星