空を見上げて
トップページ » 過酷な環境はフローリングを大きくする・・・

過酷な環境はフローリングを大きくする・・・


もう何年も、私の為に過酷な環境下で頑張ってくれているものがあります。
それは彼ら。


サンプルたち


ショールームに来ていただいたお客様の為に、日々過酷な状況に置かれているこのカットサンプル君達(無塗装)ですが、今日は彼らの身体測定をする事にしましょう。
実はすごく成長(!?)しているもんですよ。

先ずはこの1年ほど活躍している欧州楓(ヨーロピアンメープル)君。
ほおー、幅131mm。
規格が130mmだから誤差の範囲も考慮しないといけませんが、厳密には少し大きくなっていますねー。

身体測定 1


次にもう4年以上活躍してくれている板屋楓君。

身体測定 2

見えるでしょうか?!この寸法。
拡大してみましょう。

身体測定 3


わおっ!予想以上の成長ぶり!!133mm!!(面取り部分で132mm位)

どういうことか、この写真を見てお分かりでしょうか?!
決してフローリングの加工精度が悪くて寸法がばらついているわけではありません。
わざとそうなる様にしているのです。
ショールームにて、無垢の木材の綺麗な顔だけを見てもらうのではなく、性質その物を知っていただくための仕掛けの一つです。
ショールームはわざわざフローリングを「見に来る」だけのスペースではありません。
その表情を参考に眺めながら、木材の持つ本質的な性質や個々の特徴、そしてそれらを含めた木材のストーリーをお話して、フローリングを購入してもらう、というよりもフローリングに愛着を持って共に過ごしてもらえるようにする、という事を考えています。

この写真も、なんの説明もなければ寸法精度の不良ということになりそうですが、そうではなく、言葉ではよく耳にする木の呼吸、すなわち「吸放湿」のもたらすものです。
簡単なことで、133mmまで大きくなった板屋楓君は、4年間も湿度を急激に吸う環境に置く事で、どんどんと吸湿し、信じられないかもしれませんが3mmも大きくなってしまいました。
もちろん、皆さんのお手元に届く無垢フローリングが全て3mmも大きくなるほど突然吸湿することは稀ですが、無垢のフローリングはこれほどの吸湿と放湿の効果を併せ持っているという事です。

口では木は呼吸しますと簡単に言えますが、実は目で見るとこんな動作で吸放湿しているんです。
木は、私たち人間と同じように、細胞という組織で出来ています。
そして、その細胞という組織の中に、水分を保持しているわけです。
下の写真で小さく穴があいて並んでいるのがわかりますか?!
この穴も、ストローの様な細胞の断面のうちの一つです。(写真はカスクオーク

道管


例に水風船を考えてみましょう。
水を入れると風船が膨らみますよね。
勿論のこと、中に水が入るんだからその通り。
木材も同じことです。細長い細胞組織が集まって出来ているため、その中に湿気という水分が入りこむ(吸湿)ことで、木材自体が膨らみその代わり湿気をその中に保持できる訳です。
放湿する場合はその反対、ですね。
木材の吸放湿は、このような天然のものゆえの細胞組織の性質から来るものです。


ということは、施工の際の注意事項にあります「フローリング同士をくっつけ過ぎないこと」や「壁際の余裕をとること」の意味が理解して頂けるでしょう。
1枚で3mm大きくなったら10枚で30mm、実際には無いような例えですが、8帖のお部屋ならおよそ84mm幅が広くなる計算・・・
(上が正130mm、下がサンプル君133mm)

3mm


だから「突き上げ」という現象が起こります。

緩やかではありますが、吸放湿作用によって室内の調湿をしてくれる動きはこの様に現れます。
もちろん、大きくなりっぱなしではなく、湿気を吐き出すことで収縮することを繰り返しますから、ずっとそのままではありません。
機械式とは違い、一気に吸い込むことはしませんが、常にこの様な作用を繰り返している無塗装無垢フローリング。
凄いとは思いませんか?!

夏場や雨の日にフローリング表面がじっとりしていて、どこか足裏が落ち着かない経験はありませんか?
どんなに表面が美しくても、無垢の風合いに近づけても、傷がつきにくい合板フローリングでも、目に見えない吸放湿効果で足元を快適に保ってくれるのはやはり無垢フローリング。

フローリングを考える時、合板フローリングの優秀な機能性の宣伝に目を奪われがちですが、カットサンプル君達の様に目に見えず頑張る「足の下の力持ち」の無垢フローリングの素晴らしさを是非、弊社ショールームまで聞きにいらしてください。
カットサンプル君達にも会うことができますよ(笑)。
彼らとともに無垢木材のお話を持ってお待ちしております。


・弊社へのお問い合わせはこちらから
・無垢フローリング選びについてはこちらから

木のビブリオが、それぞれの木が持つストーリーとともに、こだわりの木材をお届けするブログと、稀少木材・無垢フローリングのホームページです。

・樹種別無垢フローリングのブログ記事一覧 http://trackback.blogsys.jp/livedoor/muku_mokuzai/1611916

・戸田材木店・セルバのホームページ
http://selva-mukumokuzai.jp


トラックバックURL
コメントを書く




情報を記憶: 評価:  顔   星