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ご神木に無事を祈願して・・・ 北口本宮冨士浅間神社


誰かの巨樹巡りの記事で見たような覚えがあるのが、「記憶が薄れる」っていうこと。
訪れたその時は鮮明に記憶に残っていても、人間というのは忘れる生き物。少しづつその記憶は薄れていきます。
実際のところ、とても探究心旺盛であったと記憶する学生時代の心理学の先生曰くは、「人間は忘れる事ができる、生き物よ」との事。
イヤなことも怖かったことも心配事も、忘れる事ができるから生きていける、と言われた覚えがあります。結構私には衝撃的な言葉で、とても印象に残っていますが、忘れないとすると反対にどんどんと記憶の脚色が色濃くなるのではなかろうかと思います。
特に男性諸氏は、「あの時の」彼女との想い出などはとても美しくデコレーションされているのではなかろうかと思います・・・邪推。

さて、何故そんな事を思うかというと、いつも思うんですが巨樹をたずねた時に感じる独特の雰囲気や匂い、感覚というものは写真では表現できませんし持って帰ることはもちろん、かないません。
だからこそ、その瞬間を大切にするようになるのだろうとも思うのですが、やはり良い記憶は出来るだけ鮮明にのこしておきたいもの。
どうしてそう感じたかは後で触れるとしましょう。

先日、取引先の2年に一度の懇親旅行に参加してきました。
場所は山梨県。
実は私、日本人ながら今まで一度も富士山に訪れたことがありませんでした。目的地が富士山という場合は、まぁ例外なく御来光を拝みに行く時だと思うのですが、5合目すらも訪れたことが無かっただけに、山梨方面周遊富士山5合目観光に喜んで参加してきたわけです。

それで、です。いままでそちらの方面にはおりたったことが無い、ということはその周辺の木々にもまだ会った事が無いということ。この機会に会いに行かずにおくべきか!!という事で向かったのは、富士山登山の入り口の一つであるとともに、昔は入山する前に登山の無事を祈ったとされる神社のうちの一つである、「北口本宮冨士浅間神社」に行ってきました。

北口本宮さんの森 1


バスのガイドさんに念の為聞いてみました。

  私   :北口本宮と東口本宮とあるけど、南口とか西口もあるの?!

ガイドさん:いやぁー、それはきいたことないねぇ・・・・

あ、そんなもんなのね。富士山を起点に東西南北にそれぞれの浅間神社があるのかと想像していましたが、どうもそうでもないようです。
実際のところの回答は、北口本宮冨士浅間神社のホームページのよくあるご質問(やっぱりね・・・)に掲載されています。思想的にもとっても見ごたえありますので、是非読んでみてください。

ただ、訪れたい木々のある浅間神社だけでも「小室浅間神社」や「忍草浅間神社」などが周囲に点在していますから、えぇーっとぉ次は何浅間神社やったかな・・・・・ということになりますので、注意が必要。
因みに、河口湖近くにある七本杉で有名な「河口浅間神社」は”せんげん”ではなく「あさま」と読む、と早朝に巨樹巡りする私を載せたタクシーの運転手さんは教えてくれました。
ホンマにややこしい。
余談ながら、同じ様な名前のある神社の代表と言えば「白山神社」!!これは外せません!もちろん、「○●稲荷」も相当数存在しますが、白山神社だけはもう、ホントに各地にあるどころか村となり位の距離に点々とあったりするもんだから、正確な住所や場所の不明な「市町村指定」クラスの樹木や指定外(または未指定)の樹木が白山神社にある場合はぞっとします。

それはもちろん、以前に迷いに迷って周辺にいながらたどり着くまでに2時間ほどかかった覚えがあるから・・・
皆さんも名称や所在地はしっかりと調べて向かいましょうね。

さて、本題の北口本宮さんです。

車道に面した参道には見事な並木が立ち並び、道路際から眺めても「これも巨樹のうちの一つか?!」と思う位のサイズのものがあり、歴史の永さを感じさせます。

北口本宮さんの森 2


その参道を抜けると新しい朱塗りの鳥居が出現します。
私の訪れる少し前(平成26年4月頃?)に鳥居の式年大修理がおこなわれたらしく、色鮮やかで、しかも木の香りがプンプンしていました。
(写真は参道入り口に向かって撮影しています。)

北口本宮さんの森 18


ガイドさんは最大の木製鳥居です、というようなことをおっしゃっていたように記憶しているのですが、うーん、確か記憶では明治神宮がタイワンヒノキ製でもっとも大きかった様に思うのですが、ここはガイドさんのお話に耳を傾けてじっくりと見てみることにしましょう。

いや、見る前に匂いで感じますよ。
プンプンと香るこの材はおそら米ヒバですねぇ。
私の鼻が間違っていなければ、風にのってくる香りがそっくりです。

また、いつものように社寺仏閣のこの様な大型の建造物に使われる桧というのは、日本には潤沢に存在しません。
もちろん、全部伐ってしまえば無いとは言えませんが、通常は供出できません。
だから、針葉樹で大径木で目が細かく加工のし易い材料で、しかもあたりまえですが屋外ですから、水湿に耐えることのできる樹種として白羽の矢が立つのは、やはり桧の仲間である米ヒバでしょう。

その材の色合いや、発する特有の香りが日本のひば(あて)のようであることから、日本での流通名は米ヒバ(べいひば)と言っていますが、紛いものとバカにするなかれ。
樹齢が高く大径木である事から、通直で木目の詰まった美しい材がとれる上に耐久性も高いとなると、木曽ヒノキの代用と言われるよりも、使われて当然のことなのです。

よく見ると、柱には鉋(かんな)の跡が見えますし、木目もはっきりと確認する事が出来ます。

北口本宮さんの森 19


さて、鳥居のまわりをグルグルと回って匂いを嗅いでいるおかしな材木屋を尻目に参拝の方が通り過ぎて行かれますから、写真スポットを確保すべく足早に境内へ向かいます。

一歩足を踏み入れると、境内の広さが感覚的に伝わってきます。
大きな社殿とその左右前後に広がる緑の存在感と境内独特の「音」。それらが私に境内の奥行と豊かな緑に包まれた厳かな空気を伝えてくれます。

私がこの北口本宮さんに訪れたかったのはもちろん、巨樹が存在するからですが、境内の空気と雰囲気だけでもとてもこころ落ち着くものがあります。
また、杉並木以外でも手水舎の傍にそこそこの大きさと樹高のイチョウもあります。

北口本宮さんの森 3

一本の株立ちで、そこそこ立派な太さです。
それにしっかりと背を伸ばしています。
これから何十年、百年後には立派なご神木に成長していることでしょう。
そういう意味で言えば、今この写真は「かぐや姫」のようなもの。私がおじぃさんになった時に、立派に成長したイチョウをまた愛でる事ができるかどうか・・・それまで頑張らないと・・・


さて、この後が本題の巨樹ですが、続きは次回におとどけしましょう。
だって、ここを訪れた時は珍しく時間に余裕があったので、90分ほど写真撮影をする事が出来たため、記憶を鮮明に残しておくために少しゆっくりと進めたいのです。
しばしお待ちを。

シリーズになってしまいそうですが、それ位に見どころのある北口本宮さん。
次回もゆっくりと見てくださいよ。




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