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2013年の総決算は苦労話 二級建築士合格への道


先日ポロっとお話した、私が受けていた資格試験のお話をしようと思います。
というのは、私のここ数年の大半の時間を費やした大仕事であり、自身の記憶整理という意味と、苦労を忘れないように、そしてもし、木が好きで私の記事にたどり着き、これから受験しようと思っている方に、少しでも参考になればと思っているからです。

ですから、今日は木材の話はありません。
試験ネタ一辺倒ですので、読んでやろうという方は次へ進んでくださいませ。




さて、ここからが本題。
苦節4年。私の二級建築士試験対策・体験談4年間分を綴っていきたいと思います。

二級建築士試験
設計士さんの資格で、建築に携わっているとしても材木屋にはもう少し易しい?!資格があると思い込んでいました。
そう考えていて数年。やはり時期というのはあるものです。
木材組合のお知らせで、建築士資格取得を応援します、という案内が届きそこには二級建築士と木造建築士の2コースの受験対策カリキュラムが載っていました。
新年早々のことだったと思います。
これは、渡りに船!今こそその時とばかりに、受講を決心。
木のことに携わっている以上、木造建築士という響きにはとても惹かれ以前から取得したいと思っていたものの、参考書籍が殆どないこと(2級建築士と同じものとして出されている)と、2階建てまでしか扱えないことなどの理由で、二級建築士を選択することを決意。
とりあえず通う講座が決定したのです。
もちろん、そんなに簡単なものではないことは理解していたのですが、まさかその時から辛い辛い毎日が始まるとは、想像していませんでした。

テキスト


案内された受験対策講座は、現在は行われていないのでお知らせする意味がないのですが、どうやって勉強していいかわからず某有名資格学校のウン十万円という講座料金に驚いていた私にはとてもリーズナブルな金額設定になっていたことも受験を決めた理由かもしれません。
しかしながら、後でわかることですが、講師の先生はとても授業が分かりやすく熱心で、これならば合格できるかも?!と思う内容であったことを付け加えておきましょう。

さて、先ずは学科の講座が始まります。
最初の講義は2月16日、仕事を早く切り上げて夕刻に大阪は北区の商業ビルの中の教室へ。
第一回目の授業は法規。
確か3時間(間少し休憩あり)の授業だったと記憶していますが、この一回目は衝撃でした。

法令集1

こんなに分厚い法令集(関係法律がのっている法律書)の購入が必要だったのは講座入校前からわかってはいるのですが、とりあえず一回目は右も左もわからずに出席していた私を含めた受講生に、「あなたたちは合格しようという気があるのか?!覗いた折り目すら付いていない綺麗な法令集を持って来ていては到底合格は無理です!!」と講師の一喝。
目が点です。
今思えば納得ですが、この法令集というのはただ持っているだけでは役に立ちません。
というか、持っていてすぐに開く事が出来て初めて使うことが出来るのです。
開く事ができるというのは、実際の設問に対して的確な答えを導き出せる法令を如何にその中から見つけ出すことが出来るかが、法規の科目では最重要になってくるからです。

時間との勝負の試験において、唯一答えを持ちこむことができるともいえる科目である法規。
しかし、答えがあるからと言って安心してしまい、この科目で足切りとなる受験生も多くいると思います。
そうです、建築士試験以外でもそうですが、様々な科目からなる試験では足切点というものが設けられています。
つまり、各科目の合計点は合格ラインに達していても、一科目でも足切点(たとえば13点以下は不合格など)以下だと、不合格になってしまうシステム。
法規はそういう落とし穴のある科目ですから、十分に法令集を使いこみ、記載ページを覚える(内容を暗記すると、これまたひっかけ問題にかかるので要注意)位の勉強量が必要で、そのための講師の一喝でした。

その日の帰宅後、忘れもしません。深夜12時30分から法令集の見出しの貼りつけを始め、3時30分まで作業していたことを。

法令集4

眠たさよりも、これからこんな本をめくるのか・・・こんなの6月の試験までに理解できるのか・・・そんな不安が満ち溢れてきて眠れませんでした。

週に2回の講義で一科目4回。
合計で4科目16回プラス模試1回の講義予定だったスケジュールは、この法規の1回だけで「短すぎる!」という焦りに代わり、次の講座からは猛烈な予習復習を心がけ、講義の日は帰宅後最低2時間は復習。そして次回講座までの平日夜は復習を再度と講座での見落としをチェックしながらテキストにライン引きと、自分なりのポイントの整理をし、前日には理解できないながらも予習がてらテキストを読み、通学電車でも必ずテキストを読んでいました。

ただ、私の場合は幸いにも10数年前に宅地建物取引主任者の資格を取得していたので、法令に関する読み解きは若干の慣れがあった為に、比較的すんなりと入っていくことが出来たのが法規攻略のポイントでした。
実際、足切不合格となった一年目も法規は22点をたたき出しました。

だから法規はきちんと法令集を理解し、ポイントを自分なりに(これが大切)整理する事で攻略する事が出来ます。
注意することは法令集への書き込みが許可されていること。ただし、書き込み方には決まりがあります。違反すると法令集の持ち込みができなくなり、最悪の事態になりかねませんので、注意が必要です。
たとえば、この法令の注意書きはどこにあってこの場合はこう答える、というような書き込みはNGです。

法令集3

私も実際、1年目は試験会場にて監督官に消しゴムで消された部分が結構ありました。
気をつけてはいたものの、不適切だとみなされた書き込みがあったからです。
ここで大きなポイントは、鉛筆で書きこんでいたこと。
これがボールペンやサインペンだと消すことが出来ず、最悪みる事が出来なくなってしまいますので、書き方と要領にはくれぐれもご注意を。

そんなこんなで法規を一通り済ませて次は施工。

施工は流石にわかりません。
建築現場には行くものの、実際に資材の寸法や使ううえでの決まり、注意点は各専門業者知識にあたるので、もう覚えるしかありません。
自宅近くに建築現場があれば覗くのもいいでしょう。休憩時間に職人さんに声をかけるのもアリです。
自分なりに覚える作業が必要です。数字などは語呂合わせもよし、丸暗記もよし。とにかく頭にその作業をイメージさせて数字を覚え込んでください。
イメージがないと、ひっかけ問題などにてこずります。

暗記する場合は薄い暗記は意味がありません。
というのは、必ずひっかけや落とし穴があるからです。
どの科目もそうですが、四肢選択の問題の中で、ある程度勉強すると2つまでは絞ることが出来るようになります。
しかし、ここからが本番。
この二肢が曲者で、どちらも正解に感じるように作られていたりします。
もしくは、早読みすると正解でない方があたかも正解だと勘違いする様な言葉になっていることもあります。

だから、時間に余裕を持って正確にこなしていく必要があるのです。
法規はひたすら問題をこなして法令集をめくっては書き込みの繰り返しで、ある程度のパターンと引っかかるポイント、その法令から枝分かれしている法令のチェックをしらみつぶしに行っていく作業で、施工は数字の間違いや言葉使いの意味を理解し問題内容を即座に理解できるようにすることで、時間にも余裕ができ、次の試験にも心の余裕が持てると思います。

さて、次は構造です。

構造。嫌いではないはずなのに、私の一番の苦手科目でした。
それは講座の予習をしていた時から実感していました。
実は以前から建築士の参考書を本屋さんで読んだりしていたのですが、そこから受験に踏み切れなかった一番の理由が、この「構造」という科目でした。
日本語を理解できず、図や式をみても全く意味がわかりません。
なんでそうなるの?!
それは講座に入っても変わりませんでした。
何せ4回しかない講座です。進み具合も早くわからないままどんどん進んでしまいます。
授業についていけない小学生状態です。
とりあえず、帰宅後にまる写ししてきた説明と回答のある例題に取り掛かるのですが、まぁわからない。
高校で文系に進んだ私には、「サイン・コサイン・タンジェント」とかいわれても、「シタン・コクタン・タガヤサン」にしか聞こえず、その考え方すらわからない頭でしたので、そこから調べ始めて日曜日一日が潰れる・・・なんていう日もありました。
けっして数学を熟知している必要はありませんが、上記の理解は必要ですし好きに越したことはありません。
けれども、苦手ならば人の倍以上に時間をかけて、全ての過去問題を熟知し回答パターンを暗記する位の勢いで臨もうと、問題を解き続けました。
時には補講にも顔を出し、親切な講師の気持ちに甘え、できないテキストの問題や理解に苦しむ参考回答に自分で書きこんで質問したりしました。
全く基礎を理解できていない私に、とても親切に教えてくださった講師。
何か運命的だったのかもしれません。後から想うのですが、この講師。学科合格した時も、製図合格した時も、試験監督がこの講師でした。
だからと言って、試験に有利だったことは全くなく、覚えてもいらっしゃいませんでしたが、やはり出会いってあるのかな・・・とそんな事を試験会場で感じていました。


基、わからないからと言ってただ、あきらめることはありません。
苦手な構造で私が希望を見出したのは、計算問題の後の文章問題。
導き方のわからん問題よりも、過去問題をこなせば理解できる文章問題は、数をこなす私にぴったりで、計算を全て落としても文章題で全て正解してやる!位の気持ちで構造の科目に挑んだのが一年目。

しかしながら、これが災いし先の様に足切に引っかかってしまいました。
12点。
帰宅後数日、もぬけの殻からすこし動けるようになった頭と、ドキドキする心とともに模範解答を調べていた時、初めに受ける計画・法規の2科目は双方20点オーバーと順調だったので少し安心しかけた私を漆黒の闇に落とすように、ことごとく不正解の計算問題。そして追い打ちをかける文章題の不正解。
途中から「うそやろ?うそやん?!」と呟きながらも正解を数えると12問。
足切りは一般に13点と言われていますから確実に下回っています。その年の問題のレベルにより足切点の下がることを期待して待った発表もむなしく、一年目は不合格。

このことからわかる様に、試験のポイントは「苦手は絶対に作らない」ということ。
正確には苦手でも、捨ててしまうことの無い様に!ということです。
実際、反省した次年度は構造でも18点をとることができ学科通過できましたが、足切がある以上、どの科目もまんべんなくできるように、という試験側の意図でしょうから受験側もある程度その意図に沿わないと突破口が狭くなるということです。

また、上の様に相談や質問が出来ないと理解できないことの多い構造は、独学で試験に挑む方の大きな壁になっていることと思います。
事実、私の知っている工務店関係者の方も、独学でも講座に通っても構造の足切点でずっと不合格続きで受験をあきらめた方が数人おられます。
私は幸いにも講師にも乞うことができましたが、独学の皆さんは試験までの期間、こういった苦手を作らないことにも尽力が必要かと感じます。

そして、最終は計画です。

この科目は言葉の意味を正確に理解することと、思い込みを無くすこと。
特に、似たような言葉づかいをして、過去問慣れをしている受験者を陥れようとする文章もでてくるので、この言葉は何を意味するのか、そして過去問と同じように見えても「●○である」から「●○でない」というような入れ替えが行われ、もうひとつ用意されている正解肢とみ間違ってしまうことに注意しないといけません。

それに気をつけていれば、しっかりとした学習で正解肢を導き出すことが出来ると思います。

一年目の私は先の様に足切り合計点60点のところ、総合では76点をとったにもかかわらず通過することが出来ず、涙の学科2年目を迎える事になるのです。

科目についての大まかなところはこんなものでしょうか。

次に試験までの行動予定です。

私の場合はスタートが遅かった為、堅い頭で大変苦労しましたが、ここでは年始からスタートすると仮定してみましょう。

新年、1月のお正月は2日までとしてください。
2日間で親戚回りと合格祈願の三社参りを済ませ、3日から試験対策を始めてください。
先ずは読み込みと、理解できそうな科目からでいいと思います。
もうここからは、「休み」というものは無しです。休み=勉強と割り切って進んでください。
それが一年での突破実現への最短コースです。

また、時間ですが私の場合は朝型人間ですので、休日や祝日、もちろん日曜日は朝5時半に起床していました。
そこから遅くとも6時までには勉強用意を整えて、朝食が出来る8時過ぎころまで2時間超、そして朝食後昼までの2時間超、昼食をはさんで3時までの2時間、そして休憩後の2時間、という形にしていました。
余力がある場合は夜も2時間とっていましたが、ここまでしていると体力と精神ともにかなり衰弱しますし、長い道のりですので、夕方で切り上げて夜は睡眠とわりきっても、充実していればいいと思います。

また、私の個人的な感想ですが、朝は頭が真っ白でどんどん問題を吸収します。
心配事や周囲の物音が気になり始める前に頭に入れていき、午前中は3時間一コマを目標にしていっていました。
午後はどうしても昼食の加減と疲れで集中が持たなくなりますから、伸ばしても2時間で休憩をとっていました。
その時はコーヒーを飲んでもよし(私の場合はフレーバーコーヒー)、好きな本を読んでもよし(私の場合は木の本でした。)、自身のリラックスできる形を作るのが最も効果的でしょう。

この時間配分でお正月数日を使い、1月は予習とできれば法令集の引き出しラベル貼り、そして目を通すことを実践しておきたいです。
特に法令集は、関連法規を絡めた問題が多いので、一つの法令ではなく例外の方が問題になっていたりするパターンが多いので、元の法規に関連した枝分かれと関係法規を関連づける意識付けを始めましょう。
このようなところです。法規は「ただし」や「例外」に注意。

法令集2

関連法規についての記載ページのページ数の書き込みはできますから、練習課題で引っかかったり、初めてみた法規は必ず解答をみて法令集に書き込む癖をつけていきます。
また、写真のように線を引く色を自分なりの区分で変えておくと見やすくなります。
たとえば、例外は緑色、条文の中でポイントとなるところが青色、出題の回答に当たるような部分が赤色などなど。あと、防火に関する出題にはもう一色あったほうが便利なので、4色くらいで使い分けるのがいいかと思います。

そのほかでは興味があれば、施工や計画の部分を早めにみておくといいでしょう。
共通する部分も多いですし、言葉の意味をわかっていると、いざ講座に行く場合でもすんなりと入りこむことが出来ますし、覚えていくことが肝心な科目ですから、、時間をとれる時にやっておきましょう。

2月から3月は各科目の理解を深めていく時期です。
講座も始まりだすでしょうし、予習した場面の復習と線引き、さらに法令集の自分仕様化、理解できていない場合の解決法の模索をしていきたいですね。
4月に入るころには学習済みの教科は過去問題に取り組まなければなりません。
私の個人的な分析で恐縮ですが、学科試験は完全にクリアするのは難しいと考えてください。
完璧に学習しても90%くらいしか得点できないと・・・

というのは、一年に各科目数問、新しい傾向の問題や受験対策をしただけでは答えられないであろう、「迷わせ問題」が登場しています。
建築業界に起きているトレンドを踏まえた問題とか、問題提起された施工のことなど、こんな問題知らないぞ?!というものが出てくると思います。
これはどうしようもありません。
だから、完璧でも90点なんだ、とふんどしを締めなおしてください。

そこから合格ラインに乗せようと思うと、余裕という部分は少なくなっていくことがわかります。
特に、苦手科目があればなおさらです。
ですから、過去の問題とテキストから読み取れる情報はすべて理解する(暗記ではありません)位の気持ちで取り組んでください。

問題や傾向にも慣れ、ペース配分もわかってくる5月に近づくゴールデンウィークはもちろん「缶詰」で勉強です。
この頃には、すくなくとも各科目ごとでも時間配分を考えておきたいものです。
一つの問題、苦手科目に時間がかかると、全体に大きなダメージとなります。
試験は時間との勝負でもありますから、自身のペース配分というものを身につけておいてください。後々、それが試験会場でも自信につながってきます。

この時期一日位の息抜き、とやってしまうと大切な8時間ほどを無駄にしている、位の気持ちが必要です。
なぜそこまでこだわるかというと、建築系の学校に学生として通っていた人や設計の仕事を始めたばかりの若手受験者などは、仕事にも関係していたり今まで学んだ基礎が少なからずありますし、会社によっては定時で仕事を終了し積極的に勉強に時間を充てるようにサポートしてくれる企業さんもあるそうですから、彼らと同じ時間の使い方ではいけないということを自覚しないといけません。

私の場合も建築業界の朝は早く、朝6時半には出社している都合上、平日は帰宅ももちろん夜ですから、日付を跨いだとしても、勉強時間は2時間~3時間とれるかどうかです。
だからこそ、貴重な休日は馬鹿にしてはいけないのです。
受験を決めたら、カレンダーは見ないでください。
正確には、赤字の休日以外は見ないでください。
平日は勉強期間には算入してはいけません。無理です。

そして赤字のところには、試験当日から逆算して自分なりの勉強科目の予定を書き込んでください。
ここは法規、ここは計画の過去問題、ここからは模擬試験、という風に。
そうすることによって、試験までにしておくべきことが見えてきますし、時間配分もわかるとともに、「試験まであと1ケ月」ではなく「試験まであと休日4日しかない!!」という危機感に変わります。
そうです、この「あと何日」が大切だと感じます。
1ケ月や2ヶ月というとやたらと余裕がありそうですが、たとえ2ヶ月で日曜日が確実にお休みだとしても一日中集中できる日は8日しかない、ということです。
特に難しい構造や、法令集の整理に時間のかかりがちな法規などは十分に余裕を持って対策したいところですから、特に注意して気を引き締めてください。

ゴールデンウィークが過ぎ去るとあっという間に6月です。
もう6月はジタバタできません。
最終の模擬試験で間違ったところの確認と、時間調整を細かくしていく。そして大切なのが体調管理。
これは次の段階の製図でも言えることですが、休み返上で朝から晩まで酷使した体は結構な疲れがあるはず。
試験間近だからと普段より詰め込まず、休憩を長くとるとか睡眠をしっかりとる、栄養を考えた食事をとるなども気をつけたいところです。

7月の試験前日は、「よく寝て、準備に時間をかけるように」とどこでも言われますが、その通りです。
軽く復習程度に、試験会場で自分が目を通す最終チェックメモを作るのもいいでしょう。
それにより、作る作業と見直す作業で覚えられる確率も高いですし、手当たり次第に読み込むよりもよっぽど効果的です。
また、当日は、某資格対策学校によって最寄駅から試験会場までで色々な試験情報を受け取るとおもいますが、あまり深読みしないことも一つの方法です。
これは私の場合だけかもしれませんが、自身がまとめた文章の書き方とは異なった書き方をされていたりすると、自分流で覚えていたことがこんがらかって、試験時間には迷いになってしまうことがありました。
配布される冊子は試験対策の傾向として受け取り、あくまでも回答は今までの自分の頑張りを信じていくことが最も大切だと思います。

あと、試験で忘れてはいけないのが「時計」です。
実はわたし、学科を突破した2年目には時計を忘れていってしまったのです。
時間配分には自信があったものの、やはり問題に迷った時や法規にかけてもよい時間の目安の判断が出来なくなるので不安が大きく膨らみます。
それだけで冷静な判断が出来なくなることがありますから、時計は必ず持参してください。
学校だからと言って時計があるとは限りませんよ。
道中で気が付いた私も淡い期待とともに会場入りしましたが見事時計はありませんでした。
その他は、先の様に「わからない問題が必ずある」位の気持ちを持ってください。
要は、そこでつまづかせたいわけです。そんなのに引っかかってる暇はありません。
そして、1クール目は計画と法規の試験のはずです。
これはどちらから取り組んでもよい事になっていますから、そこは自分のやり方を確立しておきたいのですが、試験が始まってしばらくすると勢いよくページをめくる音や閉じる音が聞こえてくるでしょう。
「なんや、後ろのヤツ、もう法規やってんのか?!」とか、「なんでそんな調べるの早いねん・・・」といらぬ思いが頭をよぎり焦りに変わります。

これが大きな時間のロスになる事がありますので、周りは気にせず自信を持って取り組むことを一番に考えてください。

学科試験は2クール目までにお昼休みを挟みますので、その間に次の勉強!と気合を入れたいところですが、この時間は頭の切り替えに使って下さい。
試験前日に作ったポイント整理メモを眺めるとか、苦手だったところのクリアの仕方とか。
ほんの少しの時間で新たな知識は入りません。もう自分を信じましょう。

そうやって一所懸命やっているうちに学科は終わってしまいます。
余裕があれば見直しをしてください。
マークシートの付け忘れや、後回しにしていた問題があった為に、回答が一つづつずれてしまって、正解肢を選んでいるにもかかわらずマークシートで泣く、ということは往々にしてありえます。
特に、後でいっぺんにマークしていく時にもマークのズレに注意です。

精一杯の力を出せば、きっと突破できるハズです。

さぁ、学科試験が終わって一息・・・はつけません。
会場でも渡されたと思いますが、本年度の学科合格者を含め、さかのぼって2年前の合格者で設計製図の試験が待っています。

それも学科試験の3カ月足らず先。
何度も書きますが、3カ月というのは間違いです。もう、集中できる日は10日位しかないということです。お盆休みを入れても15日位でしょう。
学科に集中してきたその年に、製図初めての方が合格するには怖ろしく高い壁だと感じます。
だって私、恥かしながらも試験後に配られている製図の予想課題回答例を見て、そのまま書けるようになればいいんだ、と本気で思っていました。
まさか、それとは全くことなり、その年のテーマだけの状態から自身でプランし作図することとは思いもせず、構造の科目と同じくらい・・・いや、それ以上の「できるわけないやん、図面なんか書いた事もないのに・・・」という落胆に襲われたことは記憶に新しいです。

さぁ、そこからです。
この一年目は学科もパスして製図も通ってしまう予定だったので、学科試験の合格発表を待っていると間に合わない製図講座へ既に通い始めていました。
学科の勉強をした同じ講座が引き続き製図講座を開講するとあり、またこちらも某試験対策学校の数分の一の授業料(4回で35000円、一回6時間)であったこともあり、申し込んでおいて通い始めたのですが・・・・

今思えば当たり前のことなのかもしれませんが、初日に行って製図板の使い方がわからない、勾配定規は持っていない、作図手順やプランの立て方など全く分からない状態の私を尻目に、他の方は殆ど躊躇することもなく、ペンを動かして書いていく・・・
どういうこと?!どうしたらいいの?!!
もうここで自信喪失です。
まぁ、この年は無謀でした。
なんとかプランを考えるも、ガタガタな形になったり、階段が無かったり、廊下からではなく、部屋を介したその奥にトイレがあったりと、考えられない様なプランでしたが、その時の私にはそれが精一杯。
図面の線の太さは極太、壁圧は鉄筋コンクリートより厚い木造で、柱をどこに立てたらいいのか、窓の書き方は?と本当にめちゃくちゃでした。
もちろん、平面図以外に要求される立面図や伏せ図などもちろん描けず、とにかく暗記しろ、と言われた矩形図だけは、毎日必ず一枚は書くようにしていたので、8月末には綺麗にではないにしろ、何とか55分ほどで書けるようになっていました。

その年は学科をパスできなかったこともあり、製図は受験する事ができませんでしたが、頭の中では、今受けてもダメ、これは来年頑張れということや、といいように捉えていたのですが・・・

2年目はもちろんまた学科に戻ります。
1月の3日からずっと家にこもり、子どもとも遊ばず家内ともしゃべらず、本当に一人ぼっちでやり続けました。先のプランの通りです。
構造の不得手を克服したことで学科をパスした2年目。
ここでしっかりと製図に向かうはずだったのですが、何を安心していたのでしょう?今でもわかりませんが、当時はそんなに慌てていませんでした。
市販の製図対策本を買い、一通りやってみて「あぁ、こういうパターンか。」位にタカをくくってしまっていました。
前年より建築面積も狭く要求室も多くなかったことから、立面図と伏せ図のみかければなんとかなる、と思ったんでしょうね。

アホでした。
実際試験会場ではきちんと描けたのですが、それでも時間が足りず、肝心の受験番号が抜けていたり(書きましたが)、面積表の記入が無かったりと、多分採点はボロボロだったんだと思います。
そんななめていて合格する様な試験ではありません。
自動的に3年目(製図2年目)に突入です。

3年目は「今年で最後!来年受けるようではいけない。」と気を引き締め、正月3日からいつも通り製図初め。
本当の製図の勉強をしたのは、実質この年からでした。
1月2月はひたすら過去問題の回答のトレースで指を慣らしました。
というのは、製図試験終了後は何かと忙しく、試験後も製図板に向かう気力も時間もない為、都合3カ月近くブランクが生じます。
それを埋めるためですが、実際始めると、本当に手の動きは悪いです。

製図の試験は近年5時間に延長されましたが、学科以上に時間との勝負です。
というのは、普通に描いてもそれ位の時間がかかるから、です。
だから、つまづいているとすぐにタイムオーバーです。
私はこの年にわかったことですが、「エスキス」というプラン組みが強烈に苦手でした。
問題を読み解き、必要とされている配置を考えるのですが、通常は1時間以内を目標にするところ、私は1時間半から2時間かかっていました。
というよりも、正直、今年の初め、つまり4年目の春くらいまでプランがまとまらずに挫折する問題が多々ありました。
ですから、プランの時間を如何に捻出するかに重きを置くことを決意し、各要求図面の所要時間を考えました。

・エスキス  1時間半(最悪2時間)
・平面図   1時間半
・立面図   20分
・伏せ図   40分
・矩形図   50分
・見直し・書き込み 10分

これが私の計画でした。
書き込みというのは、設計意図を文章にして書き込む問題が昨年から登場し、明確に意図して計画されているかを判断されるようになったものです。

実際、ここまでタイトな時間割では不可能で、もう少し余裕が必要です。
見直しなど、10分では例え間違いに気づいても、消して描き直すということはほぼ不可能。
消した方が汚くなるんではないかと思うほど。

だから、エスキスを早くするしか時間短縮の道が無いわけです。

必死で過去の問題をトレースしました。

3月からは過去の問題や市販の課題を、接道道路面を変更してプランしたり、わざと玄関位置を特定したりして、制約をかけてプランを考えていく練習をしました。
それは正確には本試験でわかることですが、近年の設計製図試験では単純な問題文言ではありますが、こことここは行き来することが出来るように、とかここから木を眺められるようにし、尚且つ出入り口を設ける、といった各スペースの関連性を持たせた出題が多く、そこに追いうちの様に禁止事項を入れてくるもんだからもう大変。
だから、色々なパターンと、ここがダメな場合は?とかいうことを想定する必要がありました。
一般的にエスキスは単純な正方形か長方形の方が良いと言われますが、中には一部分が突出していたり、または2つも突出していたりする場合があったり(私は敬遠して卍プラン、てな呼び方をしていましたが・・・)するので、こんなのあり?!というほどの色々なパターンを、色々なページや参考書から盗み取ってください。
それが、後々のプランニング力につながります。

そんな事をうすうす感じながら、自分で何度も何度もプランから図面を作成していきます。
ここまでは各図面が荒くても描けていればいいでしょう。
4月頃からは少しづつ平面図の精度を上げたり、立面図のチェックをしたり、矩形図の作図時間の短縮に取り組んだりしたいです。
特に矩形図は暗記に近いところがあるので、絶対に落とせないし、唯一時間短縮が可能な図面だけに、集中できない平日の夜などは、ひたすら矩形図のみを必ず一日一枚は作成するようにしていました。
休日は時間はかかっても要求図面を出来る限り全て完成させるつもりで取り組むといいと思います。

5月になると連休です。ここは外せません。
力に大きく差が出るところ。連日の作図練習は絶好の反復練習の機会です。
手の動くスピードも上がりますし、それによってどうやった方が早いか、うまくいくかというリズムもつかめるようになってきます。
自分なりの線の引き方や描き順が決まってくると理想的です。
この頃には自分の作図スタイルを完成させていないと、6月に向けてその年の作図課題が発表になりますから、発表と同時に過去の課題を参考にプラン修正できる位になっておきたいところです。

因みに私の場合は、もちろん木造しか習ったことが無いし、それでないと無理!と決めつけてかかっていたのですが、なんとこの年は鉄筋コンクリート造の課題!
ガビーン!です。
今までの作図は何だったのか・・・落ち込む私。
それに木造はなんとかこなしてきたものの、いきなり鉄筋と言われても手も足も出ず・・・
こりゃ習いに行くしかない、と決めて講座をさがすのですが・・・・

建築関係の学校にいっていたわけでもなく、そういった関係を知っているわけでもないので、いざ探すとなっても適当なところが見つかりません。

いくら調べても、某学院さんか、某資格さんが検索に出るのみ。
他は遠い東京や地方の会場で一日缶詰の模擬試験とか、過去の試験対策講座の情報が多く、実際の講座の情報の乏しさに閉口していました。

そんなとき、見つけたのが「中央工学校大阪」です。
建築系の専門学校で、一般向けの二級建築士の受験対策講座も開かれると知って、すぐに申し込みました。
因みに大事な部分である授業料も破格に高額ではなく、納得できる設定でしたので安心して通うことが出来ました。
場所は大阪の江坂というところにほど近い場所で、電車も近く私の家からもそんなに遠くなかったのも大きなポイントでした。

というのも、製図板はかなりの重量です。
それに大きさが新聞見開きと同様の大きさです。
肩にかけても物凄くしんどいです。
これで電車と歩きで通学は結構大変。それで出来る限り近いところを希望していたので、とても助かりました。

さぁ、講座の始まり。
7月の下旬から9月の試験前の週までだいたい10回少々の講座で習得していくわけですが、初めて受けた講座ほどてんてこ舞いなスピードで進むわけでもなく、木造だったとはいえ私もかなり描きこんでいたことで、スムーズに作図にはいることができ、なんとかプランと考え方の違いに溶け込んでいくことが出来ました。
要は、木造であっても鉄筋コンクリートであっても、線を引くことと壁厚をとること、階段の描き方や家具の描き方は同じ。
だから応用が出来るのです。
そのために、課題発表の前から描きこんで手を慣らす必要があるのです。

7月の講座が始まってから手を動かしている様では、おそらく間に合いません。
私の様な素人は特に、です。
講座が始まっても、宿題とともに鉄筋になった建物のプランの練習をし、市販の製図対策本も購入、予想課題にも取り組みました。

そうすると、描き方の違いや表現の違い、省いてもいいのか?とわからなくなるところが多々出てきます。
そういったところの疑問も埋めていかないと、試験になると右往左往することになりますから、疑問は小さくても解決しておくことをお勧めします。
たとえば、矩形図の作図で現在実際に使われているのはベタ基礎に角材の梁ですが、試験では布基礎に丸太梁だったり、ある対策本では基礎に換気口を設けずに基礎パッキンという部材に置き換えていたりするので、自身が何をどういう意図で描くのかを理解しておく必要があるということです。

図面2

そうこうしているうちに8月も終わりに近づき、対策課題にも殆ど取り組んでいたのですが、一つ、引っかかるところが出てきました。
木造では先ず無い出題である「外部階段」。
家の中にある階段ではなく、家の外から上階へ上がる階段です。
そう、対策課題で唯一、ひとつだけこの外部階段の出題がありました。

描き方もわからず、プランもまとまりにくかったことからいつもの悪い癖「苦手病」で、知らぬ間に敬遠し、これは出ないよね?!と見切っていました。
そう、これが落とし穴。

設計製図の試験では、落とし穴出題やサプライズ問題があるようです。
この年は、それがまさしくこの外部階段でした。
また、東日本大震災の翌年の鉄筋コンクリート施設の出題だったこともあり、避難計画を設計に盛り込むような趣旨になっていたこともあり、完全にパターン化してしまっていた私のプランが、試験会場で音を立てて崩れていきました。
もちろん、この年は不合格。
無理にとった屋内階段は、ホールが狭すぎ、エレベーターも離れた場所に。また、要求質の配置がうまくいかず、面積もいっぱいいっぱいに。
完全に落とされたわけです。

8月末には殆どのプランを完成させ、自信満々で臨んだ試験だっただけに衝撃は大きく、試験が終了した直後からそのまま倒れそうな程意識が薄かったように思います。
どうしてあの階段の課題を切り捨てたのか?描き方だけでも身につけていれば・・・どんどん悔しさと虚しさ、情けなさがあふれました。
もちろん、そこまで勉強時間をとることが出来なかったのも外部階段を切り捨てた理由ですが、心のどこかに「これだけできれば大丈夫」という余裕があったのでしょう。
講座の図面も仕上げる事ができ、いつの間にか自信過剰になっていたようです。
もう残りの1時間は口はカラカラ、手はガクガク震えてきます。

「今年一年の苦労が、家族の我慢が・・・・・」

そんな思いばかりが巡り巡って満足に字も描けないありさまでした。
本当に情けない製図2年目です。
巷では鉄筋コンクリート造は簡単だから合格しやすい、と言われていただけに油断が大きくこの落とし穴にハマった情けなさは半端ではなかったですね。

周囲からは、もう諦めたら?という声も聞かれました。
家族にも負担が大きくなり、特に家内には年々大きな負担をかける事になっていたこともあり、本当に「ボキッ」と大きな音を立てて折れる寸前、というところまで精神的に追い込まれていました。

しかし、その年は自身の油断で招いた失敗。それに最終年が残っている。
12月に届く合否発表の後、家内にもう一年頑張らせてほしいと打ち明け、最終角番受験の年を迎える事になったのでした。

という事で、受験4年目(製図3年目)の今年が幕を開けました。

製図の試験はおおむね、「木造2年に他構造(木造以外)1年」というサイクルの出題が多く、私の場合は丁度今年は木造というめぐりだったので、今年も木造一本で3日早朝から勉強を開始しました。
想えば昨年、もしかするとサイクル的には木造でないかも?!という考えでうごいていれば・・・と悔やんでも後の祭りです。

再度3年分(製図受験しなかった年の分も合わせて)の問題集を引っ張り出し、徹底的に、模範解答を覚える位にトレースを重ねていきました。
私はとりあえずプランニングが苦手。それを克服すべく、毎回毎回、トレースと平面図の作成のみを3月までずっとやり続けました。
もちろん、プランがまとまる方は、他の図面とのバランスを考えて取り組んでいただきたいですが、私の様に設計などしたことが無い、という方が多いでしょうから、プランニングでつまづかない為にも、このトレース作業は大変重要です。
トレースに慣れてくると、本格的に平面図の描きあげ・・・と思いきや、最初からとばすのはしんどいものです。
初めは壁厚を上手くとる練習と、部屋の大きさの感覚をつかむこと。できれば、上下階の関係を意識した柱の位置のとり方も視野に入れて平面図を書き込んでいけるとあとあととても楽です。
これは、本当に作図時間を短縮できます。
また、そうやっていくことで、同じ6畳の部屋でも少し変形したものや収納を絡めて計画する場合の部屋のとり方を覚える事が出来ます。
参考書の6畳や8畳の大きさをみていると、そのまま嵌めていけばいいように感じますが、これに収納と上下階の配置関係、入り口、窓のとり方を考えると、結構ややこしくなってきてしまいます。
だから、多くのプランで部屋の形のパターンも覚えてもらいたいものです。
本によっては、型板で後から柱を描いていくように指示しているものもありますが、私はめっちゃしんどいので(伏せ図はそうなるけれど・・・)、壁厚と窓、入り口の下書きをせず、入念にチェックしながら清書をしていきつつ、柱もきっちり描く、という方法をとっていました。
そうすると、伏せ図で見つけた柱の必要なところだけをたしていけばいいようになるので、時間は短縮できます。
ただ、上下階の柱位置のプランをきちんとできていないと、余計に時間がかかりますから、トレーニングが必要です。
それが出来れば平面図の半分が完成ですから、後は慣れてきたころから家具とポーチの仕上げ、寸法線の記入、外部の芝やコンクリート表記にかかっていきましょう。
そうすると、いままでけったいな平面図の様に見えていたものが、ものすごくうまくなったような錯覚がおきますから、視覚的達成感満点です。
この作業も、縦は縦、横は横と、同じ作業でひける線は一気に引いてしまうことです。
何度も同じ作業をするのは大きなロスなので、定規のあるところは一気に描く。
型板も筋交いや入り口表記の三角は一度に書く、通し柱と換気の丸は一緒になどなど。。。
また、線を利用できるものは同じ型で書いてしまうことも有利です。


平面図が一段落すると、4月頃からは立面図と伏せ図を合わせて作成していきます。
ここでも矩形図を出さないのは、平日の時間にあてたいからです。
学科のときもそうですが、時間を有効にかけないといけないことを考えると、まとまった時間にできることは休みの日に、区切ってできるものは平日にと決めて行った方がいいでしょう。

ここで問題になってくるのは立面図。
テキストを写すだけではダメです。自身のプランしたものに整合性が無いと大減点です。
ひさしの有無、アルミサッシの位置と高さ、屋根の勾配と形、平面図と矩形図との整合性がみられるポイントで、作図時間は短い割にはきっちりと作図しないと減点をもらう図面ですから、引き締めてかからないといけません。
自身の設計した高さの通りに描いていないといけないですから気が抜けません。
窓の位置がずれることもよくあるミスです。
できる限り、上下階の窓の位置を揃えるプランをしたいものです。
ただ、描き方は大方の手引書で問題ないと思いますので、すぐにかけると思います。
ただ、外部との段差の表記やスロープが繋がっている場合、ウッドデッキがある場合などは時間がかかるので、練習が必要です。アルミサッシの表記も繊細にすれば、仕上がりが良くなります。
くれぐれも高さのとり方には注意して。

また、伏せ図にも関係してくることですが、矩形図は屋根の勾配を描かないといけません。
ですので、伏せ図を描くための平面図切断位置を考える時、屋根の形も考慮した計画にしないといけないことも立面図に影響してきます。
矩形図を描くには切り妻(一方向のみ)という形か寄棟ほかでないといけません。
伏せ図の書き込みにも影響しますから、どの様に屋根を構成するかは平面図を作成する時には考えておくべきポイントです。

並んで伏せ図ですが、これは市販テキストの描き方で自身に合うものをみつけるのがいいでしょう。
口で聞いただけでは理解できませんし、模範解答をみても「なんでここに梁があるの?ここはいらんの?」となりますから、作図手順を追っていき、模範解答との違いを見つけることと、その違いが何なのか?本当に必要なのか?という疑問を持つことが重要です。
基本的には1階と2階の梁の位置を伏せ図に落とし込み、2階柱が乗っている梁で1間(約1.82m=2スパン)以上、階下に柱の無い梁の材背を上げていくことと、階下に邪魔にならず柱を立てられる場所には柱を追加する作業をしていきます。
ここで平面計画の良しあしが大きく出てきますから、平面図のプランをよく頭に入れてくださいね。
そして平面図とにらみ合いながらでないと、お互いに柱のあるなしが食い違ってきますから、注意してください。
慣れてくると同時作業にしたり、平面計画の時にできる限り補強したりしないで良いような架構にする事が出来るようになりますが、それにはある程度の平面図プラン上のスパン管理と部屋のつなげ方、2階の載せ方に慣れていくことが必要ですから、やはりプランとトレースは多く重ねるに越したことはありません。

そのうち、模範解答が上下階の壁の位置を合わせていることや梁の間隔が合うように2階の部屋の位置を決めていることが見えてきます。
そうなれば、自分もなるべくそうプランすればいいこと。なるべく整った形で、同じ面積の部屋を上下に揃えると、非常に楽です。

補強が多いと文字の書き込みも増えますし、補強した梁がかかる桁も大きくする必要が出てきます。
そうなると、作図がとても増えるわけです。
少しでも時間短縮したいのに、そんな暇はありません。
だから、プランは一体的に考えられればそれに越したことはありませんが、先にいったように、落とし穴やサプライズがあるために、そこまで気を使ってプランできるようになるにはやはり相当な作図量が必要だと思います。

因みに、私、今年一年でどれだけ作図したでしょうか。

完成図面で140枚(平面図のみの初期のぶんもあわせて)、矩形図は7月から初めて平日だけ描いて40面。

こんな数は目安になるものではありませんが、角番の私でもこれだけ描いたということです。
ということは、初年度、2年目の方は・・・・
まぁ、要領も回転も悪い私ですから、比べるべくもないと思いますが、それ位の気合いを持ってもらいたいです。

5月には昨年同様、完成度は低くても全体を描けるようになっていると大きなアドバンテージです。
というのはやはり課題発表が近いから。
それに合わせて修正する方向性を探るにも、自分の実力をつけておく必要があります。
私の場合は期待通り木造でしたから、課題発表後は6月から課題に向けての傾向調査です。

某資格学校などのテキストは7月かかりくらいに出版されますから、それまでに自分なりに過去の類似課題をインターネットで探し出し、模範解答と合わせてトレースと作図の繰り返しです。
そうこうしている間に、課題での要求ポイントや気をつけるべきところなどが資格学校などの動画サイトなどにアップされます。
金銭的、その他の理由で独学や他の講座に通っている方もみておいた方がいいです。
情報は多いほどいいです。自分の固定観念ではなく、これもある、あれもあるとみておかないと、当日のサプライズにのまれてしまいます。

とにかく、傾向を理解し自分なりに読み解く練習を開始してください。
また、特異な条件になると、今までの作図常識が通用しないプランなども出てきます。
私の場合は、角地で車庫位置制限があり、テラスが必要でしかも入口の方向が決まっている、というものでした。
もう制限が多すぎて、初めての時はギブアップでした。
ここで、いままで描けていた自信がまた水泡に帰すわけです。

しかし、そういう問題に当たったら即、トレースとどうして自分がプランできなかったのか、間取りや配置計画を徹底的に洗って下さい。
覚える位に。
そうしている間に製図講座が始まり、市販対策本が発刊されます。

私の角番年は、対策本3冊と昨年と同じ講座に申し込みました。

一般販売テキスト

もちろん、7月には殆どの作図が出来る状態で始めていますから、講座の課題も時間内には大方こなせるような状況で、非常に正確に講師の話を整理することができたのは、とても大きな変化でした。
私が受験初年度に「どうしようもない差」を感じたその時から、ここまで成長できたのだ、とある意味自信になり、もう一方で、その自信が昨年の失敗を生んだんだと戒めになり、この年は決して気持ちを舞いあげることなく、廻りの状況は関係なく、ひたすら課題をこなし、講師のチェックを受け、宿題が無い時も自主課題として色々な過去問題をこなしては提出する作業に没頭しました。

講座3週目位からは講座の課題、それに矩形図を4面のセットで提出していました。
また、講座の合間に連休のある場合は+自主課題を1~2枚つけていました。
市販本の課題もチェックしていただき、非常に有難かったです。

図面1

この作業、要は穴を無くしたかったのです。
昨年までの心の穴を。また、サプライズにも柔軟に対応できるプラン力をつけたかった。
それほど追い込まれていたのです。

8月は自主課題と矩形図の反復に時間を割きました。
また、下旬になってくると、学科と同じように、自分の忘れるところや苦手なプラン、描き方を整理する作業が有効です。それに時間を計測することも忘れないでください。
いつも忘れる凡例の描き漏れや寸法表記の忘れ、スロープなどの勾配の表記忘れ等などです。
そんな細かいことも落とさないことが私の対策でした。
しかしながら、細かいところにこだわりすぎないのも合格へのポイント。

寸法線や家具表記も、あまりに凝っていると時間がなくなりますし、最低限の表現で問題ない部分もありますから、平面図に注力しすぎると良いプランでも不合格になりますので、くれぐれも時間配分と作図量には注意してください。

そして9月はもう模擬試験です。
苦手なプランニングが出来るかどうか、できなくても5時間でどこまで持っていけるかを知る機会です。
私は因みに直前までプランに100分ほどかかっていました。
少し傾向が変わるともうアウト。

単細胞な頭には融通がきかなかったのです。
あせりましたねー。もう講座もなく、次の週に試験です。
そんな時に100分です。いや、直前の模試のプランは120分かかりました。

そんな状況で試験間際。

一週間前になってくると、詰め込みは終わりです。
後一週間で整理する事項を洗い出し、ポイントを書きだす事と自分の時間配分を考え直してください。
そして前日の過ごし方と出発の日のタイムスケジュールを決めておくこと。
そして試験会場の場所も確認しないといけませんよ。学科試験とは場所が違う場合が多いですから。

いろんなサイトにも出ていることですが、製図用具のチェックや手入れはしておきたいものです。
わたしの場合は製図版の裏の「足」が2つダメになったくらいでしたが、もしかすると平行定規が効かなくなる、という場合もないとも言えませんので、チェックはしておいた方がいいでしょう。
特に2年目からは何かしら出るかもしれません。

この時期になると、とても不安か自信満々かのどちらかだと思いますが、どちらにせよ、信じたことをしていくしかありません。
私は製図2年間で両極端でした。
1年目はこれくらいでいけるやろう、で撃沈は当たり前。2年目は自信満々が災いし描けないびっくり課題にまんまと引っかかり墜落。2年目に製図しまくってもダメだったことから自信喪失していましたし、3年目もこれだけ描いてもまたドボン問題にひっかかったらどうしよう・・・と極度に不安でした。
だからこそ、スケジュールが必要です。
試験前の気持ちの整理と、ここまでできたと言う自信をつけること、そして手を動かすのか頭を休めるのかを考える為にも必要なことです。
私は描きはじめると早い方だったので、ひたすらエスキス(プランニング)をしていました。
なにせ、それでダメ続きだったんだから。

今年のこのころには、平面図75分、立面図15分、伏せ図20分強、矩形図50分が最速の所用時間になっていましたから、エスキスが120分取れる計算です。もちろん、計画の要点が必要ですから、そこと見直しに20分です。

ここまでしないといけないくらいにプランニングが出来なかったのは、今思えばこだわりが強すぎたから。
要は、出題者の意向を汲み取らないといけないのに、変に考えすぎたり、引っかかりやすいドボンポイントにすっぽりはまってしまったりしなければ、ある程度作図しやすいようになっているはずなのですが、そのポイントを見つけられなかったのです。
学科もそうですが、それ以上に製図は落とし穴が一番警戒するべきところです。しっかりと意味を理解し進めるように日頃からの注意力を養って下さい。
そして私のように、エスキスが苦手な方、先ずは問題の傾向とともに、出題にどこに何を配置し、どうやって建てていかないといけないのかの意図を探ってください。
いきなり建物の大きさと言うよりも、建てられる範囲を絞るとともに、いろいろなものを関連させる近年の傾向を理解し、自分なりに位置関係を文章から的確に読み取る練習をして下さい。
そうすれば、多少解答は違っても、大幅な減点はないでしょうし無理な計画にはならないはずです。

そして本番。

受験票

朝早くから製図用具をせたろうて、遠い会場まで電車とバスで向かい、おりてからも10数分歩く、しかも雨、という体力も精神力もそがれるような状態で会場に到着する方もいるでしょう。
私も昨年、今年と雨でした。
だから、必殺!家族に送ってもらう戦法を取りました。
会場前まで車でいけるのはとても体力温存になりますし、何より不安でなくなります。もちろん、会場周辺は駐車できませんからすぐにおりて移動になりますが、心細さが違います。
とはいえ、作図できなかった時に迎えの顔を見るショックも相当ですが・・・
今年はやり切れたことで、迎えの家内の顔を見るまでにおそらく笑っていたと思うのですが、昨年の挫折と今年の喜びを味わったからこそ、わかることですが、家族のありがたみは大きいですね。
そう、昨年はエスキスができずどんどんと時間の過ぎる中、家族の顔を思い出し頑張ったのですが、最後の方はもう、出来ない悔しさと迫りくる終了時間の恐怖で手がふるえましたから、あまり想いを背負い込むのもいかがなものか・・・そのあたりは自分で管理する必要がありますが・・・

さて、駅から歩いていると、幾度となく資格学校のアンケートや勧誘、声かけにあいます。
ポイント整理の印刷物や製図版の傾斜をつける「枕」をくれたりしますから、必要なものはありがたく頂いてください。
ここで、先にも書いたように、ポイントばかりに惑わされず自分のポイントを大事にすること。
「え?こんなやり方ええの?」と思うような模範解答もあったりしますから、非常用に見ておくのも手です。
結局私はそういう応用が利かなかったのが大きく不利なところだったので。

ここで、意外に必要かもしれない持ちものを紹介します。
先ずは蚊取り。
これは本当にいるかもしれません。煙の出ない電子式のものです。
というのは、私が受験した初年度、試験部屋に入れない時間は外で座って読み返しをしたりしていたのですが、なんと4カ所もかまれてしまいました。
もちろん、かゆくて集中できないし、その後も蚊が気になって気になって・・・
2年目は蚊取りと虫さされの薬を持参していました。
あと、短髪の方でも頭にタオルを巻いたりしておくと結構便利です。
ペンをさしておくこともできますし、汗も落ちないし少々は手も拭ける。
これらはまぁ、便利グッズのようなものですが、あれば助かります。

会場には1時間前着、では遅いと思います。
雰囲気に慣れるということと、広い大学内で会場を探したり、製図できる心構えを作るには時間も必要。
また、会場となる教室や講堂に入れる時間は決まっていますが、その前で待ちたいものです。
廻りの受験生の余裕っぷりと、学校仲間で来ている受験生たちの余裕なおしゃべりに心が左右されず集中するためにも。
描きだしてからもそうですが、廻りの方が出来ている様な気持になりがちですが、しっかりと自分のペースを守る集中が大切です。

私は2年間は普通の教室に学童机でしたが、今年は最悪でした。
環境で不合格ちゃうかと思うくらい劣悪な講堂での受験でした。
製図版の2/3位しかない長机に尻もすわらない跳ね上げイス。しかも前の受験者の背中に製図版が当たるほど前後が狭く、左右も余裕がありません。
それに、一番問題なのは、着席位置。
毎年ですが、受験生は前からリャンコにすわるんですが、会場での着席位置表示が分かりにくすぎます。
昨年も今年も、製図版を固定してから試験5分前に移動、みたいな事態が起こります。
これは絶対に注意してください。監督官にも口頭で聞いておきたい位に問題ですから、注意してくださいね。

とにかく、製図学校の環境になれるとかなり苦しい場面もでるので、自分がやりにくい場面を想像して、用具の配置や取り方を考えておく必要があります。
また、消しゴムや字けし板、スケールなどは取りにくい場合があるので、エプロンをするとか、スポンジに切込みを入れて定規立にするとか、自分なりの方法が必要です。
私はエプロンでした。今年の最悪な環境にはばっちりでした。横にスケールたても配置しましたが、後ろの製図版にひじが当たり取りにくいことがわかり、途中からは専ら腹のポケットに手を入れていました。

さぁ、始まってしまったら後は実力のみ。緊張しすぎないように問題を読み取り組んでいくのみ。

頭を回すのに、日頃から製図のリズムの中でガムをかむとか、自分の落ち着く香水を少しつけるとかいいと思います。
私はガムの種類も決めて、香水も量に注意し同じものをつけていました。
平常心を保つ為。
また、リズムと言えば、音楽。
不謹慎なようですが、調子を出すのに乗り気になる音楽を心の中に流すのも一つ。
気持ちの持ちようが如何に大切か。

自分の力を発揮するといいますが、プロのスポーツ選手のようにその瞬間に今までの全てを発揮できるような人は、まぁ少ないはずです。
そう考えると、如何に自分をベストではなくともベターな状態に持ちあげられるかの方法は自分なりに研究したいものです。
私の場合は、上にあげたようなものだったということですね。

どうでしょう。
なんや、そんなたいそうなもんちゃうで。そうおっしゃる方もおられるでしょう。
もちろん、一発合格される方も多いでしょう。私の努力不足だったのかもしれません。
しかし、一部の困って困っていろんなサイトを覗いている方に、参考になれば。また、私の4年の集大成の記録として残しておく意味もかねて色々と書きました。
仕事をしていなければ時間の制約もなくもっと楽に取得できるでしょうし、若ければ早いかもしれない。
でも、そんな環境ではない方が取得を目指す時に方向性や時期によって必要なこと、心構えなどは意外と教えてもらいにくいものです。
言葉では伝えにくいくですが、そんな部分が少しでも楽になればと思います。


後になって思うのは、仕事上いつも「何故こんな無理な図面になるんやろ?ここに柱いらんやん・・・」と思っていたのが、自分が勉強すると「なるほど、こういうことか・・」と初めて理解できたポイントが多かったこと。
やっぱりなんでも自分でやらなきゃわかりません。

私も勉強はしたかったものの、色々と調べても某学院などのページしか見当たらない中、自身の体験談を載せてらっしゃるページは本当に助かりました。
誰かの一助になればいいのですが・・・

最後に、学科試験や製図試験は発表までにとても時間が空きます。
特に学科は製図に気持ちを切り替える為にも早く解答を知りたいもの。
会場への往復で「解答速報サービス」などを案内されていますから、それを利用するか、わけあって利用できない方は「資格のユーキャン」のサイトに少し遅いかもしれませんが、解答が公表されていますので、そちらを見られてはいかがかと思います。
製図試験は、通ってらっしゃった学校に持ち込むくらいでしょうか?こちらも通信添削の様なものが案内されたりしますが、基本的には学科の様に「これが正答」というものが無いだけに、しばらくはポイントを押さえられていたかとプランが出題者の傾向に合っているかを確認する位になると思います。
合格発表のあとは、建築士協会のホームページに問題と模範解答が公開されますので、そちらを参考になさってください。


また、10年後にこの記事をみた自分は何を想うのか。
苦労したことを笑うのか、それともこれがきっかけで良い転機が訪れているのか?!
それはわかりませんが、この4年の苦労は味わったものにしか分からないもの。
やっぱり自分の為の記録なのかもしれません。10年後の自分は「よくやった!」といってくれるかな・・・
そう思えるように、来年も頑張らないと。



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コメント
1. Posted by ひろ   2014年03月21日 23:13
よっしゃ!後3ヶ月頑張るぜ
2. Posted by 戸田材木店より   2014年03月22日 07:33
ひろさん

試験受験されるんですね。追い込みにむけて頑張ってください。合格祈念しております。
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