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「凍れる音楽」を見に行こう!


この世界に実在するものは、目に見る事ができますが一般的には耳できく「音楽」というものは、目で見る事が出来ないはず・・・
確かにそうなのですが、目に見えないものを見えるように形容する事が出来るのが日本語の、日本人の素晴らしいところかもしれません。

この凍れる音楽とは、その美しさであまりにも有名な薬師寺の国宝「東塔」を指して表現した言葉です。(写真は西塔。)

薬師寺 1
















そして今、西暦730年建立と言われるその東塔が解体修復中の為、1300年にわたり塔の頂に鎮座し続けてきた「水煙(すいえん)」と呼ばれる装飾が、61年ぶりに地上に降り公開されています。注)下記訂正あり。
(私の読解力不足で後日、9月16日から公開であることがわかりました。訂正させていただきます。)

私が薬師寺に興味を持ったのは、恥ずかしながらも西岡棟梁の聞き書き本を読んでからの事です。
それも、宮大工の仕事を含めた西岡棟梁の生き方とその言葉、そして西岡棟梁の目から見た木材の関係を求めてたどり着いた中に紹介されていた一つが薬師寺でした。
西塔再建の事、そしてその為に必要な木材の事、そしてそれらを含めて鎮座する薬師寺の伽藍のことを色々と教わりました。

その中で、堂塔の意味や存在を含めた解説を見てとれますが、この水煙を含めた「相輪(そうりん)」と呼ぶ高さ10m・重さ3トン半にも及ぶ、塔の先端に位置するものに関しての事にも触れられています。

薬師寺 3
















それこそ、堂塔の意味や相輪の事を書きだすともう、キリがない建築も宗教も含めた大きな世界の話をしなければならないので、ここでは割愛しましょう。

実際のところ、相輪は「屋根の重し」という役割を担っているもので、何重にも重なる屋根(又は屋根状の裳階・もこしとよばれるもの)の最上部を抑えるためにあるものだそうです。
構造の一部としての役割を持っているとともに、装飾の意味合いもっていたもので、屋根の飾りの様に見えますが、本来はただの飾りではありません。
その相輪の先端にある、透かし模様の様にかたどられている部分が水煙です。

その水煙の美しさはその透かし彫りのような装飾だけではなく、近くで見ないとわからない「天人」にあります。
飛雲の合間を24人の天人が笛を奏でながら何とも美しく舞っている姿は、天上人を想像させ、人間を超えた存在をも意識させるものです。

西岡棟梁の聞き書きによると、薬師寺は天武天皇が自身の皇后さまの為につくろうとした伽藍だから、天の浄土を地上にうつそうとしたその思想が、水煙の天人の舞に現れているのだろう、ということ。
古来のものとは思えないその芸術性と美しさは、現代においても人々を魅了するに十分なものです。

これは塔を見上げるだけでは実感できない感覚。
是非、この機会に目に焼き付けておきたいものです。

水煙を含む相輪の展示の会期中は、修復中の東塔の四天王像や薬師三尊像、聖観音菩薩立像への参拝と玄奘三蔵院伽藍にも入場できるそうなので、一日を薬師寺で満喫できるのではないでしょうか。

国宝や歴史的建造物は、修復などの機会が無いとなかなか目にできないものが多いです。
凍れる音楽を肌身で感じてきてください。
この機会逃すまじ。建築に興味がある方にもお勧めです。
こんなのもあるので、木が好きな方にも・・・ね。



薬師寺 2















11月30日まで。午前8時半〜午後5時まで。(受付午後4時半まで)
詳しくは薬師寺のホームページをご覧ください。


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