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我、ブログながらも・・・ ムートンの変遷


歴史あるものには色々と逸話がつきもの。
それも、注目を集めるものには自ずとそういった話もついてくる。

とりわけワインの世界にはそういった話は多くきかれる。
それは日本人が蘊蓄が好きだから・・・という理由だけではなく、やはり永い歴史があり、様々な品種から様々な工程、世界各地で生産されているだけあって逸話も出てくるのでしょう。


さて、このお休みに、久しぶりに飲みたくなって一本開けた赤のこの銘柄。

ムートン・カデ
















金の羊が誇らしげに光っています。
銘柄をムートン・カデと言います。
ワインブームの時期や、もともとワインが好きな方などは頭の「ムートン」の言葉を聞いただけで反応されると思いますが、このワインはフランスで有名な1級ワイン「シャトー ムートン・ロートシルト」*から出ている銘柄ですから、名前だけで期待大となるわけです。
*発音については多々ありますが、今回はこれを用います。

さて、ワインの根本的な蘊蓄はまたの機会にするとして、このムートン・カデなるものがどうして気になるのか・・・
もちろん、先の様に名前がとても有名だから、ということなのですが、実はこれ、名前の書かれているラベル(エチケットという・・・)がポイントなのです。

実は1級ワインであるシャトー ムートン・ロートシルトはその味わいとともに、毎年そのラベルのデザインが変わる事でも有名なのです。
有名な絵画であったり、メッセージであったりがラベルデザインに採用されてきました。

シャトー ムートンロートシルト















中には物議を醸して、出荷する国によって2パターンのラベルが存在した年もあったはず・・・
ただでさえアート的な要素のあるラベルで、単にワインの銘柄を蒐集するという以外に、このラベルを蒐集するという目的で購入するマニアがいますから、ラベルが1年に2枚というのはまた大変なことになるわけです。
まぁ、心配しなくてもおいそれと2本も3本も購入できるような代物ではありませんから、気をもむ必要はありませんよ(笑)


また、フランスにて初めて公式にワインの格付けが行われた時、1級に位置してもおかしくない条件下でシャトー ムートン・ロートシルトは2級格付けでした。
それを受けてラベルにはこうあったそうです。(日本語訳です)

「1級たり得ず、2級を肯んぜず。我はムートンなり」

そしてそう宣言して118年後。
ついに念願の1級昇格を果たしたのです。
その時以来ラベルにはこう記されている。

「今1級なり、過去2級なりき、されどムートンは不変なり」

それ以降も格付けは見直しがされてはいますが、2級から1級への昇格はムートンを除いては行われていないと記憶しています。


そんな1級ワインの名を冠したムートン・カデ。
中身はというと、1級にするには味わいの満たないもの、ブドウ木の未熟なものなどを理由に選別に漏れたものが使われています。
フランスのワイン産地であるボルドー地方では、以前からそのような方法で1級ワインの品質を維持してきたと聞きます。
このようなワインをセカンドワインや、サードワインと通称しています。

要は、選別された高価な1級ワインと同じ畑で育ったものを使っている(違う場合もある)ので、品質に変わりはなく、味わいや雰囲気を感じやすいものとして親しまれています。
このムートン・カデもそういった中で生まれたワイン。

ここまで読んで、「はて、まてよ。ムートンのセカンドワインはムートン・カデではないのでは?!」と思った方は結構なワイン好きですね。

そうです、シャトー ムートン・ロートシルトのセカンドワインはこのムートン・カデではありません。
それは「プチ・ムートン」と呼ばれています。

プチ・ムートン
















この赤い葡萄のラベルは忘れることはないでしょう。
これがムートン・ロートシルトのセカンドワインです。

これくらいのワインになると、文句なしに美味しいものです。

では、どうしてムートン・カデなのか?!
そこが本当のポイント!
今回のこのムートン・カデのラベルは、昔「セカンドワインだった頃」のムートン・カデの復刻ラベルです。
つまり、昔はムートン・カデがセカンドワインだったわけですが、プチ・ムートンという銘柄が出来てからは、サードワイン的な位置づけになったという歴史がある、知る人ぞ知るアイテムだったのです。(ただし、この場合は買い付けブドウが使われているので直接の1級ワインとの関係はなさそうである。)

私もセカンドワインだった頃のものは味わったことはありませんが、やはりワイン好きの蘊蓄好きとしては、こういったネタは外すことのできないポイントであったりしますから、どうしても気になりますし、ワインはそのラベルを蒐集する楽しみもありますから、特にこういった特別なラベルはマニア心をくすぐるアイテムでもあるのです。

さて、味の方は・・・というと、ワインは蘊蓄はいいのですが、私のような者が味を語ると胡散臭いだけですので、そこは御想像にお任せします。
ワインはお酒であり味わうもの。
しかしながら、うるさくない程度に蘊蓄を語り、気の合うもの同士で話をするにはとても良い材料となります。
ムートンの様に絶えない向上心を持って、自分の道を進んでいければ、それも語り草になるかもしれませんね。
私の拙いブログ記事もいつかは一級品のインターネット記事に進化できるように、日々積み重ねていきたいと思います。




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