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ゆらゆら揺られてなに想う 浄善寺のイチョウ


私が住む大阪府の街中にある樹木で一番目につくもの、といえばやっぱりイチョウでしょうね。
堺市の方まで行くとクスノキの巨樹が街中にポツポツあって驚きますが、こと街路樹ということでいくと、大阪のメインストリートである御堂筋にならぶイチョウ並木は見事なもので、某大阪の信用金庫のシンボルマークに採用されるのも頷けるほどの認知度だと思います。

しかしながら、イチョウが注目されるといえばやっぱりこの季節から・・・
綺麗な黄葉を見せる姿はとても心地がいいものですし、見慣れた風景が全く違った印象に変わる瞬間で、時間に追われながらも季節感を感じさせてくれる、ほっこりとした風景です。
また、季節の料理に活かされる銀杏も日本ならではの様に思います。

しかし、そんなイチョウもところ変われば巨樹巨木がわんさかあるもんです。
といいましょうか、一時は絶滅したとまで言われていたこの樹種が、こんなに日本で巨木になっているなんて、と驚く事がある位にいろんなイチョウの巨樹がいます。
今まで紹介した中では河内の流谷八幡宮のイチョウ小国の下城の大イチョウ一言主神社の乳イチョウ亀山市宗英寺のイチョウなどがありますが、どれも個性的であり立派です。

イチョウの巨樹の見どころは「乳」と呼ばれるものです。
一言主神社のイチョウは乳イチョウと言われる位たれているのですが、これは気根という内部にでんぷんのたまっている部分です。
そしてそこには必ず、この乳を削り取って煎じて飲むと、乳の出が良くなった・・・という言い伝えが残っているのです。
事の真偽はともかく、そういった言い伝えが残るほど、人々に愛されてきた木である証拠ですよね。
だからこそ、街中に巨樹が残るのかもしれません。
因みに、イチョウのあれこれについては今までのイチョウの記事や一言主神社や下城の大イチョウを紹介した「イチョウ サイド(再度)ストーリーシリーズ」を参照ください。

さて、今回は本当はイチョウの見どころである、綺麗な黄葉をお伝えするはずだったのですが、残念ながら、今回も(!)葉っぱ無しです。あしからず・・・
訪れたのはシーズンオフでして・・・
それでも紹介したくなったのは、その場の雰囲気がすごくのんびりとしていたことが忘れられないから、です。

浄善寺の銀杏 2


巨樹巨木によくあるような、うねるような幹や先に挙げた目立った「乳」はないのですが、天にむかってまっすぐに伸びている幹がとても印象的なこのイチョウは浄善寺のイチョウ。

浄善寺の銀杏 1

とりたてて非常に大きい、というわけではないのですが境内にニョキッと立っているそのそばに、昔ながらのプラスチックのベンチ(それも結構きれい・・・)があったりして、なんか和みます。
保存の観点からいえば、厳重に近寄れないように柵をするなどの措置が見られるところもありますが、そんないかめしい雰囲気は一切なく、ちょっとベンチに腰掛けて先輩イチョウに人生相談でも始めたくなってきます。

浄善寺の銀杏 4


案内板にある様に、このイチョウは少し独特な遺伝子を持っているようです。
それも福岡県と韓国にあるイチョウそれぞれと同じ遺伝子をもっている、というのです。
福岡はまだ日本ですから理解できる?けれども韓国のイチョウとの関係は?!
なぞですねー。
どちらかが持ち込まれたものなのか、それとも同じ一つから分かれたものなのか?!!
やはり歴史あるものは興味深い点も多いです。

浄善寺の銀杏 5


それにしても、上の写真の様に、太い幹が出てくる地面の近くから大きく花が咲くように幹分かれし、それでいてまっすぐ上に向かって伸びるその樹形はやはり独特なものがあります。
それに乳が垂れていない事から余計にその樹形の美しさに目がとまるのでしょう。

浄善寺の銀杏 6

先程、イチョウの近くにイスが置いてあるといいましたが、そのイスの近くにブランコがあります。
あれ?!どこにも金属のステーのようなものがないけれど・・・
もちろんですね、イチョウの大きな幹からロープを下げられたブランコです。

これがなんとも心温まるというか、ほんわかします。
ベンチに腰かける男の子に、ブランコをゆらゆら揺らす女の子が話しかける・・・
う〜ん、ロマンチック!
訪れた時間が黄昏時だったこともあり、一人そんなことを想像し、自分の青春時代を振り返ってひと時目をつぶるのでした。

そうやって一人のほほんとしていたのですが、気がつけば近くに奥さまが・・・
どうもお寺の奥さまのよう。
挨拶をして少しイチョウの話をしました。
大阪から来ていますというと、ニコニコとして笑顔を返していただきました。
これも巨樹探訪で心温まる瞬間。
基本、人との触れ合いというのはいいものです。


浄善寺の銀杏 7


そんな事を考えられる位、どこかいい雰囲気の浄善寺。
もちろん、巨樹にも惹かれるものがありますが、その周りの環境も含めて印象に残ったのがこの浄善寺のイチョウです。
葉っぱはなくとも、黄葉していなくてもそんなこと関係無い、と思わせてくれる存在感でした。
もちろん、旺盛に葉を茂らせているところも見てみたい気もするのですが・・・

そうこう考えていると日も傾いてきました。
離れるのが心残りなのはいつも同じですが、やり残したことが一つ。

浄善寺の銀杏 3

女の子でもなく、つれあいもいませんが先程のブランコに腰掛けてイチョウと記念撮影です。
何を話したかは・・・内緒です。
青春の思い出話でも・・・・・


浄善寺のイチョウ所在地


島根県大田市三瓶町池田2132

境内に駐車可



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