空を見上げて
トップページ » ここまで味わってこそ・・・

ここまで味わってこそ・・・


日々木材と接していると、もったいないなぁ・・・と思う事がしばしばあります。
一般のお客様が来られて、それなら無料で差し上げますよ、と言って驚かれることもあります。

つまり、定尺や規格寸法で木材を使っていると、どうしても端材や切り無駄、あまるけれども寸法が不足になってしまうもの、などが出てきてしまいます。
建築設計の勉強のなかでも、「木材は切り無駄を考えた数量で発注する」という教えがあって、試験にもひっかけで出題されたりしています。
もちろん、工場規格品ではない木材は、実質必要数量では不足が出てくる場合があるので、その分をたしておかないといけないのですが、いざ実際にその「切り無駄」部分を目の当たりにすると、冒頭の「もったいないなぁ・・・」が出てくるわけです。

この勿体ない部分を如何に活用できるかも材木屋の使命のうちの一つだと考えていますが、実は勿体ないところは他にもあるんです。
その部分をなんとか活用できないかと只今試作中です。

試作品 1

手前がナラ、奥がカバ。
どちらも国産広葉樹材に無垢フローリングとしての加工を施したものです。

無垢フローリングと言っても、これがさっき言った勿体ない部分から試作しているフローリングです。
どこがもったいないのか・・・

試作品 2

こういうところです。
この割れ、裏面まで貫通しています。補修を施しても室内での使用には厳しいところがあります。

試作品 3

そしてこんなとこも。
どうしても節や芯材(偽芯材含む)の部分では割れる事がありますが、ささくれ立って集中して割れてしまうこともしばしば。
ささくれでは、素足では歩行できません。

一本の丸太から部材を取っていくと、必要な寸法には合致しても乾燥の過程で割れたり捩れたり、ささくれるところが出てきます。
中には蛇の様にグニャっと反ったりすることもあります。

試作品 5













反りや曲がりの癖のきついものは、仕上げ加工でも削り取る事が出来ず表面が平滑になりません。
指で囲っていることろは削りきれないところです。
飛行機のプロペラをまっすぐな板にすると考えてください。
もちろん、成型しなおすのではなく木材の様にねじれたプロペラをまっすぐになるまで削るとしたら・・・
多分、まっすぐになる前にそのものが無くなってしまうでしょう。
プロペラの様に捩れると、強制的にまっすぐにすることはできないということです。

試作品 6


 また、写真ではあんまりわからないと思いますが、写真下の方はぴったりと双方くっついているのに、上の方は離れている。

 これが反り。あるところからコキっと曲がってしまっています。なんとか嵌合はできますが、ちと苦しいところがあります。








無垢のフローリングとはいえ、「商品」として見られますから室内用としてこれらのまま出荷したのではもちろん「不具合」とされてしまいます。
それにより、フローリング製作の中では少なからず勿体ない部分が出来てきます。
丸い丸太を四角い板にするんです。
赤身もあれば皮もある、傷もあれば節もある。そんな丸太を「フローリング」という人間の用途に合わせるわけですから、使えない!とされるのはあまりにも可哀想です。
彼らを活かせる場所を模索中です。

木のすっきりとした美しさもいいものですが、それを紡ぎだすために共に出来てくる彼らまで使い切ってこそ、木を知り木の事を味わいつくすことが出来るのだと思います。
数十年、数百年育つ樹木を利用させてもらうんです。

出てきた表情に合わせて用途を考えないといけません。
活用に向けて、もう少し・・・・・




トラックバックURL
コメントを書く




情報を記憶: 評価:  顔   星