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きちんとした仕事


少し前に「人がいない」なんていう記事を書きましたが、そこに相通ずるようなお話。
そこでも書いたように、現在は様々な便利な商品があり、便利な機械があり簡単になんでもこなせるようになってきて、専門的な技術や知識を発揮する場面はどんどん少なくなってくる。
恨み節のように聞こえるかもしれませんが、実際やはりそれらを発揮するところは減っているでしょう。
もちろん、その技術を買われてずっと継続して仕事のある方もいらっしゃるでしょうけれども、一般的には技術を必要としている場面の少なさは否めないと思います。

それは、建築においては大工さんにも言えるのです。
早く、より簡易に、低コストで施工し使うことのできる商品が増え、手間と時間のかかる専門的な技術を必要とするようなものは敬遠される様になるので、世間がどちらに傾くかは想像に難くないと思います。
しかし、それだけではやはり無理があります。
それなりで良い人はそれなりなのかもしれませんが、自身の住まいを良い材料できちんと建てたい!という方には、時間をかけて手間もかけて良い材料をきちんと施工できる大工さんが必要です。

国産栂の梁1














しかし、現在はそういった大工さんが少ないです。
大工さん自体も現在はたくさん仕事を抱えている状態です。
その中でも、仕事が早くてよく動き、「今時の仕事内容」を理解している方が忙しくされているようですが、その一方で一つの作業をするにもそのおさまりを考え、それでいいのか?と立ち止まって考えるような人にはなかなか仕事が無い様な状態。
いつも、おかしいなぁ・・・と感じます。

要は家という箱が出来ればよいので、ダダっとやってしまう、というようなものですね。
それでは、きちんとした仕事はできません。

先に書いたように、一つの事をするにも立ち止り納まりを考え、この場合はどうなるか、この商品はどうした方がいいのか、という事を考える大工さんでないとなかなかよい仕事はできないです。
その違いは、おそらく一般の方でもわかることがあるでしょう。

因みに、無垢のフローリングの場合はお客様にはひつこい位に「無垢の木材のこと」をお話しますし、お客様もそのあたりを納得いただいて購入していただけるのですが、往々にしてその気持ちや言葉が施工者に伝わらない事が目につきます。
ネイキッドグレードの節や補修の部分が使えない、と廃棄してしまう方や一枚物(OPC)フローリングで生じる実(さね)を入れて施工できるレベルの反りであるにも関わらず、反っている物は不良品だ、とこれもまた廃棄してしまう方・・・・・

木を活かした住宅 2
























木材や商品について不備や欠点のある場合は、その旨申し伝えていただければ然るべき対応もとる事が出来ますし、説明することも可能ですが、グレードの特性やそもそも無垢の木の一枚物のフローリングである事すらも忘れて、「悪いものをはねていくと、殆ど使い物にならない」とまで言われる事もあります。

いつも無垢のフローリングを紹介する時に、グレードによる表情の違いや反りや曲がりの事をお話してできる限り写真も掲載している様に、無垢の一枚の木というのは、同じものはなく、部位によっては性質も全くと言っていいほど異なります。
同じ木でも、です。
それを忘れてしまうと、上の様な事になるのです。

そのようなフローリングの状態をたずねると、とにかく節にパテがあるなんて使えないだろう、とか色が違いすぎるとか、まっすぐでないものは全てダメだとかいった場合が殆どです。

皆さんがどんなものを扱っていらっしゃるか、わかっておられますか?!と聞いてみたくなるのですが、やはりそこは木の事を理解しているかどうかで溝がありますので、話が通じることはないのですが、そんな時はなによりお客様の事が心配です。
その程度できちんとした施工仕事が出来るのか、クリアランスはとれるのか、仮並べはしただろうか、釘は打ってくれているだろうか・・・色々と浮かんできます。
そんな状態になるとがっかりです。
もちろん、お客様もがっかりです。
想いが伝わらないことと、施工が止まってしまうこと、折角のフローリングが無駄になってしまうこと。全てにがっかりです。

だからこそ、「きちんとした仕事」のできる人が必要です。

ロシアンバーチを施工されたお客様もそうですが、よい大工さんとの出会いが無かった事もあり、お仲間内での施工という事になりました。
いい大工さんとの出会い。大切です。
いい材料との出会いと同じくらいに。
やはり出会いや縁というものは大切にしなければいけません。

これからは、木材などの原材料の事よりも施工する人の事を真剣に心配しないといけない様な時代になってくるのかもしれません。
いや、もうすでになりつつあります。

無垢の木材は、隙間なく施工できる・素早く施工できるということは自慢になりません。
その前に、お施主様の気持ちや意向、商品の事を理解して施工に取り組む余裕を持って仕事に臨んでもらえれば、と思います。

と、偉そうなことを言い放つからには、自分の方もしっかりと商品管理と木材の理解促進に努めていかなければいかなければいけません。
よし、がんばるぞー!

八つ房杉
















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