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生きていた(?!)化石 イチョウ 其の弐


さて、イチョウのお話第二回目です。

「いちょう」

原産は中国で、学名をGinkgo biloba(ギンコ バイローバ)、二つの裂片という意味で、外観の通り、葉が割れていることに由来する様です。
英名をGinkgo、和名をイチョウといい、銀杏・公孫樹などと記します。
銀杏は、その実からであることは容易に想像できますが、その漢字でイチョウと読ませるのは「銀杏の唐音読みがインキョウ」だからだそうで、この他に中国名では「鴨脚樹(古代中国ではアヒルの足の様な木をさしていたらしい)」でヤーチャオと読み、これを中国へ渡っていた留学僧が覚えて帰り、転訛しイチョウになったとも言われ、語源については「葉が一枚だから一葉=いちよう」であるというものや、葉の形が「イ(寝)ねたる蝶(チョウ)」のようだからイチョウだとかいわれていますが、真偽のほどはいかなるものか・・・・

西本願寺堺別院のイチョウ


 この葉も、実生のものは多裂しているため、少し形が違うそうです。









漢字の公孫樹も、実がなるまでに人間でいう三世代分の時間がかかる=お爺さんと孫の木ということからその字があてられているそうです。

とまぁ、面白くもややこしくもあるイチョウの名前に関するお話ですが、さすがに街路にて見かけるイチョウの名前に、ここまでの謂れがあるとは知られていないのではないでしょうか。

とはいえ、イチョウは植物学上も非常に珍しい種類で、分類上「イチョウ綱イチョウ科イチョウ属」に一種しかない、いわば「自分しか残っていない」樹種でもあるのです。
葉や幹の形からは想像できませんが、学術上針葉樹に分類されているイチョウは、シーラカンスやさかなクンが再発見したことで話題になったクニマスの様に、生きている化石といわれています。
というのは、イチョウの仲間の種は今から2億5000万年前に出現し地球への出現の歴史はソテツ植物に次いで古く、1億6千万年前には世界中に分布していたからで、化石も発見されているのですが、その栄華を極めていたであろう時代の仲間のうち、現在まで残っているのがイチョウただ一種であり、1712年、日本に滞在していたエンゲルト・ケンペルが、西洋では絶滅したと考えられてきたイチョウを日本で発見し、母国に送ったことから欧州に広がり、中国の浙江省と貴州省で現存していることなどが知られる様になったという経緯があります。

化石では17属あったとされているのですが、仲間たちは厳しい地球環境の変化に耐えられなかったのでしょうか、現在では残っていないようです。
それくらい古くから存在する木ですから、大木も多く見られますし様々な文献に登場しているかと思いきや、文献への登場は室町時代以降からと、日本でのイチョウの歴史は古く語られてはいない事がミステリーです。

しかし、イチョウの大木はやはり数多く、天然記念物に指定されている樹種別で見ても、杉・桜・樟に次いで第4位に名前を連ねています。
我が大阪府の木としても有名ですし、東京都や神奈川県にも指定されています。
大阪では御堂筋のイチョウが有名ですが、私のあってきた流谷八幡宮のイチョウも大した迫力でした。

流谷八幡神社 3
























残念ながら黄葉は拝むことができませんでしたが、崖に聳えるイチョウのすさまじい生命力と、決して踏むことなど考えもしない様な(当然立ち入り禁止)異形の根は、間違うことなく大阪府の宝です。

流谷八幡神社 6













そしてイチョウの大木といえば、鶴岡八幡宮のイチョウでしょう。(神奈川県木の由来)

源実朝暗殺の折にこのイチョウに身を隠したという逸話が残り、「隠れイチョウ」などといわれていますが、その時代に人が隠れる事が出来るほどに大木だったかは疑問ののこるところですが、それも歴史ロマンの1ページでしょう。歴史学者さん以外は余計な詮索は無用ですね。
などといっても、私もまだ会いに行ってはいないので、かの地について詳しい事は言えませんが・・・といいますか、2010年の強風で倒れてしまったため2012年現在では既にその巨樹ぶりは見る事が出来ません。
残念でなりませんが、最近の記事によると根元に近い幹は元の場所の近くに移植されていることと、元の場所からもヒコバエが成長しているそうです。
この事を考えるとやはり、樹齢1000年とも言われていたイチョウの強い生命力を感じずにはいられませんね。

いや、しかしイチョウはその歴史どおり話が深入りしそうですねぇ。
更に続くイチョウストーリーは次回最終回に持ち越しにさせてください。
次はイチョウの雄雌、街で見かける訳をお話します。




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