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沈香(じんこう・イーグルウッド) -香木について-


行きたくてうずうずしてた正倉院展。予定が詰まりまくっていてまさかの行けずじまいで終わってしまった・・・あぁ、蘭奢待が・・・・・

悔しいので(笑)、記事だけでも香木(こうぼく)ネタで盛り上がりましょう!!
香木の話をするには丁度良い今回の蘭奢待の出展ですが、見学者の方たちも「これが木なのか?」と香りを疑似体験し驚かれるか、歴史上の人物が切り取ったとされる権力の象徴として眺めるかのどちらかではなかろうかと思いますが、どちらにしても、日常の生活からはなかなか遠い存在ですし、街の材木屋さんには特に「関係のない」木の筆頭ではないでしょうか・・・

「普通の」材木屋の扱う木というのは、先ず建材でなくてはならず、それを原材料としてフローリングなり、壁板なり、テーブルなりに加工できるものが前提です。
しかも売れる値段で・・・

だから、香木の様な高くて売れへんし、そもそもその存在すら知らずに「におい嗅いでどうすんの?!」というくらいの勢いですから、木といえど本当に関係性のない木なのです。
一部のマニア材木店を除いては・・・・・・・

はい、もちろん大阪では「ウチ」ですね。
木についてはアホなくらい真面目ですから、少量ながら在庫しています。というか、こんなん在庫とは言えないですね。
子ども同士が、お互いの自慢のおもちゃを競い合い、「オレ、これ持ってるで!!」と得意気に見せる、あのノリの「持ってる」という感覚ですね・・・
自宅にある正倉院ならぬ「昌倉院(しょうそういん。木材馬鹿の蒐集庫。自身の一字から。収蔵宝物はいつか紹介します。笑)」にも保管されていますが、それ以外にも数点「もって」います。

さて、香木とはそもそもどういったものなのか?!
その字の通り、「香る木」ではあるのですが、ではそれがどうしてここまで稀少で貴重なのか?!
そのあたりから話を進めていきましょう。

先ずその歴史ですが、今話題の宝物「黄熟香=蘭奢待(らんじゃたい)」が日本にもたらされたであろう、西暦595年ごろから既にその価値は高く稀少であったことは史実より明らかです。
天皇や天下の武将が切り取って権力を示すほども「高貴」に扱われていたのは、その特有の香り以外に理由があるのでしょう。

一度でも沈香(じんこう)やのちに紹介する伽羅(きゃら)の香りに触れたことのある方なら、あの人を魅了する馥郁たる香りに歴史上の人物が魅了された事も頷けると思いますが、その香りと同時にあるのが「宗教」です。

沈香などの香木は、主にベトナムやインド、タイなどの東南アジアの国々が原産国です。
香木でも白檀などは、ハワイやニュージーランド、フィジーなどにも産しますが、沈香や伽羅となるとまた異なります。

銘木館8




 白檀原木。銘木館にて。









当然沈香などはその原産国でも当然貴重であり、大切にされているわけですが、そもそも「香り」というのは神聖な儀式に必要なものであり、その香りをくゆらすことで、楽器による聴覚から入る「音」とともに嗅覚への香りによる訴えかけで、五感に語りかけて宗教の儀式をより厳かに行うという意味を持っているようです。
当然、香木などを寺院などに寄進した記録も古くから残っていますから、香木を用いることで、更に仏様にすこしでも近づこうという意図も含めての事だと思います。

また、そういった事もあってか、仏像なども香木でなされている事が多く、海を渡ってきた宗教とともにその仏像をみて、昔の日本人はその身仏の御顔にふさわしい「香り」を感じ取ったのでしょう。
それ以来、広葉樹に移り変わって途切れる時代もあったにせよ、仏像彫刻には香木を珍重してきました。
そして、香木が貴重なのには日本には沈香や白檀程の香木というものが無いのも理由の一つです。
当然、樟(くすのき)という、とても強い香りを放つものもあり樟も古来より使われてきた素材ではあるのですが、やはり沈香や白檀といった香木とはその芳香を異にします。
樟以外では、「和白檀」と称される「コノテガシワ」が使われる事もありますが、こちらは白檀とは樹種としては別の物ですが、香りも香木に似ていて、「和=日本」という名がつくのも頷けるものもあります。
こちらも本家白檀とまではいいませんが、稀少な木であります。
それでもやはり後にも先にも日本人らしく、その加工性や落ち着いた木目と優しい香りからでしょう、桧を使うようになるのですが・・・

つまり、香木というのは神々しい物の象徴であり、その香りは「仏を連想させる」鍵だったのでしょう。
そういったことなどから、古来より大切にされる「宝物」として、今もなお正倉院にて一級の扱いを受けているのでしょう。

さて、次回はその香木のうち沈香を詳しくご紹介したいと思います。

沈香・白檀・神代樟















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コメント
1. Posted by ぎし   2012年01月19日 11:31
白檀の材木10×10×20cmくらいだとどのくらい値段になるのでしょうか?
2. Posted by muku_mokuzai   2012年01月19日 21:46
> 白檀の材木10×10×20cmくらいだとどのくらい値段になるのでしょうか?

ぎしさま

はじめまして、大阪の戸田材木店担当のとだしょうじです。
この度は、数ある記事の中から弊社にお問い合わせ頂きありがとうございます。
お尋ねの件ですが、寸法は、10cm×10cm×長さ20cm(20cmの長さの10cm角材)でしょうか?!
現在の在庫は25mmくらいの角材と9cmの丸太(商談中)のみとなっていますので、寸足らずかもしれませんね。
価格はその都度になりますので、ご要望寸法に足りるようであれば、再度ご連絡差し上げますので、メールアドレスのみで結構ですので、ご連絡いただければと思います。
明日以降、出張にでますゆえ、次回お返事遅くなりますがご容赦下さい。

ありがとうございます。

戸田材木店 戸田昌志
3. Posted by ぎし   2012年01月20日 15:34
お返事ありがとうございます、では一番近いのは9cmの丸太(商談中)ですね、入ったら連絡いただけるとありがたいです、お願いします。
4. Posted by muku_mokuzai   2012年01月22日 23:35
> お返事ありがとうございます、では一番近いのは9cmの丸太(商談中)ですね、入ったら連絡いただけるとありがたいです、お願いします。

早速のお返事ありがとうございます。是非連絡させていただきます。
宜しくお願いします。
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