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無垢の木の購買動機


ちょっと前に不思議な話を聞きました。
その人は子供のころから木目の印刷されたシートを使った勉強机で育ったそうです。
それが社会人になりグレーの事務机になると、とたんに落ち着かなくなったらしい。気持ちが不安定なので木目の(今度は本物の木だった様です。)物に取り替えるととても落ち着いたそうです。

やっぱり木目は落ち着くんですねぇ!!

それがその人の言葉でした。
木を扱ってらっしゃる、それも無垢の木をとても詳しく扱ってらっしゃる会社の方が私に力説してくださいました。

近年は印刷技術もとても進歩していますから、特に和室の天井板などは本物かどうかなど、見上げても普通にはわかりません。
ですが、いくら進歩しても印刷と無垢とは違うところがあります。
似ていても全く違うところ。

人間は確かに、木の木目を見て落ち着くことがあります。
が、それはただ模様が落ち着くだけとは限りません。木の事に関しては以前の木の床の不思議五感シリーズやその中の視覚編・見え方編を見ていただきたいのですが、人の目はそんなに単純なものではないのです。

木の木目で人間が落ち着くということや、美しく感じると言うのは、木が紫外線などを吸収したり光の乱反射を抑えてくれたりし、目に優しいからだというのも一つの理由ですが、見た目の木目だけでなくそこから発する香りやまたは肌触りを知ることによって、木のよさを感じているといえると思います。
また、小さな生きている(生きていた!?)細胞の集まりである木は、その細胞の配列によりいろいろな杢や色合いを見せてくれますし、それらは見る角度や光線によっても美しさを変化させるところがあり、それこそが印刷では表現できない、本物の妙であります。

ですから、いくら忠実に木目を印刷しようとも、その手触りや光の吸収の仕方、木目の美しさは決して真似できるものではありませんし、「木と木の模様」は比べるものではありません。
ですので、本来は印刷には無垢の木と同じ安らぎと言うものは求められないと思うのですが、どうやら「営業トーク」の中に木の安らぎを勘違いして盛り込んでしまっているようです。

印刷の木目も、無垢では使用制限のある場所や複雑な加工などにはとても有効だとは思うのですが、それを引き合いに出して無垢の木材を売り込むには少し無理があります。
折角の素晴らしい商品群が台無しです。

結論、何を言いたいのかというと、本当に無垢の木を真剣に検討するならば「木が好きで木のことを知る方に依頼して欲しい」ということです。
無垢の商品だけ欲しいのであれば、魅力的な商品群から選び出せる会社に注文するのが一番ですが、私はそれぞれの木のお話からその特徴まで知って気に入っていただいて使っていただきたい。
その方がより木が長持ちしますし、愛着もひとしおでしょう。

私は営業トークは下手です。
でも、木は大好きです。だからこそ、木を真剣に検討していらっしゃる方には真摯にお答えしたいと思っています。
何故昔からその木が使われてきたのか、どうしてこの場所にこの木が必要なのか?反対に何故この木は使われていないのか?
視覚・見え方編でもお伝えし、床(フローリングの)にもっとも適した木材とは〜書き出し〜のところでも触れていますが、一概に杉は柔らかいからフローリングには向かないとか、床には硬い木がよいとか、そうは言えないのですね。
では、何故そういえないのか?!
そこまでお伝えできる方は少ないはずです。

商品としての「セールスポイント」しか知らないと、自社の製品のよいところはどんどん出てきますが、では、何故その木が良いのか?ということは出てこないものです。

あなたは商品としての木材を買いますか?!
それとも、無垢の木のよさを求めて木を選びますか?!

木を扱っている方には誤解していただきたくないのですが、まだまだ「木製品」の営業という仕事になっているところがたくさんあります。
私は「木製品」ではなくお客様の為の「無垢の木」をご紹介していきたいと思いますので、宜しくお願いいたします。



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