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琥珀(こはく)に思う


先日の新聞にロマンのある記事を見つけました。
それは、「恐竜や初期の鳥類に生えていた羽毛がカナダ西部で発掘された白亜紀の後期(7000万年前!!!)の琥珀(こはく)に閉じ込められた状態で見つかった。」というものです。

私は特に琥珀を蒐集しているわけでも、化石マニアでもありませんが、その記事の続きが大切です。
その羽毛は、細部の構造まで琥珀の中に保存されたままだったそうです。

琥珀とは古くから、宝石としてやお守りとして人々に愛されてきた歴史のあるものですが、その材質は太古の恐竜や鳥類が栄えていたであろう時代の木の樹液の化石化したものです。
とても美しいブランデーやウィスキーのような色合いや、赤身がかっていたり緑色がかっていたりするものもあり、見るものを虜にするような自然の産物です。

実は私も、数年前に東北に旅行をした際に、琥珀の記念館に訪れるまでは樹液の化石だとは知っていましたが、それほどの興味はありませんでした。
しかし、琥珀の多くはアガチス(*)という現存する木の仲間の樹液からできている物が多い事と、様々な琥珀の種類があること、そしてその時代背景や珍しいものでは「インセクトアンバー」といって、琥珀の中に虫が当時のままの姿形で残っているものもあり、時の流れをより一層身近に感じる事が出来たのです。


*アガチス(カウリパイン。パインの仲間ではないが・・・)
桧や杉の様な針葉樹であるが、珍しく南半球に自生している、。日本には「南洋桂」や「新カヤ」などと言って将棋盤や碁盤などに使用されていた。カウリという名で、ホームセンターなどでも棚板を目にする事がある、ナンヨウスギ科の植物。
ニュージーランドのノースアイランドに住むマオリ族は、この木の巨木を「tanemahuta(タネマフタ。森林の王様、森の紙。)」と呼んで大切にしている。その由来は、一帯の林冠の更に上樹高45mの高さに達することからであるらしい。そのタネマフタは直径4.38m!!、高さ51.2m、推定樹齢1200年ということ。
フィリピンでは Almaciga アルマシガ(日本では一般にアルマシカとして流通。)と呼ぶ。普及品の和室の床柱用として多く流通していた。 


インセクトアンバー以外にも、植物が閉じ込められている物もあります。
それらも虫たちと同様に、その時代を映す鏡として貴重な存在なのですが、大抵の場合、琥珀には残るのですが、平らに押しつぶされた状態で化石となります。
そのため、今回の様に羽毛までわかるような状態で発見されることは極めて稀なのです。
もしかすると、これが発端で恐竜時代の研究にまた新たな発見があるかもしれません。

しかし、琥珀がアガチスの樹液(全てではないけども・・・)だと知ってとても感動した事は忘れませんが、時代背景は違えど、やはり植物は神秘的ですね。
7000万年とはいかなくても、神代木も数千年の時を経て現代に現れるわけですし、琥珀の様に化石になっている木は珪化木や木化石として出現します。
それらはともに人知を超えた世界からの贈り物だと思います。
この美しさを見て、もっと地球を、自然を考えてほしいという小さなメッセージかもしれません。
数百年後の世界において、人類が発見するものが自然の産物「化石」ではなく人類の手に負えない物質「核のゴミ」ではないことを切に願い、残暑厳しい(この言葉は不適切ですが・・・)事務所にて節電することとしましょう・・・



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