空を見上げて
トップページ » 間違いやすい木の名前

間違いやすい木の名前


昨日、ちょっとした用事でインターネットを見ていたのですが、やはり凄い情報量ですね。
調べようと思うキーワードや単語もきちんと入力しないと、えらく膨大な量の検索結果の中から一つづつ見ていかないといけません。
といっても、日々進歩しているでしょうし、数年前に比べると格段に検索しやすくなっていると思いますが。

そんな中で、たまたま見つけたページに「木材の名称」についてのことがのっていて、興味深く読ませてもらいました。
私も材木屋として、少しでも分かりやすく、また疑問の解決になるような記事を心がけているつもりですが、木材・建築などの業界の方でも知らない様なことや、一般名と通称名などが混在すること、また、雅名などがあるものもあり、依然、木材のわかりにくさについての検索は多いようで、そのページの管理者の方も丁寧に説明を記述されていました。

国産材でも、各地方の方言によっての呼び名の違いがある様に、輸入材は原産国によっても違い、また経由港によっても呼び名が変わったりするため、もう何が何やらわからなくなります。

弊社のページをご覧いただいている方の中にも、こんな疑問を持っていらっしゃったり、以前に調べていたりした方もたくさんいらっしゃると思います。
今回は、詳しくは述べませんが(書きだすとキリがないので、大きくとらえてご紹介します。)、よく間違われる一例をあげてみたいと思います。


1.日本人にはなじみの深い

これも、以前に取り上げた事がありますが、外国産の桧では米桧(べいひ。)、台桧(たいひ。たいわんひのき)、などがあります。
他に、ラオス桧がありますがこれは広義にはヒノキ科ですが、正確には少し外れるようですし、チベット桧というものもありますが、これもおそらく狭義では、別種のように思います。
そして百貨店にて一時期よく見かけた「アラスカ桧」。
これは良い命名だと感心しますが、正確にはスプルースです。
因みに、神代桧というものは、きちんと存在しますので、お間違いなく。
濃く色付けしたりして、こんな名称にしている桧などもあるかもしれませんが、神代木になった桧も出土していますので、これは正解です。
弊社の人気アイテム、金具不使用神代桧木製名刺ケース(名刺入れ)を見ていただくとわかると思います。

DSCF0233


 神代桧木製名刺ケース(名刺入れ)

 あしからず完売です・・・


他には南洋桧といっているものは、アガチスという南洋材としては珍しい針葉樹材の事を指していますし、このアガチスは別名南洋桂ともいわれ、コンパクトな将棋盤などにも用いられています。
南洋材の話をすると、「ラワン」とは?!という、深い沼に入っていかないといけないため、その辺はまたの機会にさせてください。

2.それからもうひとつ、日本を代表する樹種「杉」

文献によっては、「杉は日本固有の樹種」とあるのですが、中国にも存在しているようです。
といっても、材木屋サンで見かける「中国杉」その他の名称の物は、正確には杉ではなく、「コウヨウザン(広葉杉・行者樅)」と呼ばれる、樹種である場合が多いです。
そして「米杉(べいすぎ)」。
これも、一見アメリカ産の杉かと思いきや、正確にはヒノキ科の樹種である日本で言うところの「ネズコ」という木です。
日本人は、自分の知っている名称を聞く方が安心するためでしょう、「アメリカネズコ」ではなく、「米杉」になったようです。

3.米桧や米杉などの「米の字」がでたところで、あと二つ、ややこしい針葉樹をあげておきましょう。

まずは日本の建築に無くてはならない構造材、「米松(べいまつ)」。

米松














これも、当然アメリカの松だと思いきや、日本で言う「栂椹・トガサワラ(別名、吉野松)」(とが・さわらと分けずに発音してください。分けると別々の二つの樹種になっちゃいます。)という樹種にあたります。
ご覧になる機会があれば、じっくり見てください。
以前のクイズにも出した様に、日本の松とは少し違っているはずですよ。
とはいえ、米松は大径木のとれる優良な木であることには変わりありません。

そしてもう一つは「米ヒバ(べいひば)」。
とても芳香が強く、好き嫌いの分かれる樹種ですが、日本のひばに色はよく似ています。
が、香りがまったく違いますし、米ヒバと名前は付いていますがこれは前記の米杉と同じような理由の名付けだと思われますから、ひばではなく、どちらかというと桧に属します。


そして、針葉樹以上に手ごわいのがケヤキやナラなどの属する広葉樹です。
広葉樹は、針葉樹以上に日本の中でも名称が混乱しやすいのと、よく似た樹種を用いて希少種を代用している事が多いのが困ったところです。
一つづつ見ていきましょう。

4.まずもっともポピュラーな?!ややこしさである、「さくら・桜」


真桜














これも何度もお話しているのですが、未だに材木屋サンでも違いを知らない人が多く存在するワースト1の樹種だと思います。
なにがややこしいのか・・・・
桜という樹種をお求めになられた経験がある方なら、「これが桜?!」か「あそこの桜材と、こちらの桜材がまったく違う」、というどちらかの経験はないでしょうか。
それらの問題は、樹種の混用によるものです。
ブラックチェリー無垢フローリングのところでも詳しくお伝えしていますが、一般的に材木屋サンや家具屋さん(無垢フローリング屋さんも含め)が「さくら」といっているのはほぼ全て「樺・かば」です。
樹皮も、用途も桜と良く似ていますし、まとまって材がとれること、材質も美しいことなどがその理由でしょう。
しかし樺といっても、また種類がいろいろとあることもあり、外観の差は生じますので、各店によって違いが出たりします。
また、本物の桜(広義の真桜・まざくら)と比べると、お客様が桜材といって想像する「桜の花の様なピンク色」に近いために、本物のさくらを見てもらうと必ず「これが桜ですか?!」と訝しげなまなざしを受けるのです。
本物の桜を見せているのに、「この材木屋大丈夫か?!」というような感じで。
もう慣れてますが・・・


5.そして、塗装されると見分けのつきにくい「欅(けやき)」

塗装されると、と注釈したのは無塗装であれば判別できる場合もあるからです。
欅調や、欅柄というのは、当然欅を使っているのではなく、似た樹種である「楡(にれ)」や「栓(せん)」という木を着色塗装した物です。
楡の場合は、欅自体ニレ科ですから、無塗装でも判別しにくいですが、栓の場合は無塗装だと欅のような茶色を帯びた色ではなく、淡い灰褐色系ですので見分けがつくと思います。
色ばかり言うということは、それだけ木目も似ているということですね。
また、材質についてですが「イヌケヤキ」などという場合があります。
これは、材質的に劣っていたり、良材ではないものに充てられる事が多い名称のようですが、他の樹種では、「イヌ」とついても「イヌマキ」や「イヌガヤ」のように亜種や同属の別の樹種を表す場合もあるので注意が必要です。

6.また、これも有用な環孔材(導管といわれる組織が年輪の環のように並んでいる樹種)広葉樹ですが、「黄蘗・キハダ」という樹種があります。

これは、珍重される桑ほど濃い色合いではないですが、渋い色合いで硬すぎず柔らかすぎずの良材です。
そのため、桑の代用材として使われるので、「女桑(めぐわ)」と呼ばれる事があります。
私は美しい雅名だとおもうのですが、ややこしいだけでしょうか?!


さてさて、もう言いだしたらキリがなく、他にも以前書いている「オークと樫の木」や、ブラックウォールナットに似せた材、その他鉄刀木(タガヤサン)や「●○紫檀」という名称と、仲間については、各記事を参照していただきたく思います。


いずれにせよ、これらを「偽物・代用品」と位置付けているのは人間の都合からです。
それぞれの材にはそれぞれの個性があり、同じものはないのです。
ですから、樹種について本物か偽物かと考えるよりは、その樹種の特徴と良さをどれだけ理解できるかに気持ちを向けてもらいたいものです。
これは、人と接する時も同じですよね。

訝しがって眺めるのではなく、歩み寄っていくこと。
それが木材に対しても違和感なくできるように、疑問やややこしい用語の話題にも触れていきたいと思います。
では、またの機会に。



トラックバックURL
コメントを書く




情報を記憶: 評価:  顔   星