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床(フローリング)にもっとも適した木材とは・・・ 〜まとめ〜


これまで数回に分けて木の床・無垢フローリングの選び方についていろいろとお話してきましたが、今回はまとめと、前回までにあげていなかったポイントをお話したいと思います。


初めにお話した、床に求められる条件のうちの「足触り」についてですが、これは前回の杉のフローリングの話に通じるものがあります。
以前の記事で、「木の床がどうしてあたたかいのか?」という事をお伝えした事がありましたが、温かさと足触りはとても近い関係にあります。

物体が熱をどれくらい伝えるかという事を知るために、熱伝導率(ねつでんどうりつ)という数字を用いる事があります。
この数値が小さいほど、その物質の表面を触った時に冷たく感じにくいのですが、木材はどのくらいでしょうか・・・
各材の目安数値です。(温度等にも影響されるので、コンクリートは常温、ステンレスは0℃、木材は20℃とした場合。)


・ステンレス     21.1
・鉄筋コンクリート  0.86
・ポリスチレン    0.068〜0.103
・楢(ナラ)      0.14
・桧(ヒノキ)     0.11
・杉(スギ)      0.08

注)木材は含水率(木材中に含まれる水分)にもかなり左右されます。

という数値です。
ポリスチレンなどは断熱材に使われるほど、熱の逃げにくい素材ですので、数値は低いです。
が、木はどうです?
優秀ですよね?
ポリスチレンほどではないにせよ、杉などはかなり小さい数値にあります。
この事が、足裏からの熱が逃げる事を防ぎ、そのおかげで温かく感じるのです。
実際、物体を触って冷たい!と感じるのは、その物が冷えているのではなく、その物に自分の温度を急速に奪われていくからだそうです。
熱伝導率の大きい金属板などが冷たいのはそのせいで、反対に木が温かいと感じるのも、このおかげです。
また、熱伝導率が大きいと、どんどん熱が奪われますので、ずっと冷たく感じるのですが、木材などは、樹種により触れた最初は冷たく感じるものでも、徐々に熱が蓄えられ冷たさは和らぐはずです。
もちろん、触れた反対側が以上に温度が低い場合などは、いくら木材でも冷たく感じますので、床の場合も断熱施工は欠かせませんが・・・

これが木の温かさにつながるもので、ただ単にイメージとして「あたたかい」というだけではないことの理由です。
ですが、熱伝導率の小さい木は自ずと軽軟な樹種が多くなるため、杉の様に表面の硬度は低くなります。
そのため、表面の傷は大きくなります。
また、こういった具合に経年変化もします。


米ヒバフローリング経年変化



 木の年輪の硬い部分がのこって、軟らかい部分が摩擦により少しずつ削られた証拠です。

 このような状態になりにくいものを、耐摩耗性の高い樹種といいます。

 といっても、これらの傷の付く樹種はアイロンなどを用いる事により、傷を戻すことができたりしますので、あまり傷に神経質になる事はないとも思います。








これも初めお伝えした条件の中にありましたね。
つまり、歩行などの影響を受けて少しずつすり減るのは当然のことです。
ですので、歩行頻度の大きいところなどには、耐摩耗性の高い樹種を選定する必要があります。

耐摩耗性の高い樹種とは、比重(ひじゅう。物質の重さを同体積の水と比べた場合の割合)が高い物の方が重硬な性質になるため、硬い樹種に目が向くのですが、あまりにも重硬なものになると今度は硬すぎることと、先に書いた様に熱伝導率が大きくなる傾向にあるので、冷たく感じる為にだいたいは比重0.6〜0.7位の物が当てはまります。(因みに日本産材でもっとも重たいもので1.0位。世界では1.3近辺位です。)
桧や杉などの針葉樹はほぼ0.4近辺から0.6未満ですので、この条件には広葉樹である樺(かば・バーチ)、楢(なら・オーク)、メープル(楓)、などの樹種が向いているといえます。


ロシアンバーチ150幅V溝 2

 樺(樺・バーチ)幅広無垢フローリング











また、広葉樹の場合は木の表情も針葉樹に比べ様々な為に、意匠性(外観も含めた)の為に選ばれる事が多いのも一つです。


板屋楓幅広無垢フローリング 無節施工1板屋楓幅広無垢フローリング 無節施工3







板屋楓幅広無垢一枚物フローリングです。


そして木の床の持つ特徴として語られることのある、「木の床にするとダニ防止になる」といったもの。
これらも、ある意味で木の床・無垢のフローリングを選定するにあたってのポイントになるのかもしれません。

ダニというのは、餌があり湿度・温度の高いところを好むそうですね。
人間の生活上で出るものが餌になるようですが、木のフローリングの場合は表面が平滑であるためそれらを貯め込みにくく、しかも自身が吸放湿しながら湿度を調節するので、過剰に湿度が高くなりにくい。
また、ある種の木材には、ダニの動きや繁殖を抑制する「精油成分」が含まれています。
ひばなどです。外国産のものでも台湾桧や米杉(べいすぎ。あめりかねずこ)、米ヒバ(日本のひばとはちがう。)などがそれにあたります。
そのため、フローリングの溝などに入ったものでも、精油成分の忌避・抑制効果で繁殖を防いでくれるといわれています。

ただ、注意していただきたいのは、これらの精油成分は人間には全く無害とは限りません。
木は天然素材だから安全、という安直な考えが通用しないのです。
木に対する良いイメージであるのは私も嬉しいのですが、一方で精油成分によりアレルギーを起こす方もいらっしゃいますし、加工粉塵を吸い込むと有害なものや、湿疹などを誘発するものもあります。
それらは、木にとっては自己防衛の手段であったりしますから、使わせてもらっている人間の方が注意するべき事項だと私は思うのですが、イメージのみで木を使う場合、特にアレルギーや疾患を持っていらっしゃる方は選定に注意が必要な場合もある事を知っておいてください。

といっても、木のフローリングだけに限らず、1番の予防法はいつも綺麗にしておくことだと思います。
精油成分も殺虫薬物ではないので、万能ではありませんしね。

そして勿論、摩耗性の高い床といえども摩耗はすることと、軟らかくてへこみやすくても、ある程度削られると変化のスピードは抑制されるので、兎に角柔らかいものはダメ!という決めつけにはならない様にしてくださいね。


いかがでしょう。
木の性質も含めていろいろとご紹介しましたが、木の床・無垢フローリングを選ぶ場合の指標は少しはできたでしょうか?
自分は木の床・無垢フローリングに何を必要とするのか?
何を見ればよいのか。
少しは手助けできているとよいのですが。

そして、考えた後は是非、弊社ショールームにお越しいただき、実物を見て、じっくりと木についてのお話を聞いていただければと思いますので、ご予約いただける事をお待ちしております。

弊社取扱の無垢フローリング・羽目板ラインナップはこちらの記事下段からご覧ください。




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