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床(フローリング)にもっとも適した木材とは・・・ 〜杉は柔らかくて床材には向いていないの?!〜


このコラムの書き出しで、「杉はフローリング材に適していない?!」という質問を受ける事があります、と書きましたが、それについて少しお話しましょう。

前回、床に求められる条件の中で弾力性というものを忘れた硬さのみが追及されている、といったような事を書きました。
硬さと一口にいってもいろいろな意味がありますが、前回に示したものはフローロング材の化粧表面の硬度を表しています。
だから、表面につくすり傷やへこみに対して硬いか否かというような話になります。

それでは、別の意味での硬さとは一体何でしょう。

無垢のフローリングの場合は、弾力性から来る衝撃吸収性や「しなり」といったことが、単純な意味での「表面硬度」以上の本当の硬さといったものを示してくれます。
では、その「弾力性」や「しなり」というのはなぜ生まれるのか?

皆さん、「木は生きている」と普通に表現しますね。
少なくとも、建築屋さんや、材木屋さんはそう表現します。
大抵はその後に「だから反る、曲がる」といった説明を始めるのですが、この表現のあやふやなところは以前の記事でもお伝えしました。

が、その生きているという表現通りの部分が今言う「弾力性やしなり」に寄与しているのです。

木の細胞手書き図



 左が角材、右にその顕微鏡拡大・・と仮定して見てください。








へたくそな絵ですみません・・・

木というのは、生きている植物からなるものです。
そのため、細胞組織を持っています。
丁度、絵のストローの様な部分と考えてください。
このストローの様な細胞の一つ一つが、衝撃を受けた際のクッション材となり、衝撃をうけたときの力を和らげてくれたり、タワミではなく「しなる」ことで衝撃を吸収しながらも形状を維持できるのです。

因みに、高さ90cmから人が飛び降りたとすると、着地の時には400kgの力が作用するそうです。
ごっついお相撲さんがのっかったような重量ですね・・・
人はこの衝撃を、自らの足腰でにがしながら受け止めているのです。
凄い力がかかっている事になりますね。
足腰にかかるのは相当な負担だということです。

ですが、衝撃の受け方というのは、衝撃の加わる相手材によるのです。
例えば、陶器の器を落としたとしましょう。
コンクリートや金属の上に落とせば割れてしまうでしょう。
しかし布団では?!
おそらく割れないですね。
衝撃吸収力が違うからです。

それと同じように、木の場合は先程あげた様に細胞を持っているため、ストローの様な細胞組織の一層一層が少しずつ変形し、何層にもわたり衝撃を吸収していく作用があるのです。
だからこそ、木の床の上で跳んだり跳ねたりした場合にも、足腰にかかる負担を軽減してくれるため、木の床・無垢フローリングは疲れが少ないといわれるのです。
ボーリング場の床はボコボコへこんでいますか?
持つのも重たいボーリングのボールの衝撃を受けても割れない、すぐにへこまないのは、単純な表面の硬さではなく、衝撃を吸収しながらそれに耐えるという「耐衝撃性」をもっているからです。
もし、レーンがコンクリートなら、一投しただけで、玉か床のどちらかが割れているでしょう。

合板の場合は言うまでもなく、字のごとく、ベニヤ板同士を何層も接着剤でこってりとひっつけていますし、表面のわずか「0.数mm」の単板(うすぅ〜くスライスされた木材の板)の上にはコッテリと着色塗装と硬化剤入りのクリヤー塗装が施されていますので、見た目は木の様ですが、塗装の層や接着層に阻まれて弾力性を発揮できないと思われます。


さて、今までの事をふまえると、冒頭の杉のフローリングは床に向いているのでしょうか?
答えは??

確かに表面の硬度でいえば柔らかく、へこみや傷はつくでしょう。
ですが、杉材が柔らかいということは、それだけ弾力性が大きいということです。
ですから、歩行にしても、転んだ時にしてもその衝撃を緩和してくれるのが杉のフローリングの良いところです。
表面に傷がついたって、足腰の負担が大きいよりはよっぽど良いですよね?!

だから、杉の無垢フローリングを床に使うことをお勧めします。
ただし、今まで言ってきたような表面の一時の美観を気になさるならば、すぐに合板を検討した方がいいでしょう。


ここまでで少しは疑問は解決できたでしょうか?!
少なくとも、杉がダメだという風評?!は覆せたのではないかと思います。
次はまとめとして、木の床・無垢のフローリングの持つ性質を取り上げていきたいと思います。



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