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松の油に感激


先日、お客様のご要望材を倉庫から放り出している時に、5年ほど前に製材したまま乾燥させていた、国産赤松が出てきました。
出てきたといっても、丸太や大きな板材ではありません。
板をとる製材をしていた時に、とてもよい原木があったのです。
その原木の中で、残しておきたい部分のみを切り取ったものなので、小さい板ですが、これが普通の板ではないんですねぇ。


こんな感じです。


国産赤松 油木 1















うひょ〜!!
削る前はここまでとは思っていなかったのですが、存在を忘れていたことも手伝って、この「油木(あぶらぎ)」の出現には心躍りました。
掃除してて、ベッドの下から10,000円出てきたみたいな(ちっちゃい額やなぁ・・・)、そんな喜びに似たものがありました。

みなさん、松は「松ヤニ」というくらいですから、油っけたっぷりだとおもわれているでしょうが、外観でここまで油が出ている物はなかなかなく、普通の赤松としてではなく、銘木の「肥松(こえまつ)」としてや、油の塊になったものは「神(じん)」などと呼ばれ、大変稀少なものなのです。
ここまで来ると、木質部の空隙が樹脂でふさがれ少なくなるため、飛躍的に重たくなり、水に沈むようになります。


この様な肥松材の油の部分を太陽に透かして見ると、とても綺麗に透けて見えます。


国産赤松 油木 2



 この部分を光の方へかざすと・・・










国産赤松 油木 3



 ほらね。端っこが光を透過しているのが見えますよね。









国産赤松 油木 4


 光らせているのではなく、太陽光を透過しているんです。

 これが肥松の醍醐味です。








肥松を薄く削り込んで製作した器などは、その向こうの景色が映るんではないかというくらいに、赤く光をとりこんでとても美しいものです。



普通はヤニが出てるというとこんなイメージです。(写真は米松=ダグラスファー=アメリカトガサワラ。)
可愛いもんです。


ヤニ















因みに、国産赤松で油の薄い部分(柾板ですが・・・)はこれ。


国産赤松 柾















至って普通の柾板で、ちょっと赤いか?くらいです。
外国産で、油の多いラオス松というものが、一時期床板材として大量に販売されていた時期がありました。
今はそれもなかなか入手しにくい貴重材になっていますが、そのラオス松でこんなのです。


ラオス松柾



 これでもコテコテとした触感があります。










ここまで来たので、ついでに?!倉庫に眠っていた他の肥松ちゃん達も削ってみることにしました。


ロシア赤松 油木 2



  ロシア産赤松の油木です。










ロシア赤松 油木 1




 横を見るとこれくらい滲んでいます。
 ずっしりと重量を感じます。









ロシア赤松油木


 これも削ろうかとおもったのですが・・・・コテコテすぎます。

 同じロシアの赤松ですが、木質部がないくらいに油の塊になっています。

 銘木でいうなら「神(じん)」ですね。




なんやかんやと油木を触っていると思いだしたのが、屋久杉の油木とラオス桧(正確には桧ではありませんが、通称名)。


屋久杉油木














屋久杉も、樹脂を多く蓄える木の一つです。
香りをかいでも、屋久杉独特の杉の樹脂の香りがします。
室内の高級部材には油の少ない、杢の良い部分が賞用されますが、私はこの油木が何ともいえず好きです。
生命を感じるというか・・・・
香りにもとても癒されます。


ラオス桧















こちらはラオス桧。
中央は塗装してありますから色が濃くなっていますが、これも油の多い木です。
そのため、高級スーパー銭湯?!や旅館の桧風呂などによく使われています。
ラオス桧は、その油もさることながら、屋久杉の様に美しい杢と、樹齢の高さから来る細かい年輪、また大径木が供給できたことから、台桧(たいひ)が少なくなってからは社寺建築にも用いられていましたが、ラオス松同様、近年の入荷はかなり少なくなっています。
どちらもとても有用で優秀な木材だと思います。

松の油は昔からロジンとしてや、松明(たいまつ)のあかり、貴重な燃料として私たちの生活を支えてくれていたものです。
古い木造建築の床などは油を含んだ松の板を磨き込んでいくので、艶が出て新品の時よりも味わいのある輝きになっていくものです。


国産黒松(雄松)無垢一枚物フローリング無節 光る表面国産黒松(雄松)無垢一枚物フローリング無節 拡大

 国産黒松無垢フローリング





そんな国産松も国産黒松無垢フローリングのところでお伝えしたように、松くい虫の影響でだんだんとその数が減少してきているようです。
海外からも松の良材の入荷は減る一方です。
それに、似てはいますが、やはり香りや木目が違いますし、油があろうが無かろうが自国のあの美しい松を守りたい気持ちもでてきますね。


この貴重な油木、どうしようかな。
削って加工して、コースターにでもしてみようかな・・・・






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