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ホワイトウッドは何の木?!


一昔前までは、こんなに変わるとは思わなかったのですが、時代の急激な流れを感じることが一つあります。
建築材料の変遷です。

その中でも、「有名な」樹種である建築材料、今回は通称「ホワイトウッド」のお話です。


ホワイトウッド 3















といっても、若干今更のような気がしますが、今更ながらでも、整理しておかないと私自身もホワイトウッド製品のJAS(日本農林規格)のラベルに記載される樹種名「スプルース」から、和室の障子などの材質を想像するだけに、その表記に抵抗があり、お客様もそうなのではないかと思いますので、掘り下げて見たいと思います。


通称「ホワイトウッド」。
いかにも怪しい?名称です。
たいてい、●○ウッド(ホワイトやレッドなどの色名を冠している場合)とか、どこどこ(産地)○○と、正式樹種の上にありそうな産地を冠しているものや、外観の色合いを用いた名前を使っている場合はちょっと気にした方がいいかもしれません。

白くて綺麗に見えるこのホワイトウッド。
実際は北欧から輸入される針葉樹「ヨーロッパトウヒ」という樹種です。
トウヒ=日本の唐桧(とうひ)という樹種の大きなくくりの仲間です。
蝦夷松やハリモミという類も含むのですが、世界からは「スプルース」という名前で輸入されています。
ギターやバイオリンなどの弦楽器に使用されていることで大変有名な樹種です。
ややこしいことに、世界は広いのでそのスプルースにも、「シトカスプルース」、「エンゲルマンスプルース」、「ホワイトスプルース」などなどの種類があり、ギター用としては「アディロンダックスプルース」が最良だと聞いたことがあります。
叔父が所蔵しているそうなので、撮影させてもらわないと・・・

で、そのスプルースにも漢名があり、中国産の物に「雲杉(くもすぎ)」というものもあります。学術的にはさらに細かく分類されていますが、ここでも杉とついていながら杉ではないものがあるということがわかります。

これらの広範囲の木材をさす「ホワイトウッド」。
実はこの名前も、ややこしいのです。
本来、通称名ではないホワイトウッドは、北米ではイエローポプラという材をさす言葉で使われているので、さらに注意が必要になってくるのであります。

また、一時百貨店にも並んでいた「アラスカ桧」。
これもスプルースをさしている言葉で、よくできているなぁ・・・と感心しますが、桧ではなく、スプルースですので、これまた注意が必要です。


DSCF0809 ウチのアラスカ桧の・・・いや、スプルースの俎板です。意外と丈夫で重宝しています。

 食洗器も経験済みのスゴイ奴!!良い主婦は真似しないでくださいね。




さて、そのホワイトウッドの材質ですが、やはり世界のスプルース・トウヒ系をさすだけあって一概にはいえませんが、建築に使われているものに絞れば、「白くて綺麗で、ぴかぴかに削ってある状態で納品されるので、見た目も扱いやすさもよい。」というところでしょうか。
ただ、人間と同じで?!外観だけをみていたのではいけません。
きちんと中身まで知って付き合わないといけません。

ホワイトウッドが普及して、輸入量が多くなってきた時のことですが、一般的な記事に取り上げられたものと、私個人が気になったことが一つずつでてきました。

まず、大きくとりあげられたのが、ホワイトウッドの耐久性についてです。
様々な雑誌などの媒体に掲載されましたが、国産の一般的な樹種「杉に比べても」耐久性が低いということです。
そりゃそうだと思います。
赤身(芯材)の殆ど見られない、真っ白な木ですから湿気やシロアリに対する耐性が低いことは想像できます。


ホワイトウッド 1



 通称ホワイトウッドの木口面。白いでしょ。










ホワイトとの比較 杉



 こちらは杉。両端は白太(辺材=木の皮に近い部分)ですが、中央部は赤身(芯材)あります。








一般的には木は、赤身(芯材)に耐久性の高い芯材物質を蓄える傾向にあるためです。
ですから、水にぬれないようにするだとか、シロアリ被害にあわない様注意するなどには配慮しないといけないと思います。
とはいえ、水濡れしない様な使い方をしてあげれば、問題ないのですが、日本人によくあると感じる「一方の意見だけが誇張されて広まる」様なもので、腐るからホワイトはダメだ!!という吹聴が一時聞かれていました。


ホワイトウッド 2



 ただし、いっちょまえにヤニつぼは結構大きいのがあったりします。

 肩に担いでヤニがべチョーっということもたまにあります。

 



どちらにせよ、木材は適材適所正しく使えば問題ないということも伝えないといけないんですけれども…

そして、私が経験したものでは、吸湿することでの寸法変化の大きさです。
一般的に日本は多湿な国だといわれます。確かにそうだと思います。
それに比べ外国産木材の故郷は温暖、若しくは寒冷でありながら、湿度は低い場合があります。(除熱帯雨林)
ですので、かの国でカラカラに人工乾燥させてきたホワイトウッドが日本の湿度にあったとき、もしくは、梅雨の雨などにさらされた時、驚くほど膨らみます。
逆に放湿して縮むこともあります。
その著しい寸法誤差が使いにくいと感じています。

とはいえ、遠方から来るのにもかかわらずたいていは、国産の杉に比べ乾燥材の安定供給が可能で、綺麗に加工して仕上げた状態で納品されることから、未だに多くの住宅に採用されています。
当然、木材として悪いわけでなく、どの樹種も長所短所があるのですから、それを理解して使わないといけないところを、殆どの方が理解していないように思います。

少しは伝わったでしょうか、木のややこしい話。
ここが面白いところでもあり、障壁でもあるんですねぇ。
ですが、どちらにせよ、正しい情報を提供するのが一番良いと思うのですが、いかがなものでしょうか・・・





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