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木製外装材を使用した「大阪木材会館」


先日、機会があって先輩とともに大阪木材会館を訪れました。
大阪府の木材連合会の事務所があったり、木材青年会の方たちが会議をしたりする場所なのですが、「木材会館」ながら、以前は普通のビルでした。
外から見ても、木を感じさせるものはなく、実際私も数年前までは近くを通りながらも所在を知らなかったくらいです。

ビルの入り口を入ると、大きな切り株が据えられているため木材関連の建物だとわかるのですが、そこまでいかないと気がつきませんでした。

それを今回、木材会館らしく(と思われたのかは定かではないですが・・)外壁をリニューアルされたので、見学に行ってまいりました。
リニューアルといっても、本当の趣旨はこうです。

近年深刻な問題になっている「ヒートアイランド現象」。
都市部の気温が上昇する現象ですが、熱を吸収するものがないばかりか、放熱するもの(エアコンや機械類、車など)が密集していることも原因でしょう。
その現象が大きいとされる大阪において、森林の保全という観点ではなく、木材の活用によるヒートアイランド現象の緩和対策の一つの取り組みとして計画されたのが、今回の木製外装材による外壁木化です。

木製外壁で有名なところでは、東京の新木場木材会館があります。
こちらは本格的?!に「木」です。


新木場木材会館 1

























木造ではないですが、節がはっきりと見えるため、より木材らしい印象です。

新木場木材会館 2














実は以前私が見学に伺ったのは休館日でして、外装材を外から眺めただけだったので、内装はみることができなかったのですが、外装だけでなく内装も木を使われているとのことで、完成時とても話題になりました。


新木場木材会館 3


 近づいた方が、木だという雰囲気が伝わります。










さて、大阪の木材会館ですが、何故今まで木を使ってこなかったのか?!
これは東京も同じことだと思いますが、防火の観点からが大きな理由だと思います。
ご存知かもしれませんが、建築に関する法律で火事を起こさない様、又起きても燃え広がらない様な材料を使わないといけないと決められています。
特に、様々な方が利用するような施設はなおのことです。

そしてもう一つは耐久性の問題。

木材は細胞を持っている天然素材の為、外装材とする場合はいくら塗装などで保護しても、紫外線や風雨による劣化は避けて通れません。
ですので、メンテナンスや耐久性の問題からも、木材は適していないというイメージが定着していたように思います。

が、今回木材会館に使用されているのは、通常の木材に薬剤ではない特殊な処理を施したサーモウッドと呼ばれる加工木材です。
詳しい説明は割愛しますが、一般的には木材を高温と水蒸気で処理することで、外装材としての使用時の耐久性が向上するといわれています。
(ただ、構造材などとする場合の強度は厳密に言うと処理後の木材は劣る場合もあります。その他特有の性質もあるので、個別で注意が必要です。)

その特殊処理をされた木材を使用して、既存の外壁を覆いながら、デザイン性を持たせているところが洒落ています。


大阪木材会館 3
 ルーバーや鎧張りなどのデザイン貼りを組み合わせています。

 なかなかの出来?!













大阪木材会館 1



 正面玄関左壁。











そして材料は府内産、国内産の材を使用しているそうですので、地域木材製品の活性化とともに木材会館らしい外観を得ることができていると思います。

ヒートアイランドについての検証はすぐには出来ないでしょうが、緑化や、森林保全以外で木材が活躍する場ができたということは喜ばしいところです。
これを機に、もっと住宅の外回りにも木が活用される機会が増えるようにしたいものですね。
お時間のある方、お近くを通られる方は一度ご覧になってくださいね。


大阪木材会館所在地


*木製外装材の使用については法律や条例などの規制があるとともに、樹種ごとの特性(樹液や灰汁の浸出、変退色やささくれ、劣化スピードの違いなど)がかなり明確に現れますので、使用の際はお近くの木を知る材木屋さんによくご相談の上ご検討ください。



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