大阪の本物の木材を追求する材木店のページ
空を見上げて

必要だけども在庫できない、辛い現状


今の時代、バラ板という言葉すらほとんど聞かないのに、それをまとめて購入したいといってわざわざ弊社を訪ねてきてくださったわけです。

在庫品3

もちろん、在庫商品ですので喜んで販売はするのですが、通常は一年に数えるほどしか出荷のない商品をなぜたくさん?!

そんな疑問を確かめるまでもなく、お客様からその理由を聞くことができました。
弊社スタッフいわく、いつもは他の店にお世話になっていたものの、そちらには常時在庫を置かなくなり、探した結果弊社が見つかった、ということ。

なるほど。
一昔前までは、材木屋さんには必ずと言っていいほど在庫されていた商品であるバラ板ですが、使われる場面が極端に少なくなり、どの材木屋さんも在庫をしないようになり、いざというときには商品がない!!という場面に直面しているのだ、ということがわかりました。

材木屋さんには、在庫しても売れない商品になってしまってはいるものの、職人さんの仕事の中には必ず必要になる場面もあり、いざ職人さんが来られた時に商品の在庫がないということが増えている様子です。

わからなくもありません。
売れるか売れないかわからないものを在庫する必要はないと思いますし、無駄なものかもしれません。
そう、立場を替えれば私たち材木屋にとっての近年の地松がそれであって、構造梁にも使われないし土木用材にも杭にも使われない。
伐採しても売れない、使い道がないということになれば、わざわざ伐採することもない、商品にする必要もない。

地松杭丸太1


ということで、地松の杭がほしいというときにもすぐには答えることはできず、わざわざ時期を見計らわないと作ることができなくなる。
以前は土木用の杭というと必ず松で、いつでも用意してもらえたものですが、今は私の周りでは注文しなければ入手することもむつかしくなっています。

それはやはり売れないからですよね・・・
売れないものをずっと在庫するわけにはいかない。

今回のお客様にとってはそれがバラ板だったわけで、ほかの材木屋さんにとっては在庫するべき商品ではなくなった、ということなのでしょう。
もちろん、弊社でも一年かけても売り切ることができない商品が、果たして在庫に値するのかどうかは疑問になるところですが、もしかしたら弊社の存在意義はそこに出てきているのかもしれません。


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必要だけども在庫できない、辛い現状 

先日、珍しいものが珍しいほどたくさん売れました。

それは、通称「バラ板」と呼ばれる商品。

在庫品4


杉の薄板なんですが、昔は外壁の下地や屋根、床下にたくさん使いましたので、弊社でも最盛期はひと月に10tトラックで2台分ほどの入荷があった商品です。

とはいえ、商品の値段はというと高級材ではなく、隠れる部分に使うもっとも安価な部類に入るもので、重要な構造木材や化粧材を製材した、その残りの部分で作られるものなので、特段重要ではなくどこででも手に入る、もっともポピュラーといってもいいくらいの木材だったのですが・・・

在庫品7


しかし、世の中がベニヤ板全盛時代に入ると、価格的にも施工手間的にも、そして耐震的な目でもその必要性が薄れていき、現在ではほとんど売れることがなく、弊社でも在庫がなくなるのは一年に一度あるかどうかの状態。
そんななので、昔の在庫風景はいずこに。
現在では倉庫の片隅に少しのスペースで鎮座するのみ・・・

おかげさまでゆっくりじっくりと自然乾燥できるわけですが、売れないということは不良在庫であり、そもそも在庫する必要性がとわれるわけです。


しかし、今回大量購入されたそのお客様は初めてのご来店で、その商品が在庫されていることを知ってとっても喜んでくれました。

それはいったい?!なんで?!



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人生最大の台風被害 台風21号がすぎて

9月4日、午後2時頃から急激に風が強くなった台風21号。

自宅待機していたものの、高台のために吹きっさらしの掃き出し窓のガラスが、目で見てわかるくらいに屋内屋外へと反り返り、ご近所のトタンや波板、瓦が吹き飛んで隣地フェンスも粉々に・・・・

雨風が収まり、自宅周辺を片付けてしばらく出歩いて見渡してみると、ある町内が真っ暗。
もう暗くなっているのに、家に電気がない。

台風21号被害

異様な光景。
静かなのが余計に怖い。
と思っていると鳴り響くサイレン。

そして、恐ろしい台風から一夜あけて道路を走ってみると、報道にたがわぬ風景が。

台風21号被害

わかりづらいですが、信号機が60度くらい違う方向を向いています。
まったく役に立っていません。
というか、これよりもさらにひどいところは、十字路の交差点で信号機が90度回転してるもんだから、本来は赤色信号のところに青色もともっているわけで、信号がないことに気が付かないひとと困惑した人が衝突!ということも・・・

写真左下に、銀色の板のようなものがへしゃげていますが、道路の地名や方向距離を示す青色の看板ですが、見事にとれちゃってます(汗)。
恐るべし、風・・・


中には、屋根ごとや壁ごとはがれているところもあるし、ひどいところはこんな感じでひっくり返っています。

台風21号被害

これよりも、きちんとした基礎につながれていた平屋ガレージも、建物ごとひっくり返っていました。

恐ろしや、台風。
こんなの初めてです。
家にいても恐怖を感じました。

皆さんはお怪我なかったでしょうか。

当社も被害が大きいですが、お客様を優先しつつ営業しておりますので、お問合せの返信やそのほかでご迷惑をかけることもあるかと思いますが、できる限り早急に対応していきますので、状況ご賢察いただきますようにお願いをいたします。


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石山赤松幅広無垢一枚物フローリング、和室改修完成と杉純白浮造り天井

木材でインテリアを考える時、よく言われるのが「和風、洋風」。

この樹種は和風、これは洋風、といった様に木目や色合いによる印象で分けられる場合が多いですが、私は必ずしもこだわる必要は無いと思いますし、一部分だけよりも全体としての印象が大切だと思ってはいるのですが、今回は和室の改修で、しっかりと和風感が出てくれたので、和風っていう扱いもアリかな?!とも思ってしまった位に、綺麗に納めてもらったフローリングを紹介します。

石山赤松(せきざんあかまつ)幅広無垢一枚物フローリング 改修1


貼っていただいたのは、とっても貴重な日本の赤松の幅広フローリング、石山赤松(せきざんあかまつ)幅広無垢一枚物フローリングです。

以前にも、日本の松を指定頂き「黒松赤松」のフローリングを使っていただきましたが、いつ見てもやはり、日本の松である地松の艶は美しいですねぇ!!

石山赤松(せきざんあかまつ)幅広無垢一枚物フローリング 改修3


光を少し抑えて撮影しているのですが、艶がわかるでしょうか。
丁寧に仕上げられた表面を優しく触っても、若干粘性を感じるような脂気ですが、これが経年変化で飴色へと変わっていく秘訣なんですねぇ!

とはいえ、それを理解していただいていないとただ「ねちゃねちゃする」と思われるだけで、嫌がられることもしばしば。

もちろん、木は万人のためにあらず!
この脂を所有することに、そしてその艶を愛でて自慢するような人にこそふさわしいのです。

石山赤松(せきざんあかまつ)幅広無垢一枚物フローリング 改修5

通常、石山赤松幅広無垢一枚物フローリングには、ピンク色に似たきれいな赤みを含む場合もあるのですが、今回は乳白色にそろった木目でした。

もしかすると、それもすっきりとした「和風」テイストに一役かっているのかもしれません。
私の中では、やはり松は日本の家に合う!と思っているので、先入観で思い込むという部分が多いのでひいき目になってしまいますが、我ながらも和室改修にしっくりとおさまったもんだと、喜んでしまいました。

そしてもう一つ。

天井には高樹齢杉純白浮造り羽目板です。

石山赤松(せきざんあかまつ)幅広無垢一枚物フローリング 改修6


高樹齢の大径木のほんの一部分の辺材(白太)からとれる純白材を贅沢に厳選し、天然乾燥を経て丁寧な浮造り仕上げを施した逸品です。
浮造りをすることで、おとなしい杉の木目が浮き立ち、清楚な純白材をまるで雲のたなびきのように見せるのです。

おぉ、まさに天井にぴったり。

杉の白太を劣等材として卑下される方もありますが、使い方によってはとってもきれいに仕上げることができますよ。

特に今回は和室。
とっても落ち着く和の空間に、雲のアクセントがとっても美しかったです。

さて、今回仕上げてくださった大工さんは、とっても勉強熱心で木材に対する取り組みも真摯な方なので、もしかしたら・・・と思ったのですが、聞きそびれました。
お客様の小さな喜びと大工さんの心意気である、無垢フローリングの趣の一つである木目の流れ目合わせ。

石山赤松(せきざんあかまつ)幅広無垢一枚物フローリング 改修4


写真の中央部のつなぎ目、そして写真右端の少し切れ気味になっていますが、つなぎ目なんてつながっているものそのもの、ですよね。
つまり、バラバラで様々な木目の中から、わざわざ木目が連続するようなものを選り出して、バランスよく貼りあげる。

そんなこと、していても気が付かないかもしれないし、気が付いてもらっても手間はとってもかかります。
でも、わかる人にはわかり、伝わる人には伝わる気持ち。
以前に使ってもらったピュアラーチの施工大工さんと同じです。


いいですねぇ!!こんなの、めちゃ好きです。


仕上がりをお施主さんに喜んでいただいたのもうれしいのですが、やっぱり大工さんがしっかりと木の仕事を、それもとびきりの材料を使って仕上げてくれた時の喜びは格別ですね。
今回も、ものすごく自己満足な訪問になってしまいました(笑)


・今回使っていただいた、石山赤松(せきざんあかまつ)幅広無垢一枚物フローリングはこちらから

・石山赤松(せきざんあかまつ)幅広無垢一枚物フローリング、新築施工写真はこちらから

・今回使っていただいた、高樹齢杉 純白浮造り羽目板はこちらから

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紙媒体では、こんなこともやってます・・・

インターネットを通じて、いろいろなところから見ていただける拙ブログ。
木材のあれこれからフローリングの施工写真、そしてほぼ月一掲載の巨木記事まで、いろんな記事をおつたえしていますが、実はここに載せていない紙媒体ではこんなこともやっています。

木のビブリオ通信 No,10 表

木のビブリオ通信 No,10 裏


主には工務店さんや設計士さん向けに話題を絞って、より実務に近いけども知らなくてもよさそうな木の情報(汗)を届けています。
知らなくてもよさそうだけど、実は知っていたほうがいいようなことを書いているんです。
木材を身近に感じてもらう、ちょっとした疑問だけども聞く相手がいない、そんな話題を取り上げたりしています。
材木屋さんであっても、現象や状態で知っている木材のことも、その理由や経過というのはなかなか説明できないもの。

そこが地域の材木屋さんの中では、私のちょっと変わっているところだと思います。
たまには、プロ向け?!の紙媒体も紹介しておきたいと思いますので、一つだけ掲載ですぅ〜(笑)。


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戸田に降り立つ、黒ダイヤっ サノヨイヨイ!! 

盆踊りに出てくるサマチャンと黒ダイヤ・・・

その他にも、子供には理解不能な部分があるにせよ、踊りの雰囲気とメロディにのせられて体が動くのですが、歌詞やリズムは色々とあるようで、私が好きだった「ダイヤモンドがほしいぃ〜ならぁ、ヨイヨイ(中略・・・)男盛りのサマちゃ〜んがぁ、粋で掘り出す黒ダイヤ サノヨイヨイ」は、もしかしたらあんまり知られていないのかな。

その部分に出てくる歌詞のひとつ黒ダイヤ。
炭坑なので、正当に考えると石炭なのかと思っていますが、これが材木屋にも出た出た!というのが今回のお話。
お盆にめがけて出てきたのかは分かりませんが、男盛りのサマちゃんならぬ戸田ちゃんにも黒ダイヤが巡ってきたのです(笑)。

真黒 黒檀2

真っ黒なこの塊。

石炭ではありません。
しかし、木材の黒ダイヤに違いない。そう、これは木材。
その名の通りの真っ黒具合。
黒檀(コクタン)ですが、その中でも全身がほぼ黒色のみに包まれた稀少な存在、「マグロ」と呼ばれる黒檀です。

本当に真っ黒。

いや、誤解の無いように言いますと本当は真っ黒ではなく若干グレーを伴う部分もあるのですが、殆どの部分が真っ黒。
材木用の黒色チョークにも負けないほどの黒色です。

真黒 黒檀3


これこそ、戸田ちゃんに降りてきた「黒ダイヤ」!!
それは名前だけではなく、価格的にも十分にダイヤモンド級なのです。
木材の価格の指標となる㎥あたりの価格が、「いち、じゅう、ひゃく、せん、まん、じゅうまん、・・・・・・」桁違いとはこのこと。

通常の木材の単価ではゼロが全く足りないほどの価格です。

もちろん、それは稀少材だからですが、その黒さがいかにすごいかというのは、これを見れば明らか。

真黒 黒檀4

 
私が日々デスクの文鎮として使っている「縞黒檀」です。
この対比でみると、黒檀という名前が嘘であるかのように黒くない様に感じてしまいますが、それほど下においてあるマグロ材が黒いということ。

木材は皆さんが想像するように、少し赤身がかった茶色からベージュっぽい色味が大半ですが、非常に稀にこの様に黒であったり、緑のような色を発するものもあります。
それでも、とっても珍しいものです。
だからこそ、特定の用途であったり装飾用途などで珍重されるわけですが、珍しいものほど貴重になって行くのは世の常。
残念ですが、こんな真っ黒な黒檀はもうとっても貴重。とくに、割れもなくて真っ黒というのはなかなか難しい。


今回はどうしてもマグロ材でないといけない、ということで、なんとかその貴重な材を必要数量揃える事が出来ましたが、次を作ることができないかも・・・
木材は循環する資源だと言われますが、やはり貴重な木材となるものはどんどん枯渇していきます。
現在木材としてあるものは大切に使いきると同時に、重要性や守る意識を啓発して無理な使用をしないことを考えていかなければなりません。


炭坑の黒ダイヤは、時代の流れとエネルギー利用の移り変わりによって少なくなりましたが、木材の黒ダイヤは資源自体の枯渇の危惧の為に少なくなっています。
どちらも天然の資源ですが、人が関わることによって少なくなることに変わりはありません。
人と自然は関わり合っていかなければいけない(自然にとっては人は必要ないのかも・・・?)ですが、やはり、資源を利用する私たちの営みももう少し考えなければいけない時代だと思います。

真黒 黒檀5


早速段ボールに詰め込み、お客様のもとへと渡った黒ダイヤ。
以降は大事に、今後百年以上は大切にされるであろうモノに生まれ変わる予定の今回の黒ダイヤ、マグロ。
貴重なものだからこそ使わない、というのも大切ですが今木材としてあるものを永く大切に使うことも一つの方法だと思います。

守ることと一緒に、大切に使う、ということをもう一度考えたいと思う稀少材、マグロ材のお話でした。


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戸田に降り立つ、黒ダイヤっ サノヨイヨイ!! 

どうしちゃったのか?!と思うくらいに涼しく過ごしやすかった今年のお盆休みが過ぎて、丁度盆踊りの季節ですね!!

15年ほど前までは、弊社でも隣接するお地蔵さんの地蔵盆を行っていましたので、特に子供のころはお菓子がもらえることと、薄暗い時間から聞こえ始めるあの盆踊り歌、それに赤と白の提灯の灯りが、この時期とっても恋しくなります。

現在は諸事情により盆踊りは行っていませんので、弊社隣接のお地蔵さんの飾り付けのみですが、やはり季節を感じます。

地蔵盆


子供のころの夏休み、父親がお盆休みには家族旅行、という楽しみが終わり、そろそろ宿題の波に飲み込まれそうで気がめいっている、この8月の20日過ぎにやってくる盆踊りは、夏休み最後のイベントとして、子どもの頃の記憶に刻まれているのです。

弊社では毎年8/23に盆踊り、そして24日に御近所のみなさんと祖母が詠歌をあげる、という流れでしたので、大人になった今でも8/23という日付を見ると、条件反射の様にワクワクする気持ちがあるんですね。

特に最近は、子供たちのお祭りといえば屋台の方がメインで、私も小遣いばかりをせびられて、大人も子供も踊リの輪に入るという光景が見られない事が多いのが残念。
踊りの輪が淋しいのを眺めているのもやはりさみしい。
ちょっとだけ・・・と自身も踊りはじめるのですが、途中踊り手の皆さんに「お上手ですねぇ。最近男性は特に少ないから嬉しいわ。」なんて言われながら、結局上機嫌で最後まで・・・・


さて、皆さんにとっての盆踊りの曲といえば、なんでしょう。
私の中で盆踊りといえば、やっぱり「炭坑節」!

え?!「えんやこらせぇ〜、どっこいせ!」ではないのかって?!

そうなんですねぇ。
地域柄、近辺の通常の盆踊りではそちらが多く聞かれますが、私の場合は弊社で開催していた盆踊りのメインが炭坑節だった為に、小さい頃から耳と体に染みついているのです。
その為、炭坑節が流れて提灯の明かりを目にすると、物凄く踊りたくなるわけですが、小さい自分にはその踊りの歌詞もその意味もわからずに口ずさみ踊っていましたが、よく考えると子供にはちょっと意味不明な部分があったんですね。

サマチャンとか、黒ダイヤとか・・・

意味深ですねぇ・・・・なんかありそうな(笑)

盆踊り


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夏なのに、春の杉?! 〜信仰と山と植林と 神々しい巨躯 春埜杉〜

夏になると、暑いというのは勿論ながらも7月の時点で気温40度を記録するところもあり、酷暑の年となりましたがそんな夏にお届する巨樹は「春の杉」なのです。
夏なのに、春の杉・・・これいかに・・・・


杉の巨樹は全国いたるところに存在しますから、単純な太さや樹高ではなく、出会った時の出で立ちや樹形などが見どころになる場合が多いのですが、今回の「春の杉」はそれら以外の存在感も見どころではないかと思う杉の巨樹です。

早速ですが名前のネタばれをしますと、巨樹の所在地が静岡県の春埜山ですので、「春埜杉」というのが正式名称です。
銘木によくみられる「杢(もく)」という字に似ているために、無意識に目をひく漢字でもある「埜」が使われていることもあってか、訪れてみたかった巨樹でした。
場所を調べてみると、結構な山あいに位置している様子だったので、時間に余裕を見て早朝から出向くことにしました。


しかしながら、そんなパターンの時はいつもとっても道が細いところや、行けども行けどもたどり着けなさそうな道の場合が多いのですが、今回は全く逆。
物凄く走りやすい!
静岡県(天竜区)で驚いた事は、急峻な山から想像する以上に林道が整備されていて、道幅が広く綺麗でとっても走りやすいということ。(私にとっては・・・)
今回はお目当てに行くまでも、いつも以上にリラックスして向かうことが出来ました。

とはいえ、曲がりくねった山道を走り続けて春埜山の山頂へ。
大光寺の広い敷地内の駐車上に到着し、目的地へと少し歩いて下ります。
境内に入るも、それらしき姿が無い・・・ときょろきょろしていると山門の向こうにそれらしき姿が・・・・・

春埜杉 10


おぉ、あれこそまさしく・・・


山門の先に見える堂々とした姿で立っているこれこそ春埜杉。

春埜杉 2


境内からだと山門から階段を下りて行った場所が丁度、春埜杉と対峙出来る場所になるのですが、おこがましくも少しの間は高いところから眺めさせてもらいます。
というのも、階段を下りていくと春埜杉との距離は近くなるものの、全体像を見るには近すぎるからです。
迫力は、離れていても十分に伝わりますし、枝を力強く伸ばしていることで、離れている事を感じさせないということもあります。


春埜杉 12


本当は写真にもその全体を写し込みたいところですが、春埜杉の周囲には立ち入ることができないこと、それに登山道になっている様な部分にも柵があるので、無理に山の斜面の方へは出ていけませんので、カメラアングルとしては不満が残るのは仕方の無いところ。

とはいえど、やはりスケール感を出すためには少し離れた部分からの様子をおつたえしないといけません。
ココまでの写真でも、実際に訪問した本人としてはとてもスケール感がつたわるものの、写真単体として見るとなると、比較物がないからなのか、どこかすこし大人しく見えてしまいます。
ということで、少しづつ近づいてみましょう。
山門をくぐり、いざ春埜杉の膝元へ。

春埜杉 1

山門からの階段を降り切ると「御神木」の石碑と共に、御賽銭箱のあるお社。
そしてその向こうに春埜杉を見上げる格好になります。
先も書いている通り、本当はこの写真の向かって右手にもう少し廻り込みたいところなのですが、いくことができず、全体を移そうにも微妙にお社がかぶってしまい、肝心の根元の部分が途切れてしまう・・・

うーん、贅沢は言えませんが立派なだけに、ちょっと残念。
柵を乗り越えて近くへいきたい思いにかられながらも、ベストポジションを探すのですが・・・
結局、近寄れないために今回は大きさ比べの「昌志スケール」はおあずけです。


春埜杉 4

どうしても、石段から全体像、という構図になってしまう。
それもいいんですが、やはり迫力が伝わらない。

どうしてそう思うかというと、私は難なく自動車で訪問し汗をかくことなく、この有難い姿を見上げているものの、交通手段が整備されていない時代には、1000mに満たない山とはいえども麓から相当な覚悟で登ってきた末に、この春埜杉の姿を見上げたことだと思います。
そう考えると、今自分がたっている場所と眺める景色とはまた違う景色がある様に感じられ、写真では伝わりきらない迫力を、なんとか少しでも伝えたいという気持ちにさせていたのかもしれません。

静岡県、天竜区は以前にも研修でお世話になっている位に、林業が有名な土地柄ですので、古くから人が山に入っていたことが伝えられています。
しかし、それは私たちが想像する現代の林業の為の山との関わりとは、少し事情が異なる様です。

春埜山の西に位置する秋葉神社の巨樹群である「秋葉杉」によれば、天竜区においての植林は、単なる林業としての植林ではなく、信仰の対象として植えられていたと伝えられていることと、春埜杉と同じように急峻な山の山頂付近にも関わらず、巨杉がボンボンと聳え立っている様は、山を見る尺度が、単なる「木材生産を目指す」林業という言葉だけではない人と山とのかかわりを、意識せざるを得ない様に感じました。

春埜杉 11


植林の正式な記録としては、そうは古いものは残ってはいない様ですが、この地域の人々は相当古くから、この急峻な山々の「巨人たち」に信仰の心を抱いていたことは確かでしょう。

春埜杉は樹齢およそ1300年といわれ、大光寺開山の際に「植えられた」杉だそうですが、それにしても、人がこの山あいにまで足を延ばすことが出来るようになった時代に出会ったこの姿は、その人の目にどう映ったのか・・・
今の私では、その衝撃を推測することはできません。


春埜杉 8

それにしても、迫力はすごい、本当に神様みたい。

苔を抱いたその巨躯と、不規則につきだした大きな枝、遠目では整っている様に見えるものの、実際はゴツゴツとしたその幹。
見れば見るほど、特別な存在に思えてくる。

それは、おそらく訪問時の早朝は少し肌寒く感じる季節で、気温差によって少し靄の様なものがかかっている中、のぼりはじめた朝日をあびる姿から、どこか神々しさを感じたからなのかもしれません。
下界を離れ、自分と春埜杉意外には何もない様に感じる空気。

いや、実際は春埜杉が従える杉達が茂っているものの、冷たく張りつめた空気が春埜杉の神聖さを私の肌に刻みこんでくるようでした。


そうです、朝焼けに輝きだすその姿は、まさに春埜山を納める山の主、いや山の神。
刻々とその姿を朝日に赤く染めていく様は、まるで天孫降臨。
目の前の神木に、神様が降りてこられている様に感じるのは、おそらく私だけではないはずです。



春埜杉 



春埜杉所在地

静岡県浜松市天竜区春野町花島22-1 大光寺山門下

駐車場、御手洗いあり


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久しぶりに、板屋楓(いたやかえで・ペインテッドメープル)幅広無垢一枚物フローリング!

最近少し御無沙汰気味になっていました樹種を、久しぶりに貼りあげていただきましたので紹介しますよ。


そうです、前回までに行程をお伝えしていた学生向けの「大阪研修」にて、建築現場を見学させてもらっていたお宅に使っていただいた、板屋楓(いたやかえで・ペインテッドメープル)幅広無垢一枚物フローリングのセレクショングレードです。
板屋楓は、プルミエグレードからネイキッドグレードまで、様々な使い方をしていただき、その独特の白っぽい木肌が好評頂いている樹種です。

板屋楓(いたやかえで)幅広無垢一枚物セレクショングレード 1


今回はセレクショングレードなので、「コレ!」といって目立った木目や色違い、特徴といったものはありません。
が、それが特徴です。
端正ではありますが、整い過ぎていないところがセレクショングレード。

板屋楓(いたやかえで)幅広無垢一枚物セレクショングレード2


板屋楓(いたやかえで・ペインテッドメープル)の優しい色合いと木目をはっきりと活かしながらも、他の木材の邪魔をすることなく、おうちの雰囲気にとけこんでいくところは、カエデならではの魅力ではないかと思います。
ネイキッドグレードでは、芯材部の色違いや変色など、少しワイルドな部分も含まれるために、無垢にしかない表情を求める人に人気ですが、程良い表情の豊かさを持っているセレクショングレードは、無垢材を多用する「木のおうち」の一部分には非常に合わせやすいですね。

板屋楓(いたやかえで)幅広無垢一枚物セレクショングレード3


そんな板屋楓(ペインテッドメープル)ですが、近年少しづつ入荷が厳しくなっています。
貴重な資源を保護していく過程ですが、弊社でもプルミエグレードから多くの種類を在庫していたものの、後は幅広130の一枚物ネイキッドグレードと90幅の一枚物プルミエグレード、一部のUNIグレードを残すのみとなってきました。

後継商品としては、既に紹介していますロックメープルを検討頂くことになりそうです。
入荷が無くなるまでは、紹介を続けますが並行してロックメープルも見ていただければと思いますので、よろしくお願いします。


板屋楓(いたやかえで)幅広無垢一枚物セレクショングレード5



・板屋楓(いたやかえで・ペインテッドメープル)幅広無垢一枚物フローリングはこちらから
・板屋楓(いたやかえで・ペインテッドメープル)無垢一枚物フローリング90幅プルミエグレード施工写真はこちらから
・板屋楓(いたやかえで・ペインテッドメープル)幅広無垢一枚物フローリング130幅プルミエグレード施工写真はこちらから
・板屋楓(いたやかえで・ペインテッドメープル)幅広無垢一枚物フローリング130幅セレクショングレード施工写真はこちらから
・板屋楓(いたやかえで・ペインテッドメープル)幅広無垢一枚物フローリング130幅ネイキッドグレード施工写真はこちらから


取扱無垢フローリング一覧はこちらから

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戸田先生の伐採授業、2018年度のスタート! 

さぁ、今回の大阪の山と建築の研修もいよいよ終盤。

最後は、大工さんが加工を刻み加工という、家になる部材の木材を加工する工程を見学するために、作業場へと向かいます。
皆さんご存知の通り、近年はプレカットにて工場で部材加工されて運ばれる為に、家になる前の木材というものを目にすることも無いですし、大工さんもその工程を経験しないために、「刻み」という仕事を語れる大工さんが年々少なくなっています。

それも懸念材料と課題の一つで、今回伐採した材料を使って刻み加工をすることで、大工さんの加工技術の継承や経験をすることのできる場と材料を作ることが、山の材料から街の建築までを考える上での一つの大きな要素になっているのです。

大阪研修 17

 作業場に到着して、先ずは棟梁の暑い、否アツいお話を聞く生徒達。

ホントにアツい。

メモをとったり、真剣なまなざしで聞きいったりと様々ですが、自分たちの境遇では現在経験することのできないお話を、具体的に説明してもらい良い知識が得られたのではないでしょうか。

建築現場を見学した後なので、積まれている材料にも余計に興味が湧いて、とても熱心に観察していました。

その後、棟梁達が用意してくれていたのは鉋削り体験!!

大阪研修 14
 

 桧の綺麗な内法(うちのり。敷居や鴨居に使う材料)に鉋をかける体験です。

実は私も綺麗にはできません(汗)。
大工さんがやってると、あんなに綺麗な「鰹節か?!」と見まがう様なかんなくずがでるのに、力んでしまうとまるでダメです。

しかも、今回はめちゃくちゃ稀少な鉋を使わせてもらえるということで、生徒たちはその名を聞いてもピンときませんが、その名を知る私は一人ウキウキ。
なんと贅沢な体験!
やっぱり体験だからといって道具をケチるのではなく、一級品で経験させてくれるT大工さん、太っ腹です。

大阪研修 27
 

こういう風に、あんまり押さえずに軽く引っ張るだけ・・・・

って言われても、引っ張っても削れないよ・・・?!
そこが難しいところ。
押さえないで、というのは大工さん感覚でのお話の様で、やっぱり素人は若干押さえないといけないみたいですが、みんな案外削れてましたよ。

決して道具のおかげじゃないですよね(笑)。

削った後は、自分で削り出したカンナくずを大事に手に取るみんな。

大阪研修 28


やっぱり、自分の手で生み出したものは、どんなものも美しくて愛おしい。
そんな感情でしょうか。
ただのカンナくずかもしれませんが、生徒たちにとっては自分で仕上げた大切な一枚なんですね。

その後も、S大工さんによる丸太の加工作業の簡単な実演、そして私も未だに不思議で仕方ない、丸くて曲がっているものを立体的な家に組み上げるまでの考え方や寸法の出し方、気をつけるべきポイントなどを、実際に加工途中の丸太を使って教えてもらいました。

街中では、当たり前の様に建築作業が行われていますが、本当の意味で建築ができるのは丸太などの複雑な加工の仕方や考え方を理解している結果、平準な加工も出来るんじゃないかと思います。

基本を知って応用に活かす、応用ができるから基本的なこともできる。
そういった機会を作る為にも、材料を絶やさず皆が学べる場も造り続けないといけません。

今回の大阪研修は改めて、それを感じた場所。
また冬には伐採が待っています。
どんどん、この輪を広げて学生も大工さんも、そして材木屋も山も環境も、みんなが循環し良くなるように願って、活動を続けていきたいと思います。
これにて、二日間の山と建築の大阪研修終了です。

大阪研修 16

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