大阪の本物の木材を追求する材木店のページ
空を見上げて

穏やかな一年をその樹に祈る 航海安全の日本一 〜熊野速玉大社のナギ〜

恒例記事として続けてきた、年始の巨木日本一の記事ですが、そろそろ今年でひと段落になりそうです。
いろいろと結び付けて語りたいものもあれば、すでにお正月以外で紹介しているものもあり、次はもう少しネタをためてから再開したいと思います。

さて、そんな区切りの日本一紹介ですが、今年はこれしかないでしょう!というタイミングでの紹介になりました。
というのも昨年は、私の周りでは大阪府北部地震、そして2つの大型台風が猛威をふるい、現在でも被害は収束していないこと。全国的には西日本豪雨と北海道での地震被害など、大きな自然災害が続きすぎたこと。
毎日が当たり前のように過ぎていくことに違和感なく過ごしていることの大切さを、痛感した出来事でした。

本年はそのような災害が起きないように、この樹種の日本一を拝むことにしたいのです。
その樹種は「ナギ・梛」。」
ナギについての詳しくは5年ほど前の記事にて書いていますので、そちらに譲ることにしますが、その名が、穏やかで波のない海の「凪」に例えられることから、漁師さんや航海に出る人の安全や海難除けの木として、古くから大切にされてきた樹です。
また、難を逃れると同時にその葉を断ち切ることが容易ではないために、縁が切れないということで縁起物とされています。

そんな縁起物の日本一で始める2019年。安全な一年になるはずです。そう信じていきましょう。

那智速玉大社のナギ(梛) 3


正面に見えるのが、日本一のナギ・梛である「熊野速玉大社のナギ」です。
ナギという樹種をご存じなければ、巨樹で紹介するにはスケールが足りないのでは?!と思われるかもしれませんが、ナギ自体は成長が遅いため必要以上に大きく太くはならない樹種なので、このようなアングルで撮影して「一本の太い樹」として映っていること自体が珍しいのです。

那智速玉大社のナギ(梛) 2

周辺には柵があるために近づくことはできませんが、それでもナギという樹種特有のキハダの感じや枝の姿、そして葉っぱは確認することができます。
なにより、こう見えても樹齢1000年!!、そして幹周り5m。
ナギ自身は幹周り3mで樹齢400年というお話もありますし、他に存在するナギの巨樹のほとんどが幹周り3m台から4m前半であることを考えれば、堂々たる日本一!なのであります。

樹高は17mほどなので、スギの巨樹のように見上げる迫力はないものの、樹齢を見せつけるような幹の様子や枝ぶりが、巨樹としての風格を十分に感じさせます。
葉っぱは小さいので、離れているところからは認識しづらいですが、周辺に多くの枯れ葉が落ちているので手に取ることができます。

那智速玉大社のナギ(梛) 7

ナギの葉は、同一方向に多くの繊維が並んでいるために、非常に切れづらいことから夫婦円満にもたとえられ、嫁入り道具にも入れられていたとか・・・
もちろん、私の財布にはナギの葉が入っています(笑)。言わずもがな、金縁をいただくために・・・
まぁ、私の場合は話のタネですが、縁起のよいものというのはもっていたいものではありますよね。

那智速玉大社のナギ(梛) 9


那智速玉大社のナギ(梛) 5

案内板にも、ナギの葉は霊威ある熊野詣でのお守りである、とあります。

巨樹、という言葉で印象を与えるのはやはり特徴的な姿や、その幹の太さだと思いますが、ナギに限ってはその「ありがたい縁起」、そしてスギの一部にみられるような乱れ伸びる枝でしょうか。
小さな葉が密生しているような樹形なので、正面からは少し見えにくいものの、裏に回ってみれば1000年の命と風雪が過ぎてきた風格を感じる幹と枝を見ることができます。

那智速玉大社のナギ(梛) 1

スギはスギでも、日本海側や多雪地域に多い「ウラスギ」と称される枝垂れるスギのように、触手を伸ばしているかのよう・・・
これは、1000年の昔から単独で生きてきたからなのか、それとも周辺に競争相手が育つことができなかったのか。
ナギが動物を寄せ付けない「ナギラクトン」(すごく危険な爆薬みたいですが・・・)を分泌しているからなのか・・・

どちらにせよ、唯一存在する幹周り5m超えの巨樹として、単独で存在する姿を印象付けるように見えます。

那智速玉大社のナギ(梛) 6

樹皮があるのかないのか、いや永い年月で樹皮がはがれたのでは、と思わせるような姿。
この特徴的な樹皮がナギの特徴ではありますが、すでにそこも風格に感じます。

どうか本年は、このナギの風格をもって災害なく「凪」の一年になりますように。
そして、木が好きな皆様との縁がつながり一層途切れることのない、無垢の木材の活動が続けられますように。

そう祈りたいものです。

祈りの私に、ナギが縁深い枝を差し伸べてくれているようです!
今年も一年、木にまみれていきますよ!!

那智速玉大社のナギ(梛) 8


熊野速玉大社のナギ(梛)所在地

和歌山県新宮市新宮1丁目1

境内にはオガタマノキもあり。駐車場有。

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お正月は・・・

皆さま、お正月はどのようにお過ごしですか。
私は毎年お決まりの読書・・・といきたいところですが、昨年も一昨年も外出が多かったために書類整理が山積。
それを少しづつこなしていっていますので、おそらくあっという間にお正月を脱出しそう・・・

とはいいつつも、休憩息抜きは必要なわけで・・・
やっぱり、ワインと巨木を含む木材の読書は欠かせませんねぇ(^_-)-☆

そんなことでこの記事を書く前に、昨年までの様子などをみていますと、家で紛失し探していたある書籍が出てきたことを書いている。
それも巨樹関連の書籍。
それが業界での連載記事をまとめたものなのですが、現在はその業界紙にて私が巨樹巨木の寄稿しているのです。

戸田昌志が寄稿する巨樹の記事


なんという数奇な運命(笑)。
いや、本当に数年前では考えられないことです。私が寄稿しているなんて。
いつかはそんなことも・・・とは思っていたもののこんなに早く現実になるなんて。

次の目標は、連載50回?以上になったら書籍にすることです(^^♪
そうです、自分の本です。
樹木や木材に関する本もいつかは出してみたいですが、巨樹巨木関連の本もとっても出してみたい。
自己満足ではありますが、おそらくインターネットを除いては材木屋さんなどの木材業関連の方が巨樹巨木の本を出版している例はないのでは?!と思うので、ひそかに狙っています。
(あ、ここでいうと密かではなくなるなぁ・・・)

いつか書店やアマゾン?!で私の書籍が並ぶことを楽しみに、今日も読書&巨樹原稿を考えることとします。


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2019年の戸田材木店は・・・

新年、おめでとうございます。

皆さまにとって、本年がより良い木のある一年でありますように!(^−^)

恭賀新年


2019年の弊社は、さらに継続してオリジナルの木材製品を生み出していくことと、それ以上に木材への入り口づくりとして今まで以上の啓発活動をし、その一環として大工さんや設計士さん、お施主様を含めての木材ツアーや勉強会を催していきたいと思っています。

そのフィールドも整っていますので、あとは行くだけ!!

広葉樹のフィールドと戸田昌志



一生懸命企画するつもりですので、木材へのつながりを感じる一年となるように、今年の戸田材木店に一層のご期待をおねがいいたします!!



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次年度へ向けて。 年内最終日です。

本格的な年内の営業も本日で最終。

今年は前回までに書いた様に、少しいろんな動きができていろんなものが始まったことと、いつも通り講師などもさせていただき、活動としては充実した一年でした。

昨年表明した、「こんなことやるぞ!」も現実になったものが多く、次年度はそれを実利に結び付けられる活動をしていきます。
そういう意味では、このような形で記事に自分の現状をのこしておく、というのは大きな意味がありますね。

来年は、今まで巻いてきたタネとお金(涙)をきちんと収穫(回収)できるように頑張ります(笑)。

皆さま、良いお年をお迎えくださいませ。
どこかで、講師もしてますのでお会いすることがあるかもしれませんが、その時はよろしくお願いいたします。

講師 戸田昌志



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えぇのが出来そうです! 少しづつでも動いています。

本年の締めくくりになりそうな、いいネタが入ってきました!!

お正月のおみくじにはまだ早いですが、「待ち人来る!」的な感じです。

日本の広葉樹 プレミアムシリーズ用原木

大きからず、小さからず。
適度な大きさの良質な丸太がきました。待ってたんです。
こいつを製材していってます。
こんな感じで。

日本の広葉樹 プレミアムシリーズ 製材2


おぉ、えぇ色(笑)。
まだまだ色調は変化しますが、なによりなかなかにまとめて入手しづらい樹種で、やっと計画していた位の数量を確保できたので、これからものつくりに入っていきます。
もちろん、まだまだ製材中ですし、乾燥もしていかないといけませんから使えるのは来年は無理でしょうけども、その先に、素晴らしい姿を見せられることと思いますので、今は少しの間、寝ておいてもらいます。

日本の広葉樹 プレミアムシリーズ 乾燥中

仕上がってきたときにはもちろん紹介しますので、楽しみにしておいてくださいね。
日本の広葉樹シリーズ、現在進行形です(^−^)



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年末年始のご案内

あぁ、今年ももうこんなシーズンに!!


いつもながらの反応しかできませんが、それにしても今年は若干充実していたように思います。
昨年に苦労しまくって時間を掛けまくったおかげで、弊社企画のツアーや伐採授業、それから懸案の日本の広葉樹無垢フローリングのプレミアムシリーズも順次試作から製品への段階に入ってきました。

ちょっと走り過ぎて疲れた感は否めませんが、次年はそれらを活用してより一層皆さんにいろいろな木をお届して喜んでもらえるようにしていきますので、次年もよろしくお願いいたします!!


以下、弊社の通常業務の休業ご案内です。

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平家よりの伝記伝承、ふるさとに残し・・・ 〜洞のカツラ(桂)  エピローグ〜

洞のカツラ、その見事な姿にしばらく見とれていたい気持ちはあるものの、心を急かせる理由は帰る為にもちろんながらも、再度来た道を戻らないといけないということ。

洞のカツラ 17

若干けもの道のようになっているように見えるとはいえ、昼薄暗い中一人で、クマに怯えながら(涙)草をかき分けて帰るのです。
普通は、苦労してたどり着くと「よっしゃ、来た道やから、怖くないぞ!」と少し思うんですけど、今日はちょっと違う。
クマじゃないんです。もう一つの理由です。
実は、この洞集落は既に住民全員移住し、現在は人がいないのです!(汗!!!)

うひょ〜!!!万が一なにかあったら叫ぼう、と思ってたのに、しかも民家があるから大丈夫!と言い聞かせてきた、小さな心臓はバクバクと脈打っています。

洞のカツラ 13

この連載の当初にも写真をだした石碑ですが、右側の「平成二十三年十二月 洞区民全員転居」の大きな字が見えていませんでした。
なんたることか。
事前情報の集会所と民家という言葉ばかりに気を取られ、目に入っていませんでした。
よく考えると、民家の前に立ち入り禁止看板があるのも見えていなかった・・・・

最初に鳥居にシートがされていたこと。
そして途中の社殿の燈籠にもブルーシートがかけてあったことから、なんとなく背中では人気のなさを感じてはいたものの、山の中に入る自分にそんな情報は必要なく、誰かいるもんだ・・・いや、居てほしい!と信じていました。

洞のカツラ 18

カツラとの出逢いも、別の意味での背中のゾクゾク感を感じていたのはやはり人気のなさゆえでした。
石碑にあるように、往時は富山県との交易でさかえたようですが、車があるとはいえ元々が多くはない住民の数からすると、奥飛騨のさらに奥山に位置する洞地区にとっては、生活という意味での基盤を保ちにくかったのかもしれません。
もちろんそれは、私の勝手な想像なのですが石碑を眺めていると、ものすごく淋しいといいますか、ふるさとを離れるということを思うと、目の前にある民家と集会所が今にも霧と消えるのではないかと感じるような儚い気持ちになってしまいます。

平家の時代から住んできた地をはなれるということは、この立派な石碑をみればどのようなものだったかを思うことができますし、今後も石碑によってその事実は無言に語り継がれていくことでしょう。
感動的な巨樹訪問のはずだったのですが、気がつけば少し物哀しいような、そんなエピローグになってしまいました。







って、まだ終わりじゃありません。
私にこんな大きな石碑を見落とさせた犯人を、この記事にさらさねばなりません!!!

通常であれば、先ずは周辺にて巨樹の位置や存在を知らせる案内を見つける為に、石碑や看板は読むのですが、今回はこいつのおかげで、こんなことになってしまいましたよ!


洞のカツラ 1


ミラーの左、見えますか?

おまわりさん、こいつです!!私に攻撃してくる奴は!!
早く捕まえてください!!!

人がいるなら頼みたい。そんな気持ち。

写真にはただ一匹ですが、実は車の周辺には数十匹?いや百以上?!という景色がかすみそうなくらいの数が飛んでいて、それも何が原因か知りませんけども、車に体当たりしてくるんです!!!
最初は走行中の小石の跳びはねの音かと思っていたのです。
そしたら違うんです。こいつ、走行中からずっとぶつかってきてたみたいで、停車してもずっと「バチン!・・・バチンバチン!!」と音がする。
ドアを開けると絶対車内に入ってくるし、開けないとカツラには行けない。
チクショー!!!


そんなこんなで、停車してから「体当たり」が納まるまでイライラとしていたので、あの石碑を見落としたのでした。

しかも、よく見たら集会所の壁にカツラへの道順が記してある・・・・(涙)

洞のカツラ 11

無意識のうちの道順は正解だったものの、これを見ておけば安心していたのに・・・
いや、住人不在をしっているとなると、そうでもなかったか・・・


しかしながら、以前に同じくビビり巨樹紀行をお伝えした「大古井の千本カツラ」も同じく岐阜県の山中。
巨樹も木材用の人工林も、そして豊かな混交林をも育む岐阜県ならではの、ドキドキ巨樹紀行ですが、もうカツラの場合はある程度の諦めで行くしかありません。

いつになったら慣れるのやら・・・

いつも以上に、巨樹の存在する場所と「ふるさと」について感慨深くなった、今回の洞のカツラへの訪問となったことをここに残しておくことにします。


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平家よりの伝記伝承、ふるさとに残し・・・ 〜洞のカツラ(桂)ぁ

山道を何キロ走った(通行できずにバックで下ることも含め、)のかもわからないほどに、「ここ以外に集落への道はあるのか?!地図にない道が!!?」と山道を何回往復したかわからない、前回までのやるせなさとは違い、開きかけた道の先は明るく、多少大雨での土砂が車道に流出してはいるものの、今までの事を考えるとドンドン車をすすめられます。

そして進んだその先、民家の様なものが見えてきた!!!!!
おぉ!!洞地区に違いない!!「誰か、だれかいませんかぁ〜・・・」
心の声で、実際は車で走っているのですが、山あいでは民家が見えるだけでも心強く、しかも今回は事前情報にて「集落の方にカツラへの道をたずねた」とあったので、私も訊くが一番!と住民を探しながら車をゆっくりと進めました。
すると、人を見つけるよりも先に目印となる集会所のある広場に到着。

洞のカツラ 21
 
おぉ、この地区の皆さんは、ふるさとを誇りに思ってらっしゃるんだなぁ・・・

この時は、やっとのことでたどり着けたことと、カツラに早く逢いたい一心でしたので、この写真から見きれている一つの石碑には目がいっていませんでした。
なので、後ろに見える集会所も、どの地域にもある「今はほとんど使われない集会所」になっているんだろう、と思っていただけでした。
いや、これも後に記しますが、降車しようとする私を阻む者の存在の為かも知れません。 
そう思い込んでいました。

情報によると、集会所近くの民家の裏手にそのカツラが存在するといいます。
とりあえず、鳥居があるところから廻り込んで、道がなければ民家にお声かけしてみよう!
そう思い、とりあえず待ちに待ったカツラの姿を探しに、昼少し暗い鳥居をくぐり裏山に入っていきました。

洞のカツラ 20

「あれ?!参道に草が・・・
それに鳥居にもカバーみたいなものがかぶせてある・・・
さらに進むと燈籠にもブルーシートのカバーが。
むむ?!
地区の人達が高齢でお世話ができないのか?!それとも?!・・・・・」

こんな山の中で、もし人がきいてたら変人かと思われるくらいの音量で、↑の言葉はしっかりと口から発しながら歩いています。
一つはクマが怖いから(涙)。もう一つは、反対に人がいてほしいから・・・・

いつもどおり、入り口でビビり乍も進んでいくとなにやら道の様な状態になっている。

洞のカツラ 19

方向的にこれに違いない!
これなら安心!、と自分に言い聞かせ歩を速めていくと、おぉ!!!!あの姿はまさしく!!

洞のカツラ b

あぁ・・・・やっと逢えた・・・
今回は、かなりの廻り道を要した上に、何度も諦めかけたので感嘆の声もひとしお・・・
このまみえた瞬間の姿を残そうと、遠目に一枚。
実は、近くに見えますが距離は結構離れているのです。のちほど、昌志メーターでお分かり頂けるでしょう。

その正式?!な姿がこちら。

洞のカツラ c


これぞ、私が抱く森の巨人のカツラです。
太いひこばえが入り乱れ、少し傾斜した沢沿いに、小さな祠を抱きながらたたずんでいる。

まさしく、森のカツラの理想の姿!!!

洞のカツラ 5


紅葉にはまだまだ早い初秋の訪問だったのですが、「新緑」とでも形容したいほどの緑の美しさが命の輝きをみせ、それに対してくすんだカツラの樹皮が、季節の移ろいや時間の経過すら意識させず、ただしずまった山の空気と共に私と「洞のカツラ」との間にありました。


一部を除くスギのような単幹の巨樹巨木であれば、樹高や幹回りの太さ、そしてインパクトのある表情などの「ポイント」を押さえておけば、素人である私が写真で切り取ったとしても、「ある程度」の説得力のあるものが取れると思うのですが、カツラの場合はその私の定石は通じません。
もちろん、出会ったときの姿もそうですが、どのように印象深く伝えるかということと、ある意味どのカツラの巨樹も「同じに見えてしまう」ために、近接写真では違いを伝えにくいというところに、素人泣かせのポイントがあるのです。

洞のカツラ e


特に写真のように主幹?!部分が失われていたりすると、巨樹を強調する太さの基準の○○mという単位では語れなくなってしまうので、いつもの私の好きな見上げるアングルもこのように、中央に青葉が光る!という形になってしまいます。

もちろん、それはそれで美しいのですが・・・

角度を変えてみましょう。

洞のカツラ d


あれ、おんなじだ・・・(汗)。
でも、カツラに出会った時には、こうやって近くにより添って上空を眺めるのが好きです。
葉っぱの青い時は光を受けて、また葉っぱの無い時には空に対比して一層「太い幹のない巨樹」としての存在感を表現してくれるように感じます。

しかし本当は、もうちょっと離れてじっくりとその全体像をお届したいところですが、この10数年でカツラの周辺の木々が成長しているようで、ネットで見た事前情報写真の様なアングルでは、カツラの前に数本の木々がかぶってしまい、うまく撮ることができない!

なんとかギリギリのところから、カツラの偉大さを伝える為に私を含めて一枚撮っておきたい!!というのがこの写真。

洞のカツラ a


単純な大きさが伝わるでしょうか。
本当はもっと離れたいところですが、限界。

しかし、巨樹の時間の流れの中では一瞬かもしれませんが、周囲の木々にとっての10年というのは確実に流れていて、当り前ではあるものの土壌や環境の変化というのは巨樹の廻りでも確実に進んでいるんだ、ということを改めて感じさせてくれました。

洞のカツラ f


もう数十年で、カツラの一部として取り込まれるのが先か、それとも朽ちていく方が先かという祠に手を合わせ、何度も何度も見上げては周囲を歩き、若いヒコバエと古い?ヒコバエそれぞれに触れながら、ようやく出逢えた感謝を伝えました。

本当はまだまだゆっくりと、時間の流れを感じながらカツラと一緒にいたかったのですが、実は私焦っていました・・・
写真を撮っている間も落ち着かず、記事ではゆっくりとしているようですが、相当焦っています。
その理由はいつもの通り、「一人山行きビビり」だからです。

それにもまして、民家の裏と思っていたここは実は、もう今は「民家だった建物の裏」になっていたからです。
エピローグは、岐路の車に戻って冷静になって気がついた、この集落とカツラについてを記しておきたいと思います。



洞のカツラ所在地

岐阜県飛騨市宮川町洞

おそらく、2018年現在からは、宮川町の打保駅北からの山道ルートは道路として通ることができないと思われます。宮川町菅沼から上る道がありますので、そちらから行くと沢の下方に菅沼のカツラを見ることができ、それを過ぎてそのまま上ると、前回写真に出していた林道の分岐T字路に出ます。それを左折(北)して下って行くと集落の先に集会所が見えます。

使われなくなった集会所の前に駐車可能。
集会所の壁に、カツラまでの案内看板あり。(次回参照。)


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平家よりの伝記伝承、ふるさとに残し・・・ 〜洞のカツラ(桂) 〜

ここは岐阜県飛騨市の北。
南北に細長い岐阜県においてももう少し北へ行けば富山県、というあたり。
観光上は「飛騨高山」と言われることが多いですが、市街地観光の高山市中心部からすると、車でも1時間・・・いや、今回の目的地までだと1時間30分以上はかかるほど、近くて遠い?!飛騨市の山の中です。

洞のカツラ 24

峠道にはところどころにこのような看板が見られるようなところなのですが、わかってはいるものの万が一クマに出会っても、ゆっくり後退なんてできないでしょうね、私。
絶対走ると思います。
この看板みるだけで、山の中の巨樹に逢いに行くヤル気を半分以上削がれるのですが、まぁそれくらいの山の中だという事です。

大阪から行くと、鉄道高山本線に沿って走る、国道360号線を富山県方面に北上していくと打保駅近くの宮川町に出る。
きりたった山あい、というほどではない川のせせらぎと山の緑が美しい地区だと感じるその宮川町から、今回の目的のカツラに逢いに洞谷という方面に上っていきます。
事前情報では、舗装はしっかりしているということだったので、いつものように愛車で行くには涙が出るような道ではないことが唯一の安心材料でしたが、やはり山あいの巨樹まではそう簡単には通してくれず・・・・・


今までの経験上、山道を上るということはいろいろと問題がある場合が多いです。
工事での通行止め、土砂崩れ、道が既に無い、道があっても到底乗用車では行く気になれない、または行けそうなのに草や枯れ木が数キロも続き「途中で車も人の心もボロボロ・・・」的な時など・・・
今回も、若干の懸念はあったものの穏やかな宮川町の風景を見ながら、意気揚々と車を走らせていたのですが、うぅ・・・・・やっぱり・・・・

洞のカツラ 2

この写真の先はご覧のように未舗装路で、しかもその土さえ見えないほどに草木が生い茂った状態・・・
あぁ、やっぱり・・・
そういえば、事前情報の訪問も優に10年以上前のこと。
どうも、最近はこの道が使われていない様子。このまま歩く?と考えるも、まだこの先数キロはある上に道が見えない状態ではどうしようもない。
その上に、冒頭のクマの看板です。
あぁ、やはり今回も山の巨人には逢えないのか・・・
そう嘆きながら、苦労して上ってきた車一台しか通れない道をひたすらバックして帰路へ。

ここはこの時の巨樹巡りの一番の目玉だっただけに、落胆しながらも「縁がなかったんだ・・・」と思い、一山向こうにいるお目当て巨樹に行くことにしました。
そしたらなんと、そこも・・・

洞のカツラ 3

先程のようではないものの、のぼり始めてすぐに斜面が崩れています。道路には大きな落石と台風で折れた枝が散乱し、こちらも道ではない状態。
とほほ・・・と思いながら、落石と折れ枝を度々降りては手で移動しながら行けるところまで行こうと上り、ようやくこちらは辿り着くもなんと!!
お目当ては道路より15m程下の沢沿い。
しかもお目当てまで降りられる予定の階段が、大雨の土砂崩れで崩壊・・・・

もう、今日は運もない・・・もう諦めて帰ろう。クマがでてきそうや(涙)・・・

と思いながら車に戻るも、「さっきの道(↑の写真)をバックで戻るんやったら、このまま山上ってみようか。もしかすると、山越えしてさっきの目的地にでられるかも・・・まぁ、無理やわな、地図でも道路ないんやから・・・」と独り言が出る。

どこか諦めきれない思いで、とりあえずそのまま車を走らせてみると、割合に進むことができる。

洞のカツラ 25


お?!わりとまともな分岐点!!
方角的に、このT字路を左折すると、先程諦めた目的地の洞地区方面!林道名もそうなっている!!
これはもしや、いけるのでは?!
急にヤル気が復活し、この先の洞集落にてカツラの居場所を尋ねればいいや!、と考えてはいたものの、実際私を待っていたのは、淋しい現実と車の外から襲い来る黒い集団だったのです・・・

次回、本編に続く・・・・

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平家よりの伝記伝承、ふるさとに残し・・・ 〜洞のカツラ(桂) ◆

海外、ことヨーロッパにおいて神様を代表する木といえばやはりオークでしょうか。
もちろん、ほかにも伝説の木はありますがゼウスの象徴であるといわれるオークは、木材としての価値や存在感も含めて立派な地位であるといえます。

それに比べて、というのも失礼ではありますが今回のカツラは木材としては、オークほどの価値は知られていません。

桂2

いや、その利用に地域性があるから、といった方がいいのかもしれません。
良質なカツラの材を産していた北海道では、アイヌ民族の丸木船、寒冷地での接触冷感の少なさからフローリング材など、私の周りではもっぱら彫刻材だったカツラが地域によって大きく用途が違っているのです。

そうです、前回京都の桂の地名を出しましたが、同じく京都の葵祭の使の冠にカツラをかざすとなっているらしく、これも用途を限った特別なものだと感じます。
伝承や古典に多く出てくるカツラですが、その時代の人たちはカツラのどのような姿を見ていたのでしょうか。
皆さんは想像できますか?


私はカツラのイメージは2種類で、一つは生業である木材としてのカツラでもう一つは、多くの株を立ち上げて生い茂る森の巨人であるカツラです。
古典に出てくるカツラは、上記のどちらでもないと思いますが、それでも古典の時代から伝えられたであろうその命を、今でもこの目で見ることができる(正確には、そのすべてがその時代からあったものではないけれど・・・)ものの一つがカツラです。

巨樹の多くは時代の流れとともに移り行く世界や、その時代に暮らした人々の営みを見つめ続けてきたはずですが、古典に出てくるカツラのように伝説的な存在ばかりだとは限りません。
むしろ、これから伝説・・・いや言い伝えによって数千年先に残るのだろうと思われるカツラの巨樹があります。

次回に紹介するカツラの巨樹は、平家の落ち武者が隠れ住んだとされる地であり、車では行くことが容易ではあるものの、人里離れた、と言わざるを得ない場所に生き続ける姿をお伝えしたいと思います。


洞のカツラ 21

 

 
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