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空を見上げて

追加販売! 石山赤松無垢一枚物羽目板

近頃、話題にあげることの多い地松(赤松)ですが、さらに追加のお知らせです。

その幅広さと艶の美しさでとっても人気のある「石山赤松(あかまつ)幅広無垢一枚物フローリング」に、かわいい仲間が加わります。
それは、「石山赤松(あかまつ)一枚物羽目板」です。

石山赤松無垢一枚物羽目板 5


うぉお〜!!
いつもながらに艶がまぶしいです。

わざとらしくやっているわけでもなんでもなく、普通にこんな感じで輝くように見えるんです。
これこそ、地松=日本の松の艶です!!

写真だけでは一見まぶしいように感じますが、ウレタン塗装に反射する「鏡のような日光」とはことなり、木材が持つそのものの艶なので、柔らかさを感じるような気がします。

石山赤松無垢一枚物羽目板 3


どうしても写真では、こうやってみると弊社の定番人気商品の一つである、高樹齢杉純白浮造り羽目板のように見えることも否めませんが、やはり地松の良さは手に取ってこそ!
もちろん、先ほどの艶もあるのですが、その艶を生み出す松特有の脂っ気は、手にもってもらうとすぐにわかります。

少し前に紹介したチークのようでもあり、しかしその蝋のようなものとはまた異なる、あの「松やに」を想起させるようなしっとりねっとり感。
う〜む。
無垢の地松だと感じていただくのに1秒もかからないでしょう(笑)。


また、今回は壁や天井に使ってもらえるようにと、フローリングに比べてサイズ変更。
幅は小気味いい連続感が得られる100mm幅に。
そしてフローリングは突きつけ納めのところ、こちらの羽目板は同じく突き付け以外に、写真のように目地ができる「目透かし仕上げ」を用意しています。

石山赤松無垢一枚物羽目板 7


これによって、木目以外にもリズミカルな流れができるので、壁や天井面をすっきりと見せることができます。

もちろん、フローリングと同じくプルミエグレードなので、わずかな節の跡や若干の脂だまり以外には目立った木目の変化はないので、とっても清廉な印象を受けます。
(細かな表情は記事末尾の表情の違い、を参照)

石山赤松無垢一枚物羽目板 4


以前に紹介している地松乾燥平角材になると、途端に力強く感じるのですが、やはり節がなく「地松特有の割れ」もないので、途端にとっても美しく見えるのは、人間が目から得る情報による感じ方の差が如実に表れている証拠だと思います。


桧や杉、特に松は絶対に和風住宅に使うものだ!
そんな先入観はありませんか?!

もちろん、古くから和風の住宅には欠かせない、もちろんお城や民家にも必須の材料ではありましたが、木材というのは使い方次第。
先の印象のように、見せ方や見え方で一瞬にしてイメージが変わりますから、この石山赤松羽目板も、自分の建築は洋風住宅だから・・・と敬遠せずにどんどんイメージを膨らませてもらいたいものです。

だって、輸入ものの欧州赤松は洋風住宅に使っているんですものね。
まぁ、一緒にはできませんが・・・

石山赤松無垢一枚物羽目板 2


今、日本の赤松は松くい虫と、その影響もある樹種転換政策でどんどん資源量が減少しています。
そして松物語でも語ったように、豊かな森ではその立場を譲る側の樹種である松にとっては、次のその復権の場所はなかなかないことと思います。
そんな状況の中、現在活用できる地松だけはきちんと有効に使っていってあげたい。
忘れかけられた日本の赤松。
梁桁も、フローリングも羽目板もそろいます。

地松普請のおうち、そろそろいかがですか?!・・・


プルミエグレード 貼上がりイメージ

石山赤松無垢一枚物羽目板 1


*弊社では以前に、この地松の姉妹品である石山赤松幅広無垢一枚物フローリングを紹介していますので、こちらも是非、取り入れてみてくださいね。

・石山赤松(せきざんあかまつ)幅広無垢一枚物フローリングの新築施工仕上がりはこちらから

・石山赤松(せきざんあかまつ)幅広無垢一枚物フローリング、和室床改修施工はこちらから

・地松乾燥平角材(梁・桁)はこちらから


・無垢フローリング・羽目板の一覧はホームページからどうぞ


石山赤松(アカマツ)無垢一枚物羽目板(寸法表記はすべてmm単位)

・寸法

10×100(有効働き寸法)×1820

・形状

一枚物 目透かし仕上げ

・エンドマッチなし(糸面とり)

・品番と価格

SA-17HP OPC一枚物 無塗装 10×100(有効働き)×1820 プルミエ

¥16,200(税込)/18枚入り(3.27屐

・運賃

別途地域により、お問い合わせください。

・グレード

プルミエ:材の特色を活かしたトップグレード

・納期

無垢商品の為、該当年度の原材料が限られている都合いつでも生産するということができませんので、余裕を持って確認ください。


*ご検討の前に弊社からのメッセージを必ずご覧ください。 

お問い合わせ・ショールームのご予約はこちらから

・表情の違い 参考

表面に出る、軽微なヤニツボ

石州赤松幅広無垢一枚物フローリング8

松特有の樹脂道 1

石山赤松無垢一枚物羽目板 8


松特有の樹脂道 2

石州赤松幅広無垢一枚物フローリング11

赤身と白太の色違い(フローリングの場合。羽目板にも若干含みます)

石州赤松幅広無垢一枚物フローリング5

刃物仕上げによる、若干の逆目1

石山赤松無垢一枚物羽目板 6

軽微な節

石山赤松無垢一枚物羽目板 9

目地部分のヤニツボ

石山赤松無垢一枚物羽目板 10

ヤニツボが隠れているヤニスジ

石山赤松無垢一枚物羽目板 11

刃物仕上げによる、軽微な逆目2

石山赤松無垢一枚物羽目板 13


*この他、特有の脂分によって削り残しのような仕上がりになる部分が出ることがありますが、樹種特有のものとして活用をお願いいたします。


木のビブリオが、それぞれの木が持つストーリーとともに、こだわりの木材をお届けするブログと、稀少木材・無垢フローリングのホームページです。

・樹種別無垢フローリングのブログ記事一覧 http://trackback.blogsys.jp/livedoor/muku_mokuzai/1611916

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地松構造梁・桁材入荷!

過日、少し紹介していた日本の赤松の乾燥平角材(梁・桁材)が入荷しました。

大型トラックに一杯の地松構造梁・桁が到着!

地松(赤松)乾燥構造平角 1

おぉ〜!!
美しい!

住宅の構造材というと米松か杉のどちらかが使われることが多い中、今回は日本で生まれ育った赤松、「地松」での構造材です。
現在ではあまり見られなくなりましたが、私のイメージではやはり梁や桁などの家を支える構造材といえばやはり地松で、力強くもあり柔軟性をも感じさせる曲がりや木目の美しさは、何とも言えない質感があり、大好きです。

地松(赤松)乾燥構造平角 2

もちろん、性質的にもとっても優秀。
粘りがあり、荷重を支える強さもあるため、構造梁・桁材としては申し分ないのです。
前回は粗削りの状態を紹介していましたが、今回は近年では当たり前になった「モルダー加工」という寸法揃えの加工をしてあるので、表面があらかじめ削られているため余計に地松の美しさが際立ちます。
鉋で仕上げたわけでもないのに、写真の様な艶。わかるでしょうか。
波打つように光っているところ。
(写真中央、少し右の上から2つ目です。網目の様にも見えます。)

地松(赤松)乾燥構造平角 3

これがたまりませんね。
同じ日本の木材といえど、杉の構造梁には出せない魅力の一つがこの艶です。
頬ずりしたくなります。
もちろん、米松の人工乾燥材をいくら丁寧に加工しても、この様な艶にはなりません。
隠れる部分には勿体ない!そう思いますね。

しかし、そんな想いを汲んでもらってか?!
今回使っていただくおうちには、化粧梁が多数存在するのです。
ということは、この地松の輝く艶がいつも家の中の見えるところにあるということです!
なんとも羨ましい!

しかも、その化粧梁は贅沢にも「芯去り材」を使っています!
(写真上)

地松(赤松)乾燥構造平角 6

芯去り材とは、木の中心部分を含まない材料の事。
通常、構造材は芯持ち材になります。
丸い丸太の中心を使うことで、丸太の直径を活かした大きな断面の木材が作れるからですね。

しかし、芯持ち材は木材の特性上、割れやすく寸法変化しやすいという点があります。
地松は特に割れが入る樹種です。
芯去り材という、木の芯を使わない製材方法で、できるだけ割れがおきにくく変化の少ない状態で、美しい木目を持てもらうための工夫です。
といっても、大きな丸太でなくてはできないのが芯去り材。
とっても貴重なんですよ。

それに、中にはこんなに厚みの厚いものや・・・(通常は120mm)

地松(赤松)乾燥構造平角 8


こんなに長いものまで・・・
6mと5m材です。めちゃたくさんある・・・・
長尺材が多いということは、とっても立派なおうちということ・・・

地松(赤松)乾燥構造平角 10


地松には、桧の様なピンクの木肌や杉の様な柔らかな香りはありません。
いや、十分に美しい木肌の艶と松特有のすっきりとした香りがあるのですが、やはり桧と杉の認知度に比べると、全く無名選手です。

近年は、丸裸というくらいまで伐り尽くされた山肌に、松だけが残っている、という奇妙な光景も目にします。
まるで墓標です(涙)。

いや、冗談ではなく、そんな状態になった松は近いうちに強風で倒れてしまうのですが、その結果「松は風で倒れてしまう!」という根拠無い話がささやかれるのです。
広大な山にぽつんと残り、風を受けると折れるに決まっています!!

そんな状態にならない様に、弊社で地松を大切に使っていきます。

地松(赤松)乾燥構造平角 7


伐採から行っている梁丸太、今回の乾燥構造梁平角、感触を知ってもらう「刻もう会」そして下記の石山赤松フローリング、黒松フローリングなどを通じて、日本の誇れる樹種である地松を残していきたいのです。


*弊社では以前に、この地松の姉妹品である石山赤松幅広無垢一枚物フローリングを紹介していますので、こちらも是非、取り入れてみてくださいね。

・石山赤松幅広無垢一枚物フローリングの施工仕上がりはこちらから


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嵐を呼ぶ稀少材の予感 アレルセ(チリ杉)

日本人は、昔から木材の用途や種類ごとの性質によっての使い分けにこだわって、上手に付き合ってきまたがそれとともに、単に木材という材料としてだけではなく、木目の美しさや質感もとてもうまく取り入れてきたと思います。

その代表が「杢」で、一般的な木材のイメージであるタケノコ状の木目とは全く異なる、様々な表情の木目を珍重してきたのですが、このアレルセもそうでしょう。
美しい杢がたくさんあります。その木目が存分に味わえる幅広サイズ、それが紹介のアレルセの別の特徴です。

アレルセ(チリ杉)7

なんと幅は広いもので90cmを優に超え、白太を含めると98cm程になるものもあります!
しかも厚みは18mm!!
木材の常識からいえば、よほどの用途(門の鏡板)などでなければこの様な幅広の板材を薄く製材することはないと思います。
皆さんも経験は無いですか?!
テーブル、とまではいかなくてもある程度の幅の木材を探していると、どうしても厚みが厚いものばかりしか見つからない。

お客様のお尋ねで、とてもよくあるパターンです。
そんなに厚みは必要ないけども、幅の広い木材が欲しい。しかし、それは木材にとっては矛盾する条件だったりするのです。
なぜなら、木材は薄ければ薄いほど反りのリスクが高くなる、ということ。

反りが出てしまうと、折角の幅広の板も使い物にならなくなってしまいます。
だから、出来るだけ反りを抑えやすい最低限の厚みに製材する、というのも理由の一つです。
(明確に、薄い板の用途が確立されていれば別ですが、近年では稀なので・・・)
そんな状況を考えてみると、やはりこのアレルセの18mm厚で980mm近い幅の材に、幅方向の反りが殆ど見られないというのは、如何にこの材が素直な性質か!ということの証明?!ではないでしょうか。

アレルセ(チリ杉)8


また桧に近い、という性質からか湿気に耐えるという性質があるために腐りにくいという特徴があります。
ということは、旧家の門板やお寺の建具材など、幅広の一枚物の木材でそれも薄い板として使う用途には、狂いが少なく水気にも強く、更に木目が良い一枚板という申し分の無い性質ではありませんか!
ということで、早速お茶室関連のお仕事に一つ使っていただくことになっていますので、どのような状態になるのか、とっても楽しみ。

さて、このアレルセという材ですが現在手元に残っているものは、建築用材としての輸入を前提として製材されているので、美しい杢が見られますが、実は地が他分野ではこの複雑な木目よりも、すっきりと通った「柾目」が求められる業界があります。
それは楽器。
アレルセの材については、だいぶん後になって知ったことですがこの材もやはり、稀少性と共に音の追及のなかでは、とても性質が良いらしく柾目がとっても珍重されているということです。
楽器の世界の柾目と、建築業界の柾目ではちょっと意識の違いがある、いや別物というくらいに異なる場合がありますが、やはりアレルセで求められているのも整列した細かな柾目のようなので、今回の幅広板では「正柾目」は難しそうです。
別の角材であれば、少しはとれるかも?!・・・

アレルセ(チリ杉)5


しかし、柾目にこんな模様がでるんですから、建築からすればとても魅力的なんですけどね。

アレルセ(チリ杉) 2


そんな超幅広薄板のアレルセ、活かせる人を探しています。
今まで倉庫で眠っていた材ですが、こんなに優良で魅力的なものを、そのまま活用せずにおいておくわけにはいかないと思います。

木材として、きちんと第二の人生を過ごしていけるように、是非あるうちに活用してもらいたいものです。
ただ、遠方には大きすぎることと薄板なので割れる可能性があるので、心配ではありますが・・・

とにかく、非常に珍しい樹種アレルセ(チリ杉)を活かせる方、お待ちしていますよ。


アレルセ(チリ杉)幅広板 薄物

・呼称寸法 2,1m 18×300〜980

・価格は寸法により、送料は地域により運送を確認する必要があります。


アレルセ(チリ杉)9




*)アレルセ(チリ杉)は輸入材の為、運送時のキズや割れ、その他がふくまれることがありますので、無駄の無い利用が出来ますようにお願いいたします。


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嵐を呼ぶ稀少材の予感 アレルセ(チリ杉)

さすがにもう最近は自分の事を若いと思わなくなりましたが、年齢を重ねるごとに若い時にはわからなかったことを多く感じるようになりました。
たとえば人との出会い。

知り合う事、紹介してもらう事、でくわす事・・・いろいろあると思いますが、全てがつながっているんだということと、出会うという事は偶然ではなく必然なんだと感じる事が多くなりました。
それは木材でも同じこと。

瞬間の出会いといえば、前回のとおり神代木もそうです。

ずっと会いたいと思っていても巡り合えない木材にひょっこりと出会えたり、全く縁がなかった木材が実はあの時の人との関係で自分のもとに、なんてこともあり、人生の深みを感じる今日この頃です。

さて、そんな中で嵐の予感さえも感じさせる木材との出会いが訪れます。
その樹種はアレルセ。別名をチリ杉。
やっぱり「荒れるぜ!」的な、もしくは「散り過ぎ」、のようなおやじギャグが吹き荒れそうなこの名前。
いや、本当に木目も荒れているのですよ。いい意味で。

アレルセ(チリ杉) 1


うぉぉ・・・
どうです、驚くくらいに良質な木目。
もう、この木目の時点でノックアウト。
広葉樹の特徴的な杢模様や変則的な模様も大変魅力的ではありますが、この針葉樹独特の年輪がもたらす芸術的な木目と不均一なリズムは、やはり相当高樹齢のものでしか見られない木目です。

それもそのはず。
このアレルセ(チリ杉)、樹齢は1000年を超え2000年をも超えるほどの長寿針葉樹なんですね。
杉で2000年という樹齢を考えると、必然的に思い出されるのは「屋久杉」ですよね。
こちらも数千年の樹齢を誇るものですが、その屋久杉に木目まで似ているのが、このチリ杉(アレルセ。以降はアレルセに統一。)。
そりゃ、樹齢が1000年以上にもなると通常の針葉樹とは異なる木目のものが多くなります。
例えば台湾桧や紅桧、ラオスヒノキなどもそうですね。

ここでヒノキがたくさん出てきましたが、実はこのアレルセ。
主な原産国であるチリの名を冠して「チリ杉」という和名ですが、仲間で近いのは桧なんだそうです。
それは英名の patagonian cypress でもわかるとおり、桧なんですね。
うっとりとしてしまいます。
その反面、もし日本に2000年級の樹齢の桧があればどんなだったかを想像してしまうのは、禁じられた想いなんでしょうかね・・・・


アレルセ(チリ杉) 4


いや、こんな素晴らしい樹種は桧であろうと杉であろうと、いいものはいい!
それに、こんな良質な杢の出る樹種を日本人がほおっておくわけもなく、当然古くは屋久杉の代用材として多く輸入されていたようですし、天井板などにも使われていた?ようなので、もしかすると意外と日本の和室に溶け込んでいたりするのかもしれません。

しかし、その当時とは異なり現在ではアレルセは簡単に輸入できないどころか、保護下におかれる代名詞であるワシントン条約に含まれている(それもかなり厳しい分類で・・・)ということで、「代用材」なんていう扱いのできる木材ではなくなってしまいました。

いつの時代もそうですが、木材では優秀な樹種には必ずじきに代用材が現れ、その代用材が枯渇もしくは値上がりしてくると次の代用材をさがす。
そんなサイクルが繰り返されてきましたが、このアレルセも屋久杉の代用材のはずが、現在では屋久杉よりも稀少?!な木材になってしまったということか。
しかし、ただ稀少というわけではなく、やはり優秀な木材だからこそ少なくなってしまうんですね。


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いよいよ出荷、日本の赤松(地松) 乾燥平角材

いよいよ入荷してきます。
弊社おすすめのコレです。

日本の赤松 乾燥平角材 4


大きな角材。
住宅の構造材、つまり梁や桁という重量を支える部分に使用される骨組み用の木材です。
一般的な分譲住宅では、米松材や集成材が主流であるのに対し、近年は町場の工務店さんは日本の杉を活用されています。
どちらも良い悪いではなく、コストと住まいかたを含めたバランスで決めればいいところですが、今回納入するのは杉ではありません。
日本の木材ですが、桧でもありません。

写真ではわかりづらいと思いますが、実はこれは日本の赤松、いわゆる「地松(じまつ)」です。
旧家からお城に至るまで、日本の多くの建築に地松が活躍してきました。
しかし、曲がりが多い事や乾燥が難しい事もあり、現在ではよほどの事が無い限り、住宅の構造材に地松が登場することは無くなっています。

それなのになぜ今、地松なのか?!
それは、地松が構造材に最適な樹種だからです。
地松は、単純な強度は勿論ながら構造材に求められる「ねばり」を持っていると言われる事から、日本の重い屋根や構造体を支えるに十分な役割を果たしてきたんですね。
それに、この地松構造平角は地松本来の美しさを損なわない様に、非常に丁寧に乾燥と養生をされているので、仕上がりの美しさは他の樹種では味わえないものです。
力強さと美しさ、その両方を見てほしいのです。
(*簡単なようで通常は、その個性を犠牲にしないと安定した品質供給は難しい。)

しかし、現在の様な屋根が軽くて上棟から1ヶ月程で完成してしまう様な建築スピードでは、本来の力強さや木目の良さ、そして艶も見る事ができませんし、曲がり癖のある地松は特に敬遠されてしまいます。

日本の赤松 乾燥平角材 1


しかし、今回入荷する地松構造材を使用するのは、木の良さを十分に感じられるような使い方と見せ方をしてもらう予定ですので、地松の大きな活躍の場になりそうです。
普通では見られない様な、とっても大きなサイズ(日本の民家ではおなじみのどっしりとした、あの感じです)のものや、節の無い輝く様な艶をたたえる芯去り化粧梁など、単なる地松という枠を超えて迫力と美しさの競演になること間違いなし!!

↓ 芯去り構造材

日本の赤松 乾燥平角材 2

↓ 大きな梁成の材の検品です!!

日本の赤松 乾燥平角材 3

この後、よく乾燥してクセが出た地松達を製材機で修正挽きをして、そしてモルダー加工という表面の削り加工(寸法合わせ。最近は美観も兼ねて)を施して、弊社の土場に入荷します。
楽しみです。

また、入荷の様子もお伝えしますね。

近年では非常に珍しい地松構造材ですが、特段高価なわけでもなくまた、品質も曲がり癖の強い赤松をしっかりと乾燥製材していますので、安心して使うことができます。
大切なおうちの構造材、しっかりとした強さと見た目の美しさを兼ねた「地松乾燥平角」を選択肢に入れませんか?
米松や杉とは全く異なった経年の美しさを感じる質感を見る事が出来ると思いますよ。


*弊社では以前に、この地松の姉妹品である石山赤松幅広無垢一枚物フローリングを紹介していますので、こちらも是非、取り入れてみてくださいね。

・石山赤松幅広無垢一枚物フローリングの施工仕上がりはこちらから


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扱いにくくなっていく稀少材、のるかそるか・・・

稀少材については、新しく伐採するからいけないとか、あるものを利用するから問題ない、というと単純な図式を考えているのではありません。

そもそも、どちらにせよ自然にとっては私たち人間の理由で伐採利用しているものですので、あれは良いけどこれはダメ、という時点で完全に人の都合なので、善悪感情だけで判断するのは早計だと私は思っています。

ミャンマーチーク


そう感じる理由の一つに、「活用されない希少種」の存在があります。
現在は様々な理由によって、以前ほど木材の流通量は多くはなくその結果、少しずつ廃業される材木屋さんも出てきています。
その中には、とっても良質な材を持っておられたり、稀少材が含まれていたりするのですが、場合によっては利用されないまま廃棄処分になっている場合もあります。
稀少材ということで、流通にのっていなかった材が倉庫の整理と共に、廃棄処分にされてしまう。
もしくは、材の価値のわからない人によって切り刻まれて使われたり、本来の用途とは異なる形で使われたり。
何とも悲しい事です。
実際、いくつもそんなお話を聞いています。

木材は使う人があり、活きる現場があるからこそ価値が生まれます。
私の様に、所有して喜んでいる様なたわけものは別ですが、基本的には誰かに活用してもらわないといけないのです。
そうするには、やはり希少種も知ってもらって、現在あるものは使ってもらうことが必要だと感じます。

それ以外には、日本を含めて世界にある素晴らしい樹木たちの中で、少なくとも木材として流通したものは、できる限り有効に後世に伝えたいという中で、規制が厳しくなる今後には、なかなか見る事ができなくなる多くの樹種を、今のあるうちに大切にしてもらえる人に届けて、残していくことも大切なのではないかと思うからです。
そんな意味では、私の好きな神代木もそうなのですが、今後は見る事が出来なくなってくると思いますから、好んでもらえる人の中で是非残していきたいのです。

神代栃

紫檀や黒檀、大径木のアフリカや東南アジア材、その他以前は使われていたものの、現在は流通が少なくなっている材の中で以前に入荷しているものなど、色々な物に出会います。
既に木材になっているにもかかわらず、使うことなくそのままになっている材。
活かしていきたい、またそんな材とであって喜んでいただける人たちに届けたい。
そんな想いで、稀少材を含め紹介していきます。

上手に活用していけば、将来は安定した資源状況となり、稀少といわれる材にまた普通に会える日がくるかもしれません。
そんな日の為に、今あるものを喜んでいただける人にお届けします。

そのうちの2つを、次回以降に用意ができ次第(地震復旧・・・)紹介していきたいと思います。



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扱いにくくなっていく稀少材、のるかそるか・・・

今回のシリーズは若干愚痴っぽく聞こえる部分もあると思いますが、なにとぞご容赦ください(汗)。

しかし、現実的に大きな商いをされている一部の材木屋サンや時代にうまく適合してお客様を確保されている材木屋サンなどを除き、林業・木材業界は決して楽観視出来る様な状況ではありません。
それは、安くなったと言われる現在の木材価格や森林の本当の内情、そして無垢材よりも集成材やベニヤ板を多く販売する材木店の現状。
一番最後にあげたものは、けっして悪い事ではなく商いの形態ですが、それでも私は材木屋ですから材木を扱いたいわけで、仮に弊社の事だと考えてください。

やはり価値のあるものを、その価値を認めてもらって使ってもらわないことには、木の価値は上がらないですし、そもそも数十年数百年育ってきた樹木に申し訳ないとも思うのです。
もちろん、そこには使う側とのバランスというものが存在するので、どのくらいの価値で入手するか、ということが出てくるわけですが、世の中にはいくら出しても入手したい!と思う方もおられるために、前回書いたように宝石を扱う投機よろしく流通する場合もあり。


屋久杉

そのためには、違法伐採であろうが密輸であろうが関係なし!ということも・・・

そういったことを防ぐために、様々な認証制度や流通システムがありますが、貴重な材ほどそのようなシステムに乗ってくることはほとんどありません。
通常流通しないものですから、流通経路で流れるはずがない。よって、それ以外の入手方法を探す、ということになる。
それが密輸や違法伐採に・・・

ということが懸念されるために、どんどんと稀少な木材の入手というのは少なくなってきている現状です。
しかし、個人的には思うのです。
絶滅に瀕している樹種を伐採したり、禁止されている行為で輸入したりすることは明らかに問題です。
が、中には輸入が行われていたころに入荷したものであったり、伐採ができたときに伐られたもの、特別に許可されたもの、などが流通する場合があります。

そんな時、どうしてもかかわりたくなってしまいます。
もしかすると、違法伐採を助長する、といったご意見をいただくことになるのかもしれません。
わざわざ、そんな材を流通させることはない、と言われるかもしれません。
が、私にとってはそれらは既に「木材」になったもの。それも流通してしかるべき時期のものであればなおさら。
それを見過ごして、「こんな材を扱ってはいけない」とは言えないのです。
もう、木材として第二の生き方を待っているのです。
どんな樹木でも、伐採して使うのですから大切にしなくてはいけません。
同じ気持ちですし、さらに稀少なものは生かしていかなければなりません。
そう思うと、いてもたってもいられずに、自分の手元に「救出」したくなるのです・・・

ミャンマーチーク


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扱いにくくなっていく稀少材、のるかそるか・・・

近年、木材業界で聞くことの多い「木の良さ」。
または、木材を商いで生業としている私たち材木屋にとって大きく関係するのが「木の価値」。
前者は「何となくいいものなんだろうなぁ」という、感覚的なところが大きいと思うのですが、後者はもっと現実的な「貴重である、価格が高い、木目が詰まっている、産地が良い」などになると思います。

どれをとるにせよ、「木の価値」と言われるとやはり価格に直結する部分が大きいのではないかと思います。
木の価値といっても、立場によって価値というものは変ってくるので一概にくくることはできませんが、私の立場でいうとやはり貴重なものや木目の良いものなどの高価な木材を指す割合が非常に大きいです。

それは木材を販売する業としているから当然なのですが、昔から「良質なものや貴重なもの」=高価で、「一般的に普及するものや、多く流通するもの」=手頃という価値判断が一般的で、ヒノキやスギでいうならば「無節や一等」などという材面を評価する基準があり、今でもそれに沿った形で流通しています。
それとは別に、ケヤキやオークなどの広葉樹は寸法や木目の美しさによって価値が決まるので、同じ樹種でもまさしく「ピンからキリまで」あります。

そのピンからキリの中には、とっても稀少で価格の高くなるものがあります。
例えば杢のあるものや普通ではない位寸法の大きなもの、または通常は流通しない様な珍しいもの、そして現在では入手が困難なもの。

ブビンガ

これらはもともと同じものが二つとない木材においても、特に珍しいために市場の原理もあり販売価格が高くなります。
中には宝石みたいなもので、投機のようなものであったり転売にて大きく儲ける、などということも出来るものもあったりしますが、それを抜きにしても二つとない魅力的な木材にはどうしても人気が集中してしまいます。
それらの材の殆どは、伐採禁止や輸出入禁止になっていたり成長が遅いために市場に出てくるサイクルが長く流通しにくいものだったりします。
そのため更に需要が高まるわけですが、その需要に応えるか否かは材木屋にとって難しい判断になります。

極論をいえば、そんな材は扱わなければいい、ということになるかもしれません。
しかし、ただの石と宝石が違う様に、マグロと大トロが違う様に、やはり稀少なものや珍しいものにはそれなりの魅力があります。
樹木が木材になっても、樹齢200年のものと50年のものが同じ価値であるということは無いはずです。

もちろん、どれだけ言っても全ては人の関わることなので、宝石を求めるのと同じおうな欲求から来る感情が働いていたりすることは否めません。
でも、やはりそれぞれに価値をつけないと、良質な木材や稀少な木材の扱いが「勿体ない事」になることもあります。


木曽桧


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木ぃクンmuku_mokuzai  at 13:15  | コメント(0)  |  この記事をクリップ! 材木屋の独り言  

久しぶりに納入、無垢テーブル材 栃純白+地栂共木脚

これにも流行りというものがあるのか、それとも弊社が売れていなかっただけなのか(汗)・・・
久しぶりにテーブル材の出荷がありました。(といっても、続いて3名ほどあったんだけど・・・)
ここのところ、特殊材にばかり集中しておたずねいただいていたのですが、続けてご近所から無垢のテーブルを探しに来ていただきました。

そのうちで、天板のみではなくテーブル製作までさせて頂いたおうちに、過日納品に伺ってきました。

その前に、出来上がりの材がこれです。

栃純白テーブル 3

おぉ、美しい。
中央に割れはあるものの、とっても白くて綺麗な栃の板材です。
栃というと、近年は非常によく知られる材ですが、手ごろな価格の良質材がとても少なくなっていて、たいていは中心部分に芯材である赤茶色の部分を含むものが多くなってきました。

それを考えると、今回のこの栃はとっても優秀。
なにせ、必要ないと思われる裏面にも芯材がなく裏も表も純白真っ白!
いや、もちろん裏ものぞけばわかるんで、私の様な偏屈ものがお客様として訪ねてきた場合には裏を除かれない様にしておかないといけませんが(笑)、これはその心配も無し!

栃純白テーブル 1

それに栃特有の縮み模様もあり、至れり尽くせり。
しかもうまく仕入れる事が出来たので、非常にお求めやすい価格で販売させていただくことが出来て、お施主様ラッキーです。

本当はもっと儲かる・・・基、高価になってもいいのですが、そこは気に入って下さった想いに応える気持ちで納品いたしました。

栃純白テーブル 4


納品前に、足を取り付けて仮組み。

実はこのテーブル、純白だけが売りではないのです。
この脚も売りの一つ。
いや、売りではなくこだわりです。

普通はテーブル天板にさかれる予算が大きいので、脚には大きくこだわることがないのですが、今回は私の方からお任せでさせてもらうという提案で、地栂の芯去り材の、それも共木と呼ばれる一本の木から取り合わせた木材で製作させてもらいました。

日本の栂自体が珍しいのに、一本の丸太のおなじ部分から4本の脚を採りました。
木目もめちゃ綺麗です。

これは意地というか、このテーブルに負けない陰のヒーローを作っておきたかったのです。
そうすれば、お施主様も天板以外のところでさらに自慢できますし、脚を見せつけてさらに、裏側も純白をアピールできるし(笑)。

栃純白テーブル 2

 

ここまでしたので、お施主様にはやはりそのルーツを知ってもらおうと、おせっかいながら少しだけ栃と栂のご説明をさせてもらいました。
家具屋さんではなく、入りにくい雰囲気の(汗・・・)街の材木屋を訪ねてきてくださったのです。

なんとかお気持ちに応えることと、ただの無垢材ではなく想いとストーリーのある天然木のテーブルになるように・・・

搬入で訪れたお宅は想像通りにとってもおしゃれ。

建築家さんにご依頼されたそうで、とってもすっきりなのにオークのフローリングや随所の木材が柔らかい雰囲気を出してくれる場所。

そこに栃のテーブルが仲間入りしました。

栃純白テーブル 5

想像以上だ、と喜んで頂きお子様もとっても嬉しそうにすべすべと触ってくれました。
これからご家族でオイル塗装されるそうです。

一層、栃の杢が光るのはもちろんのこと。

これから数十年、ご家族と末永く過ごしてほしいものです。
やっぱり喜んで頂く木の仕事って、素晴らしい。

そう感じる、久しぶりの無垢一枚板テーブルの納品でした。


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人工の天然美 〜花脊の天然伏条台杉〜

千年の都、京都。

自身が隣の大阪にいても、やはり京都は少し特別な場所。
もちろん、奈良も歴史をみれば特別なのですが、京都の文化や特有の土地柄などは他の地域とは少し異なったものがあると思うのです。

その京都市街から北、鞍馬寺の更に北にある花背地区に今回お目当ての杉が生きています。
今まで紹介してきた杉の巨木の中には、まっすぐに美しく聳えるもの、特異な樹形をしているもの、根に特徴のあるもの、最大・最高のものなどなど、色々とありましたが、今回紹介する「天然伏条台杉」は以前に紹介した「21世紀の森の巨大株杉群」以来の衝撃でした。


台杉や株杉といわれる、地面から立ちあがる1本の主幹に対して、多くの細い幹が伸びているものがあることは御存じでしょうか?
現在でも、日本庭園の中などでは見る事が出来る見事な仕立ての杉ですが、以前から「磨き丸太」と称される、綺麗に皮をはいで表面を磨いて丸太のまま使用する木材が生産されてきましたが、特にその生産が活発だった京都の地域ではより効率的に磨き丸太を生産出来る様に「台杉(株杉)」と呼ばれる手法を用いていたと言われます。

実際にその姿を見た私は、なるほど効率的!と納得するとともにとても人工的な形に、少し違和感を覚えてしまいました。

しかし、現在では丸太を使用する建築が少なくなるとともに用途が減少したこともあってか、おそらく台杉は精力的には生産されてはいないのではなかろうかと思います。
そんな中、人里の奥の山中に想像を超える台杉が存在しています。

偶然か必然か。
実は、見事な天然伏条台杉は個人の方の所有物です。
その為なかなかお目にかかる機会はないだろうなぁ・・・と思っていた矢先に、丁度その台杉に逢いに行くという山登りツアーを発見。
これはやはり必然だ!とすぐに申し込み、当日駆け付けたわけです。

するとどうでしょう。
目的地の遥か手前でこんなものが・・・

花脊の天然伏条台杉 7

まだまだ歩いていません。
入り口です。
出迎えてくれているかのように、腕を広げて、まるで太陽の塔の様です!
一体どうなるのやら?
これを素通りするということは、相当すごいのか・・・

と思ってブツクサと独り言を言いながら歩いていると、またこんなのが・・・

花脊の天然伏条台杉 8
 

あきません。
もう、いちいち反応しているとキリがない位に、これくらいの大木奇木がそこかしこに・・・
これらを見ないふり(一応見るんだけど)をしながら、少しずつ勾配のきつくなるけものみちを登っていきます。
もう少し楽なハイクかと思っていたのですが、予想以上に険しいし距離がある。
デスクワークですっかりとなまった体には厳しい・・・
縄文杉に逢いに行った健脚はどこへやら・・・・
そんなことを思いながら小1時間ほどか歩き、茂みを分け入った先にやっと出逢えました!!

花脊の天然伏条台杉 1

どのような状態か、写真から想像できるでしょうか?!

燃え立つ炎が静止画になったような、登山中に見てきた今までの奇木が普通の樹木のようにでも思える様な、異形がそこにありました。

花脊の天然伏条台杉 10

かなり傾斜のある場所にある為、眺める角度によってその姿は大きく変わります。
そのため、様々な角度で撮影を!と思うものの、実際の現場は台杉保護の為ロープ柵がめぐらされている(当然)ことと、下草が繁茂しているために思ったよりも写真に収めづらいのです。

また、全体像を捉えようとして引き気味に構えると、今度は周囲の樹木が映りこんできてうまくいきません。
そのため、広範囲にわたるロープ柵の周囲を歩きながら少しづつアングルを探っていきます。

花脊の天然伏条台杉 11

そう、下側からはこんな感じです。
道にロープがあるのがお判りでしょうか。
これを手繰ってもぼるくらいにきつい傾斜!
本当は、このアングルから撮影したいのですが、ここも繁茂に邪魔されてしまってうまくいきません。
いや、これが自然。

この天然伏条台杉、このような姿になるには数百年の時間は必要だと想像しますが、周辺の杉を伐採した時の年輪から推定された樹齢はおよそ1000年だそうです。
その数字を聞いても特段驚きませんよね。
だって、この姿だもの。

しかし、いつからこのような姿になったのかは、とても興味深いところです。
人間が関わった記録が残る植林はおよそ400年〜500年前。
もちろん、それ以前にも様々な理由で植林や森林利用があったとは思いますが、もし現在知られているような人工的利用の台杉として生き延びてきたのなら、過去の人たちはどのようにしてこの台杉と付き合ってきたのか、不思議なところです。

花脊の天然伏条台杉 2

解説板などがないので、市の指定の文言から引っ張ってきた数値を参考にすると、樹高は20m程で、さほどの高さではないものの、胸高幹周が18,35m!ということで、単純にどこまでが主幹(?!)なのかと思わせる様な幅広さが印象的な個体です。

こんな状態の樹木を指して、胸高幹周というのもおかしな気がしますので、参考程度に。
しかしながら、もし名前の通りの伏条杉ならば、どの幹(枝?!)をとっても自分自身なわけで、それこそ桂や公孫樹の巨木に見られるようなヒコバエと考えれば、目撃した本人の感覚的な印象だけで、公表数値はどうでもいいようにも思えてきます。
(もちろん、文献保存的には価値があるのですが。)

しかし、本当に迫力がありますね。
巨大株杉群もそうですが、この姿はどう考えても自然の造り出した迫力としか言いようがありません。
株杉群との違いを強いていうのであれば、株杉群は立ちあがる主幹がある程度はっきりとしていること。
それに対してこの台杉は地上からの主幹が余り目立ちません。

花脊の天然伏条台杉 3

それがおそらく伏条更新(枝が地につき分身を作る手法)だからなのだと邪推するのですが、通常台杉というのは(この姿で通常、というのもおかしいけど)主幹の上の部分を切り取ることを繰り返していくものなので、主幹が残っているはずですが、この伏条台杉はやはりそういった傾向が見えづらいので、伏条更新にて大きくなっていったのでしょう。

いろいろな記事の中には、主幹上部が伐り取られることで萌芽更新したものだ、という見解もあります。
しかし、主幹がなくなっても幹から芽吹くその手法は、針葉樹では一部の例外種以外ないはずですから、もし上部がなくなった影響を受けて自然がこの造形美を生んでいるとしたら、針葉樹に多い「頂芽優勢」という性質が働き、成長点を失った時にもっとも優位な幹(枝)が伸びることが続き、このような樹形になったのでは?!と素人ながらに夢見ているのです。

花脊の天然伏条台杉 4


伏条更新を見せるこの台杉は言うまでもなく「芦生杉」と思われますが、この姿を見るとつくづく植物の生き抜く力やその品種の特性の優位点というものを思い知らされるような気がします。

とにかく素晴らしい自然の造形美を見せてもらいました。
もし、これが人々の生活とともにあった木々で、その手を離れて数百年以上生き続けているのだとしたら、今というほんの一瞬を生きる自分とは一体?・・・と自身に問いかけたくなる、そんな空気の中に居ました。

そんな禅問答のようなことを心の中で繰り返しながら、伏条台杉を後にしたのですが、どうも出口はすぐにあったようです。


花脊の天然伏条台杉 13

あぁ、問答の出口はここか!

否、冗談です。
しかし、思わずここをくぐると先の問答の答えがあるようで、いや、きっと自分の進む道の入り口に差し掛かったかのようで、自分の目の前に現れた異次元への扉をくぐって下界へ戻っていくのでした。

花脊の天然伏条台杉所在地

京都市左京区話せ原地町 個人所有の山中

*必ず守っていただきたい事

文中でも書いている通り、今回紹介している天然伏条台杉は個人所有の森林の中に位置しています。
そのため、所有者の許可なく立ちることはできませんので、所有者主催のイベントなどの機会が設けられているときに、許可を得ての入山をお願いします。
記事についても、なかなか訪れることのできない台杉を少しでも多くの方にお伝えする趣旨ですので、無許可の訪問は控えてくださいませ。



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