大阪の本物の木材を追求する材木店のページ
空を見上げて

今年度の伐採木の下見 今年もスタートです。

7月に、大阪研修の様子をお伝えした弊社の伐採企画ですが、2018年度の伐採に向けての伐り旬がやってきましたので、今年も選木に行って参りました。

下見4


いきなり出てくるのが、「こんなに曲がりくねっていて、使い物になるのか?!」と思われる木々。
スギやヒノキで垂直に気持ちよく成長しているものもある中で、やはり被圧されたり他の木に負けそうになっていたり、若しくは頑張って成長する為に光を求めてさまよっているものもいます。

そんな中を、今回も学生さんと一緒に、山の中の立木を見て回ります。

そこに、目移りするような通直で綺麗な材がいきなり飛び込んできます。
見上げた青葉と樹皮の対比の美しいこと!!
上を見上げて口をあけたまま、見とれてしまいます(笑)。

下見5


しかし中には、こんなに曲がっているのにどうしてそれがいいの?!と、普段はまっすぐで素直な原木生産を目指す頭が、理解不能な?マークで一杯になるようなものを見て「これはえぇなぁ!!!」と言ってみたりして、歩いていきます。

もちろん、その理由もきちんとお話します。

下見6


といいながらも、この写真。
驚きませんか?!
どこいくねん!こいつはっ?!?!

普通ならばこのような木、残ってないと思います。
人工林やその近くではいろんな理由(大人の?!)で意図的に残す場合を除いて、確実に「排除」されているはずです。

しかし、私たちはこれを「えぇやんかぁ!!これ!」と、近寄っては眺めて喜んでいるのです。
生徒たちの頭にはおそらく「やっぱり、大阪の人達は少しおかしい・・・」と思ったはずです。
昨年、木材の用途や曲がりについて少し授業をしたとはいえ、実際にこの曲がりを見ると驚くはず。
皆さんもそうですよね。これ、どうすんの?!って。

なので、きちんとこの木を選木した理由を説明するのです。
それで、やっと納得。(それでも、いつもの通直木の選木は何だったのか?!と思っていると思います。)

選木の前後には、こうやって寸法を測ってくれます。

下見3


今回も、直径的にも立派なものが多すぎて困ってしまうくらいでした(汗)。


普通の材木屋ならば、太くてまっすぐで節の無いもので・・・・というような選木基準になりますが、この企画は別。
ほっそりしたものでも、まっすぐでなくても、節があろうとも、住宅の部材となった時の機能性や美しさ、そしてなにより今現在の育った環境に合わせた使い方を考えながらの活用になるので、四角くい材木になって綺麗かどうか、が基準ではないんですよね。



しかし毎回の事乍、とってもいい曲がりの材がたくさんあり過ぎて困ります(笑)。
もちろん、通常なら喜び勇んで使いたい通直材ももちろん。
そして樹齢も100年超えクラスがいくつも・・・
零細材木屋にとっては、一度には使いきれませんがその分、少しづつ大切に、授業を兼ねて活用していきたいと思っています。
そしてすこしづつ輪を広げて、手刻みの大工さんや山と材料の本質を知りたいと思う大工さん、お施主さんを巻き込んで大きな流れを作っていくつもりですので、今年度以降も御期待くださいませ〜!!


下見1



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材木屋と行く森林ツアー 2018山陰編!! 

今回のプチツアーは、少人数だからこそ出来た企画です。

本来人数がおおければ、私がタイムキーパーになり現地の人達に説明をしてもらって、時間になったら移動する、ということを繰り返すところですが、組んでいる予定時間も大まかなもので、じっくりと過ごすところはじっくりと、聞きたいことは聞いておく、といったことができたのではないかと思います。

山を見る、ということにはいろんな意味があると思いますが、山で施業するのではなく木材を扱う私だからこその視点でお話ができること。

ツアー18


そして、訪問地だけではない他の地域での事やその違いを、その場で同時情報として得ることができること。
今回の大きな隠しテーマであった「林業地の過去・現在と未来。そして取り組みの違いによる木材の違い」を、感じてもらえたのではなかろうか、と思っています。
お伝えしたいことが多すぎて、情報過多な部分もあったとは思うのですが、基本的な事も含めて木材も森林も林業も、多くの情報と知識が必要とされます。
その情報すべてが散在していて、集めて咀嚼して理解するのがとても大変なのです。
だって、山の人に建築や木材となった時の性質を聞いても分からないし、街で木材しか扱わない立場の人は、林業や山の事の本当の事情はわからない。
情報が一元的ではないことと、きちんと翻訳して伝えられる人がいない(機会がない)からです。
それらをすべて網羅するのはとても大変ですが、知ろうとすることはとても大切です。
私がそれらの情報を得るのに、とっても永い時間と労力を必要とした(今でも途上・・・)ことを考えれば、「知りたい、学びたい、取り組みたい!」と思っている方には、できるだけ平易に素早く、わかりやすく伝えていきたいのです。

伐採や他の企画ツアーでも同じことですが、伝えていくことの大切さを近年とても強く感じているからです。

ツアー22


もちろん、今回参加のメンバーは(来られなかった方も含め)皆さん、とっても勉強熱心でこれからの事を真剣に考えている人たちです。
だって、宿泊込みで2日間も仕事を休んで、材料のことではなくその元となるものを知ろうと集まってくれるのですから。
当然その分、木材コーディネーターである材木屋の自分にしかできない内容でお連れしているんですけども・・・
そういう意味ではいつ売れるのか、若しくは商品としてのつながりができるのかもわからない様な状態でアテンドするこの材木屋も、相当熱心だとおもいますけど(笑)・・・


仕上げに、こちらも普段皆さんはいくことない原木市場をご案内。

ツアー20


うわぁ・・・この桧。大きい節あるけども元気そうやし、木目も綺麗。えぇなぁ!!
ってな感じです。
辺材も綺麗だし。
というようなことを、原木市場でみていきます。
現地の製材の人がどんなことを見るか、とか自分ならこれよりもこっちを買う、とかそんな話を交えて大量に並んだ原木を鑑賞しました。
もちろん、ここでも事前に見た山の情報は生きてきます。
そうか、これはこんなかんじだったかな?!とかね。

限られた時間でしたが、木材の流通の一通りを見て来ることができました。
今回はメンバーといくことで、自分だけでは気がつかなかったことも含めいろいろと楽しいこともありました。
そうです、私が一番楽しんでいましたね。確実に。
いいんです、いつもそれが目的・・・基、楽しいと感じてもらえるツアーは、自分も楽しいと思えるものでないといけない、それをモットーに取り組んでおります。(本当に・・・)
そういう観点からすると、大満足のツアーであったと思いますよ。

交流を通じて、山側もいろいろな事を吸収してもらったと思いますし、参加メンバーにも喜んでもらえたことと思います。
今回の地は、森林セラピーを行っているほどの山があるところ。

しかし、私たちにはセラピーがなくても十分に刺激的で魅力的で楽しいツアーになりましたとさ・・・


さぁ、メンバーのみなさん!新しい木材活用を探る夜明けぜよ!!

ツアーの朝

 
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材木屋と行く森林ツアー 2018山陰編!! 

通常、材木屋が紹介したいとすれば本来はこちら。製材所でしょう。

私の様な街の材木屋さんは、ほとんどの場合は丸太を仕入れているのではなく、既に製材をされて四角くなった「木材」を仕入れている場合が多いので、前回までの様に、丸太を見に行くということは非常に稀です。
だから、私は行っているんですけども・・・

もちろん、材木屋がもっとも扱い易い商品となったものを見ることができる製材にいけば、大工さんも設計者も、物件の完成具合が想像できてよいと思いますが、商品を紹介するだけであれば、商社さんの方が上手ですし建材メーカーさんのほうがとっても綺麗にプレゼンされますから、私がする必要はありません。

ということで、普通ではない製材所見学をします(笑)。

ツアー14


これはどんなことをしているのか、どのような用途か。
もちろん、そのような質問もあるのですが、製材所の特徴や取り組み、そして大切なことである「どのようにものづくりをされているか」という事を交えながら、実際の商品となる過程や、商品を生み出す機械、そして木材製品そのものをみることで、バラバラだった情報がひとつになって、「こういった木材をこのようにつかえばいいのか」や、「これができれば、こんなことができないかしら?!」というような発見や気づきにつながると思っています。

それに加えて、立木での「欠点」と言われる部分を知ってもらうことで、木材になった時の表情の違いにも理解が生まれますしね!

それを感じてもらうためにも、最初に立木と山を見てもらうことは大切で、どのように育って伐り出し、どんな状態だからどのような丸太からこんな木がきるんだ、という事を整理できれば自ずと、自分が欲しい木材の形が少しづつ見えてくるような気がしませんか?!

ツアー13


製材所で製品を見ることで、雰囲気はわかるとは思いますが、無垢の木材はその一部分だけでは全ての情報を把握することができません。
その為に、「違い」を知っておくことで自分なりの判断基準が生まれます。
その道筋を立てやすくするのが私の役割で、出来上がった製品のスペックだけを上手に論じるのではなく、言葉はヘタクソかもしれませんが、商品となる木材のそれぞれの違いや見るべきポイントを交えながら、製造の過程をみられるということは、なかなか無いことだと思います。

そこに、わざわざ旅行ツアーではない、「材木屋と行く森林ツアー」の意味があるのです!!(と信じています。)
山の事から製材の事、そして木材そのものを通した建築の事まで・・・
つながりを持って伝えていける、それが木材コーディネーターである私の仕事です。

ツアー15
 


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材木屋と行く森林ツアー 2018山陰編 無事終了!! 

私も今まで、いろいろな形のツアーに参加していますが、木材関係や産地視察というと主催者はどうしても「お手本のようなもの」を見せたくなりますし、参加する側も「期待通りの素晴らしいもの」を見たいと願う。
そんなものだと思います。

しかし、私はそんなことはしません!
実際にしていることと異なるものを見せても、後々に期待とのミスマッチがおきるだけですし、私自身も今までに様々な形で「見てきたものと、何か違う」という違和感を持ってきました。
その為、私は必ず「テーマやストーリー」を持って企画に挑みます。

ツアー17


今回も密かなテーマがあるとは知らずに、参加の皆さんは熱心に今目の前にある情報の取得に励んでもらっています。
あたり前ですが立木にも年齢があり、それにより太さや状態が異なりますが、大径木の聳える山もあれば、まだまだひよっこのところもある。
それに加えて、決して美しいと言えない山もある・・・・

木材を使う側からすれば、年輪が揃っていて色がよく通直で、素直な材を求めますがそんな立木ばかりではありません。
実際に見ている中で伐り出す立木の多くは、良質なものばかりではありません。
様々な質のものが混ざります。
「産地」という冠は、いつでもどんな所からでもすぐれた木材を生産する、というイメージがあるかもしれませんが、必ずしもそうではない。そしてそれも産地が抱える課題の一つである、と思うのです。

そんなことは、話しても気がつきません。
実際に伐り出したものを見てもらうのです。

ツアー11


じっくりと眺めて・・・

ツアー10


それぞれ各人が、自分の思っていることとの違いや不明な事、それらが頭の中で入り混じりながら処理をしている状態でしょうか。
迷って考えて、イメージとの整合性を探す・・・
普段見る木材ではない、丸太や立木。
それを基に、自分たちの活用を考える。それが木材を使うということだと思いますが、彼らは何かを会得してくれたでしょうか・・・・


山を見た後は、丸太の○が木材の□になる製材所へgo!



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材木屋と行く森林ツアー 2018山陰編 無事終了!! 

怒涛の週末出張の連続の中で行った、「材木屋と行く森林ツアー 2018山陰編」。
その様子を少し報告しておきます。
(週末に遊び呆けているわけではない証拠・・・汗)

以前からも少し話題にしていましたが、今年は頭の中で考えていたいろいろな事を前にすすめようと、この秋をめがけて企画をしていたのですが、大阪府北部地震や相次いで襲来した台風の影響で、余裕を持ってすすめていたものが全く余裕が無くなってしまって今日に至っています。

その為、無理やり組み直した過密スケジュールの上で動いているので、不在その他で御迷惑をかけていることもあるので、その分出張で得たものを少しでも多くフィードバックしたいと、いつも以上に意気込んでいます。

ということで早速ですが、今回のツアーはとっても小規模な「身内ツアー」にしました。

ツアー2


木材や建築、そして山の事までを吸収しようと熱心な精鋭のみを選りすぐり(笑)、モデル的に素晴らしい山や商品をみてうっとりするようなものではなく、現実を直視し自分たちがすべきことや伝えるべきこと、そして山を知りその意見を聞くことに重点を置いています。
「産地直送の、流通経路の中抜きで安くなる!」的な広告宣伝販売に陥るのではなく、産地の中で起こっていることや困っていることなどの実情を知って、その上で現地で意見交換を行って意識の共通化を図るのが目的。
実際の木材製品はその後です。

皆、商売ですから単価や納期も大切ですが、関わる人や原料となる木や山を苦しめての安さには、全くの意味がないですから・・・・


ということで、前置きが長くなりましたが、そういう趣旨でおこなった「材木屋と行く!!」森林ツアーです。
先ずは山を見ること。

ツアー1


山を見て、何がわかるのか…自分たちは木材を使うわけであって、生きている丸い形の樹木を見ても、全く意味が無い。それなら早く製品市場や製材所に行きたい!時間の無駄だ、そう思うかもしれません。

しかし、先にも書いた様に自分たちの使う木材は、その山からきています。
植え(タネが落ち)育て、伐採して運搬され、競りにかかり四角い木材になるまで、多くの手がかかり、その中にも特有の課題や問題がおおくあるということ。
それを知るには、いくら話をしても伝えきれません。行くべきです。
それも、実情を知る人や実際に施業等にあたっている人と共に。
そうすることで、生の声を聞き現地を体感し、五感で問題意識を共有することができます。
ですから、私が引率をさせてもらう時は可能な限り、産地=直接販売所、ではなくそのものの根本を形成する場所(ルーツ)として感じてもらえるように考えています。

また、単にモデルを眺めるのではなく課題を共有することが大切なので、山といってもパターンの異なるところに廻ったりもします。
比較することで見えて来るもの、あると思いませんか?!

山のプロ!とまでは到底いきませんが、材木屋として多少の森林や植生の知識を持ち、なおかつ「山の立木を前に、これが材木になったとしたら」を話すことのできるのが、私のアテンドの一つの特徴。
すぐれた立木を見上げて「綺麗ですね〜!」では終わらせません(笑)。周辺環境や見るべきポイント等を、山の人とは全く異なる「材木屋ならではの視点」で語ります。
たんなるお楽しみツアー、なら旅行会社に頼めばいい。
そうではなく、専門知識をその場で共有できるという事が、私が引率する最大の利点であると信じています。


夏に行った大阪研修もそうですが、木材と森林を知る「私にしかできないツアー」の真骨頂が始まったばかりです。

ツアー4



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急ぐ!で困る カットサンプル編

いつもいつも、また投稿にも出来る限り無垢の木材の表情の違いを掲載しているつもりですが、伝えきれない場面は多くあるものです。

その中で希にあるのが、「とりあえず、カットサンプルだけでも至急おくってよ」というものや、「担当不在でも、カットサンプルだけ見に行くから出しといてよ。」というケース。
確かに、私もいつも留守がちではあるものの、無垢の木材については「とりあえず」とか「カットサンプルだけ欲しい」というものには対応いたしかねるのです。 
横柄な様ですが、それらだけではほとんど意味をなさない場合が多いから、そうさせてもらっているのです。

そんなことを考えていると、今日サンプルを整理していて偶然にも出てきました。おあつらえむきなややこしいカットサンプル(笑)。

カットサンプル3

これを見て、写真だけでわかる人はすごい!
というよりも、私も他の人が投稿していると分からないかもしれない、この違い。
実は、樹種が違います。
もう少し分かりやすくするために、左の材に同じ樹種の違う部分をカットしたものを合せてみましょう。

カットサンプル2

これなら少し判別できます。
それにしても、左が同じ樹種のカットサンプルか?!と思うくらいに異なりますが、その通りです。
同じ樹種でもそれくらい違うのがカットサンプル!!
どうだ!参ったか!!というくらいに違う。

左のサンプルは、特徴的な黒い縞の入る木材ですがやはりカットサンプルではよく見ないと分からないかもしれません。
大きな面積を貼りあげると、かなりの違いが出るのですが、カットではこんなものです。

往々にして、至急やとりあえず、の方は無垢材に無頓着な方が多いので、後になって双方が苦労することを防ごうと思うわけですが、今回も上記の写真を見て、「カットサンプルだけ」ではなくきちんと対話問い合わせをしよう!と思って頂ける事を望んでいます。

急ぐ!と聞くと身構えてしまうカットサンプル編。御理解いただけましたでしょうか(汗)・・・

カットサンプル1



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レクリエーション番外編 〜赤西の先代杉〜

今回の散策での大きな目的のうちの一つに、以前から名前は聞いていた数々の巨樹に逢うということがありました。
以前より所在は知っていたものの、渓谷沿いの森林の中にあること、そしてなにより国有林ということで、敷居が高いように感じていたのですが、そこは渡りに船。
もちろん、散策もしたかったのですがやはり、巨樹探訪家(?!)としては「そこに巨樹があるから!」的に遭いに行きたくなるものですから、今回誘っていただいた企画は本当にありがたかったのです。

そこで出逢ったのは、この森林セラピーロードの主役的存在になっている様子のこの姿。

赤西の先代杉1

赤西の先代杉。
小さく見えている看板に「天然スギ」とありますが、ここに来るまでの遊歩道(昔の森林軌道の跡らしい)には、スギの植林場所も多々あり、それらと区別するためにわざわざ表記しているのかと思いますが、言われなくても・・・的な姿を呈しています。

周囲が広く開けたところに、2本のスギが並んで立っているさまは、一目見た時に「杉の大杉」を連想しました。
スギの巨樹の場合は「三本杉」や「二本杉」ほか親子杉などのように、二本や三本が結合したようなものが少なくないですが、この二本は完全に別個体で存在しているものの、見事に並び立っているさまはとても立派です。

赤西の先代杉3


また、いつものような街中でもなく人工林の中にポツンと残った天狗杉のような存在でもなく、国有林の広葉樹の森の一部に縄張りを持っているかの如く残った姿は、単なる巨樹というだけではなく自然の中の摂理の流れの一部分を見ているような気分になります。

その理由は後程明らかになります。

実は、写真には写ってはいませんが先代杉の周りには立ち入りを制限するロープが張られています。
張られている、というか落ちてしまっていて地面にひかれている、という格好ですが、ここもやはり観光なのかパワースポット扱いなのかで、訪れる人が増えた時期があり人為的に縄をされたのだそうです。
一説には樹齢400年ほどという事ですが、それにしては少し樹幹に元気が無いように思いますが、環境の為か人の影響もあってか・・・?! 

道の駅などに出ている写真では、大勢で幹を囲む「お決まりポーズ」の写真があったので、いつもの「昌志スケール」を楽しみにしていたのですが、今回はお預け。

赤西の先代杉5


まだまだ元気!という姿ではないのかもしれませんが、風格は十分。

しかし、平坦なトレッキングにて訪れることができる見事な針葉樹と広葉樹の共存する森で風格を醸し出しているのは、もしかして先代杉そのものだけではなく、その周りに存在する広葉樹たちの緑と、そしてそれらに時代を譲った「先代の広葉樹」たちの姿でしょう。

赤西の先代杉2

私、このアングルがとても好きです。
向こうに見えているのが先代杉ですが、大きな倒木が数本折り重なって、そこに苔が生え、さらにその周辺に新しい生き物が生まれようとしている。

自然の縮図がとてもよく表れているような・・・

忘れてはいけないのは、国有林ではあるものの昔から人の関わってきた森だということ。
製鉄の跡や植林も行われた部分もあるなど、広葉樹と針葉樹の混交林であり人とのかかわりの大きな森の一部なのです。
そこで、こんな大自然のサイクルのようなものを感じることができたことに、とても喜びを感じました。

ただ先代杉の大きさをみて、「パワーだ!」というのではなく、大きく息を吸い水の流れや葉っぱの音をきき、草を踏みしめる。
それこそが、森が与えてくれるパワーだと思うのですが・・・
その縮図が上の写真の様な気がします。

まだ紅葉には早い、心地いい緑と黄色の森で貴重な天然杉に逢うことができました。
山と一言に言っても、やはりいろいろなタイプがあり、それぞれの営みがある。
それがとてもよく見えた、今回の散策となりました。
 

赤西の先代杉4

赤西の先代杉

兵庫県宍粟市波賀町原 赤西渓谷国有林 森林セラピーロード内

渓谷途中までは車両にて行くことができますが、途中より30分ほど徒歩
(立ち入り制限のある国有林内ですから、必ず事前に許可を得ての訪問をお勧めします。)


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過密スケジュールの間にちょっと一息・・・もやっぱり山へ

今年度はやる気を出して、通常よりも欲張って出張やイベントを詰め込んだのですが、そのお陰で出席したい会議は重なるわ、研修も重複するわ、深夜出発の深夜帰宅が続いて寝不足になってフラフラになるわで、分かっていた事乍ここにきて少し体が疲れていることを感じます。
「寝溜め」できなくなって久しいですが、年齢の影響で体力の回復も年々遅くなり・・・・


という感じの毎日なのですが、唯一空けていた出張帰りの翌日にもまた予定を入れてしまいました。
山です、また山ですね(汗)。
とはいっても、今回の山は仕事での伐採や製作の下見の山ではなくて、レクリエーションの山!!


前から行きたかった兵庫県の赤西渓谷の散策会に参加してきたのです。
本当、もう少し遅い時期であれば紅葉が見事だったはずなんですが、そんな贅沢は言いません。
この赤西渓谷周辺の人里近くには、以前から南の宍粟市や北の八頭郡まで、南北には多くの巨木もあり、国有林であるこの渓谷には踏み込んでみたかったのです!

ということで、行ってきました。

渓谷の天然林4


通常の朝集合でしたので、滞在時間は永くとれないものの貴重な自然の姿を見ることができました。
せせらぎとともにある、針葉樹と広葉樹の混交林。
様々な種類の樹木や草木を見ながら、ゆっくりと進みます。
山は好きですが、登山というほどの経験もなく、蛇(毒蛇、遭遇しました・・・涙)も蜂も、もちろん熊がとっても恐ろしい私にとっては、このような機会に参加できたことはとってもありがたかったです。

渓谷の天然林6

こんな苔むした岩と、その上にたくましく育つ樹木たちの姿は自然林や天然林に多いと感じる風景。
植物の多様性を感じます。

そのうえ、樹種によっては黄葉のすすんでいるものもあり、林道の中でもひときわ甘い香りを放つものもあります。

渓谷の天然林2


カツラです。

すぐにわかるその香りと、きれいな黄葉。
巨樹巡りではいつも肩透かしのカツラの黄葉ですが、今回は黄葉のみしっかりと拝むことができました。


知らなかったのですが、赤西渓谷は森林セラピーの場所としても知られている様で、森林セラピーロードも整備されています。
いつもは針葉樹の人工林に関わる機会が多くなっているので、久しぶりに豊かな初秋の広葉樹のある山を満喫しました。

森林の利用という側面も大切な時代ですが、山というものは木材の生産の為だけにあるものではありません。
こういった山で、木々や自然と人とのかかわりというものを、もう一度見直す機会が多くあるといいなぁ、とサワグルミ君とともに昼食をとりながらに感じました。

渓谷の天然林5


伐採と森林の勉強会企画の後は森林セラピー企画か?!
いえいえ、本業から外れすぎますので、そこはいずれ余暇での取り組みにできれば・・・?!

どちらにせよ、気持ちのいい疲れを感じながらも癒された一日でした。

で締めくくろうと思ったものの、森林セラピーロードに認定されている遊歩道沿いに、思いもよらぬ出逢いがありましたので、次回は番外編としてその出逢いをお伝えしたいと思います。


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出張続きます(汗・・・)

9月はまだまだ暑かったものの、やっと本格的な秋空になってきましたね!!

近くの自然公園やドライブにでも繰り出したいところではあるのですが、今年はこの気持ちのいいシーズンに出張のオンパレード(自分で予定した・・・)が待ち構えています。
そのため、お問い合わせへの返信や御連絡が遅くなることもありますが、何とぞご了承ください。

10/19〜21
10/25〜28
11/1〜4
11/10〜11

等は長期になります。
今後の良いネタを作ってきますので、あたたかく見守って下さいませ(笑)。
他にもショールームご予約を頂いていますので、日程等は随時お問い合わせくださいますようにお願いします。



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無礼な想いもその躯ゆえ 〜伊丹のケヤキ〜

前回までのケヤキ特集を締めくくるのは、ケヤキ特有の大きさを主張するのではなく、少し失礼な想像を膨らませてしまうほどの特徴を持ったケヤキの巨樹、伊丹のケヤキです。

私がいる西日本では、ケヤキといってもそんなに巨樹のイメージは強くないと思われます。
もちろん、建築に精通している方は社寺においてのケヤキの用途を見ていると、大きな木であることは想像できるでしょうが、巨樹というイメージではありません。
もちろん、大阪府にはケヤキ巨樹の西の横綱である「野間の大けやき」が存在するんですけどもね。
訪れたことのある方は、その大きさを想像するかもしれませんが、それ以外ではそんなに大きい印象はないはずです。

そんな理由からも、ケヤキと聞いても巨大な印象をもって逢いに行くことはないのですが、この伊丹のケヤキはそんなサイズの事ではなく、材木屋としての視点で眺めてしまうケヤキでした。
その理由は一目瞭然。

伊丹のケヤキ2


見よ!この大きな瘤を!

前回の最後で、ケヤキの大きな特徴である「玉杢」を紹介しましたが、その玉杢がうまれるのは、こういったこぶの部分やそれに似た皮のふっくらと膨らんだ部分なのです。

そのため、もしやこのケヤキを製材して板や盤にしようものなら…というような想像をしてしまうのは、ケヤキの美しい杢を知っている方なら当然のこと・・・?!

もちろん、専門家から見ればこれくらい大きな瘤の場合は、前回の写真のような美しい杢は出ないかもしれないことを懸念されるでしょう。

伊丹のケヤキ3


板などの木材にした場合に、きれいな杢がでるものの多くは表面には大きな瘤はなくとも、皮の下側にひっそりと膨らみがあるものに、美しいものが多いと聞きます。

以前に自分で製材したものもそうでした。
ふくらみが大きすぎて大味な木目になったことと、外側、つまり木部のほうではなく皮の方が膨らんでいるために、板のほうにきれいな模様が出にくかったのだと思います。

必ずそんな法則ではくくれないでしょうから、一概には言えないでしょうがそんな目でも見てしまいますね・・・
罰があたるような気がします。
視点を変えましょう(汗)。


今回のケヤキシリーズでも触れた様に、現在のケヤキは街中に近いところで街路樹や公園木として見られる事が多いですが、元々は水辺に近いところを好む樹種。
そう考えると、この伊丹のケヤキは自分の生育環境にピッタリの場所に降り立った、稀有な巨樹なのかもしれません。
もちろん、その後の成長に関しては、さきほどの瘤が語るとおり、苦難があったのでしょう。

伊丹のケヤキ7


すくすくとまっすぐに育つというよりは、気候なのか虫害なのか、若しくは人の手によってもたらされた外傷によるものか?!
理由はわかりませんが、素直な通直なケヤキとは全く異なっているのは確かです。

ケヤキは建築材として優秀な理由のうち、幅広な木材を産出するという点もありますが、それに関してはスギクスノキなど他の樹種でも見られないことはありません。
しかし、それよりも広葉樹にとっては難しい条件となる「枝下が長く、通直な材がとれる」ということがとても優秀な点でしょう。
タモも同じく。
タモアッシュ)は神話で語られるほどの樹高の持ち主ですが、枝下が長いので昔から長尺用途の建築に使われる広葉樹としては、とても重宝されました。

またまた建築用途の木材としての見方に戻ってしまいますが、やはり木材として優秀であってこそ、樹種の中で冠たる扱いをうけるわけで、確固たる地位と名誉を得てきた理由となっているはずです。
旧家や日本家屋の民家などでは、300mmを超える様なケヤキの節なし大黒柱が6mを超える長さで家の中心にすわっている。
そんなところがまだ各所で見られるはず。

それが広葉樹の雄、ケヤキの姿です。

ですが、今回の伊丹のケヤキはそうではありません。

伊丹のケヤキ6


幹はボコボコ、枝葉旺盛に広がり、枝下はお世辞にも長いとは言えません。
訪問時は冬だったために、その葉を全て落としていたので姿がはっきりと見えていますが、もし葉がついていたらもう少し全体のボリューム感があり、余計と「低い傘」形状を感じたのではないかと思います。

当然、樹木は成長に余計なコストはかけないだろうし、余計なことはしないはずなので、写真の様に開けた場所で川もすぐそばであれば、上長成長は必要最小限で良かったのかもしれません。


伊丹のケヤキ8


そういえば、以前に紹介している独特な形?を持つ「木の根橋」も川べりでしたね。
同じ様な条件で成長出来たのかもしれません。
あちらも樹高はそれほどでもありません。
むしろ、その特異な根を維持するのに栄養を消費しているのかもしれません。
なにせ、土中ではなく川の上に「露出」しているんですものね。

この伊丹のケヤキの根は一体どうなっているのか。
そんな興味もわいてきます。

しかし、民家が近いとはいえ大枝や枝先が伐りとられているのは若干残念。
迫力も少し和らいでいる様に感じます。

そしてその影響かと思われる、新たな細い小枝が吹きだしています。

伊丹のケヤキ1


あぁ、そうか。
だから少し変な感じなんだ。
迫力を感じる幹にもかかわらず、どこか足りない様に感じるのは大枝が少なかったり、途中で失われていて若干不自然だから。

病木や枯れた影響かもしれませんが、全盛期?にはどの様な姿だったのか、想像してみると立派な姿も浮かんできます。
今後の成長がどの様になるものか、静かに見守れるような環境だといいのですが・・・


さて、ここでいつもの背比べ。

伊丹のケヤキ4

逆光、お許しくださいませ・・・(汗)。

やはり、こうして見ると葉っぱがほしい淋しさは否めませんが、独特の瘤をさすりさすりとしながらご満悦。
地表から湧き出そうになっているマグマだまりのような、エネルギーの塊の様なきがするその瘤に触れ、少し語り合った様な気になりました。


最後にここの地名、大阪に住むものとしてはとっても親しみを感じます。
それはお隣の兵庫県にも、その地名があるからです。
昔は大阪国際空港であった、通称「伊丹空港」のある伊丹市です。
どうしてもそれと重なり、関係の無い場所と思えないのは私だけでしょうかね・・・


伊丹のケヤキ9



伊丹のケヤキ所在地

茨城県つくばみらい市伊丹55近辺(小貝川対岸)

車通りの少ない道ですが、路上駐車になりますので邪魔にならない様に。



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木ぃクンmuku_mokuzai  at 13:15  | コメント(0)  |  この記事をクリップ! 巨樹・古木をたずねる | 木まぐれコラム