大阪の本物の木材を追求する材木店のページ
空を見上げて

日本の広葉樹シリーズ、清涼たもの記事を更新しました!

弊社では、未だにホームページに掲載されていない商品が多数あります。
威張っていうことではなく、追いついていないだけなんですが(汗)。

そんな中でも、拙ブログ記事でのみご紹介している商品にお問い合わせをいただくときがあります。
昨年あった「チ祭り」も、始めは拙記事で控えめに紹介していたチリ杉の記事を見つけられてからでしたし、今回更新をお知らせする清涼たもも、ホームページにはないものの、記事をご覧になっていただいての問い合わせですから、本当に有難い限り。

というのも、弊社は広告宣伝には費用をかけていません。
特に、インターネット広告やSEO対策と言われるものには一銭もかけていません。
不特定多数にアピールするのではなく、本当にこだわった無垢材を探していて、私が思う無垢材に対しての想いを共有して頂ける方にのみ、見つけて頂ければ・・・と思っているからです。
特に、特殊な木材に関しては大量に供給する事が出来ませんし、一度に複数のご注文を頂いてもお断りすることになることが心苦しいからです。


そんな検索では出てきにくい(と思っている)弊社を見つけて頂いてお尋ねいただく商品の中で、今回はじわじわと人気を頂いている日本の広葉樹シリーズの、清涼たもの記事を更新したことをお知らせします。

更新したのは、清涼たも無垢一枚物羽目板の記事。

清涼たも一枚物羽目板 1


大きな更新点は、長さ910mmを追加したこと。
たも材は広葉樹の中では比較的容易に長さの長い商品を生み出しやすい樹種です。
それを活かして、一枚物フローリングや羽目板を製作していますが、材の有効活用としてやはり短いものもできてくる。
それを活かすために、新たに910mm品を追加したのです。

実はこの長さ、羽目板の用途の一つである「腰壁」に使われるサイズなのです。

壁の長く広い面積に貼り延ばすのではなく、床から900mm位の高さまで縦向きにはる。それが腰壁。
以前からある用途ながら、近年改めて無垢材での腰壁製作するご希望を頂く場面が多く、広葉樹を望まれる場合も多くあるため、せっかくの長物をカットするのではなく短いものを有効活用するという観点で使える長さを追加した、というわけです。


清涼たも無垢一枚物羽目板

腰壁の上を塗り壁で仕上げる。
無垢材と左官塗り。
非常に相性の良い組み合わせですから、そんな楽しみ方もおすすめです。

そうです、弊社はその塗り壁材である珪藻土系建材も販売しています。
まだ記事にはしていませんが、化学物質によるものではない天然素材のみで構成された珪藻土左官材。
それを使っていただくのが非常に良いでしょう!!(笑)。
リーズナブルな価格で左官塗り壁仕上げが実現でき、非常に吸放湿性能も高いという優れもの!!
おっと、そのアピールは後日します。

日本の広葉樹の活用以上に、インテリアのアクセントに出来る清涼たもの羽目板の追加サイズ。
是非、活用してみてくださいね。
貴重な柾目も!、ありますよ。


・日本の広葉樹シリーズ 清涼たも(せいりょうたも)幅広無垢一枚物フローリング(板目)はこちらから

・日本の広葉樹シリーズ 清涼たも(せいりょうたも)幅広柾目!無垢一枚物フローリングはこちらから

・日本の広葉樹シリーズ 清涼たも(せいりょうたも)無垢一枚物羽目板はこちらから

日本の広葉樹シリーズ、以前にご紹介の清涼楢(せいりょうなら)幅広無垢一枚物フローリングはこちらから。
清涼樺(せいりょうかば)幅広無垢一枚物フローリングはこちらからご覧ください。


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・その他の無垢フローリング・羽目板ラインナップはこちらの記事下段から
・無垢フローリング・羽目板の一覧はホームページからどうぞ

*2019年以前のリンク表示をクリックしても過去リンク記事が見られない場合は、こちらの手順でお願いをいたします。
*消費税10%への改定前、2019年9月以前の記事の価格は旧税込み価格となっています。お手数ですが、ご連絡の上正式なお見積の依頼をいただけますようにお願い致します。(ホームページ価格も改定が間に合っていない物もありますのであしからずご留意ください。)


 木のビブリオが、それぞれの木が持つストーリーとともに、こだわりの木材をお届けするブログと、稀少木材・無垢フローリングのホームページです。

・樹種別無垢フローリングのブログ記事一覧 
http://muku-mokuzai.livedoor.biz/archives/1611916.html

・戸田材木店・セルバのホームページ
http://selva-mukumokuzai.jp



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無垢材には貼らないで!!

ものすごく簡単なことだけどもできないこと。

それが、無垢材にはテープを貼らないこと。

どういうことでしょうか・・・

一例としては、弊社の無垢フローリングを施工する際の説明書に記載をしてありますが、無垢フローリングを施工した後は必ず「養生(ようじょう)」という作業に入ります。
この養生という作業はフローリングを守るためのカバーをする作業ですが、そのカバー材を固定する為に粘着性のテープを貼ります。

そのテープを固定するのは壁際等のフローリング表面の場合が殆どです。
これが、厚い塗膜のあるようなフローリングであれば問題ない場合もありますが、無垢フローリングの場合は非常に問題です。
以前にもそれについては触れていますが、フローリングの表面の繊維がめくれ上がるということ以外に、日焼け跡が残るということや粘着の糊成分が表面に残ってしまうのです。
もちろん、それは塗膜の薄い普及品合板フローリングでも同じことなのですけども。

粘着性の糊が残るということは、その部分にホコリなどがついてしまうということ。
そしてこんな感じになります。


無垢材に養生テープを・・・2


写真はフローリングではありませんが、くっきりと跡が見えています。
この部分に細長い粘着テープと四角い粘着テープが張られていました。
今回はテープに理由がありまして、実はこれ試作品なのです。
数種類頼んでいた他の製作物と見分けられるように、番号が書かれていた部分と違いが表示されていた部分です。
で、こんな感じになるであろうことを想像していたから、ネタになっていい感じ(笑)なんですけど、本来お客様に届ける仕上げ品ではこのようなわけにはいきません。


無垢材に養生テープを・・・3


糊のつき方によりどのような模様(?!)が出るのかは異なりますが、今回は粘着が弱かったので木目のめくれは起きていません。
しかし、粘着性が強いにしろ弱いにしろ、無垢材の表面には粘着テープを貼ってはいけません。
無垢フローリングの場合は、壁際にそってこのような跡がずっと続くことになります。
もちろん、粘着性の弱いものの場合はテープを剥がした瞬間は、このような跡が見えません。
しかし、少しづつ後からホコリを取り込みながら目立つようになってくる。

フローリングの場合は施工者さんが気をつける必要がありますが、普段から無垢材を使うことに気を付けておられる方以外では、なかなかお伝えしても伝わらない場合が多くあります。
そのため、弊社から購入いただくお施主様が施工者様にもご説明とお願いをしていただくことをおすすめします。

せっかく選んで楽しみにしていた無垢材製品が、美しく仕上がるように。
改めてのご案内です。




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いつまでたっても疑問は尽きない

ある日、使わなくなった木切れを整理していた時のこと。


105mm×30mmほどの木材に、乾燥によるひび割れが多数入っていることに気が付いた私。
よほどストレスが溜まっているのか(笑)なんなのか、急にその割れの部分を自分の手で割ってみたくなりました。
ただ純粋に、割るという動作を撮りたかったのだと思うのですが、その結果生まれたのは、新しい疑問でした。


中から、虫のさなぎ・・・4


パックリと割れると気持ちいい!という割れ目を割ってみました。
空手の名手が瓦割りするのを見ていて、なぜか気持ちいいのと同じようなそんな感じ!

ミシミシ、メキメキ!
という音とともにパックリと割れた中身に、ギョギョ!!・・・いや、これだとサカナクンなのでモクモク?!・・・
で見えたのは・・・

中から、虫のさなぎ・・・5

見えるでしょうか?
焦げ茶色の物体。

なにも欠点(穴や腐れ)のない木材の中から、しかも純白の木材(ホワイトウッド)の中から焦げ茶色の小さなものが出てくる。
びっくりしませんか?
私だけですかね。
あるはずのないものがそこにあった、という驚き。

それは何かの虫の蛹・・・
繭みたいな、クモの糸みたいなものがついてます・・・

いやぁ〜!
私、虫好きじゃないんです。
でも。でも、木の事に関しては見てしまう。

よく見ると、普通は目立つ孔がない。
虫が入ってくる、もしくは産卵してから幼虫が蛹になる迄に食害していった部分の孔がない。

もちろん、木口にもない。


中から、虫のさなぎ・・・1

念のため、反対のこちらにもない。

中から、虫のさなぎ・・・2


どこから入って、何を食料にしてこのさなぎになったのか・・・
というか、本体もいない?!様な感じなのでどこから出ていったのか・・・・

ぐるぐると回転させながら、虫がついていた木をなめるように眺めている私に、「虫がいたことより、虫がどうやってここにいたかに興味があるほうがおかしい」と言われましたが、これは気になる!

木表にも木裏にも孔はない。
ホワイトウッドなので、芯材からどれくらいの部分なのかも目視では分かりづらいです。
う〜む。
こいつは何者か。
気にしなくてもいいんでしょうけど、気になってしまう。

虫に、木の虫に詳しい方、教えてください〜(^^♪


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手作業のしるし

無垢フローリングは自然の産物。
様々な表情があります。

もちろん、毎度ショールームなどでご説明をしている木材の伸縮についてや、反りのおこる仕組み、そして木の中の水分が及ぼす影響などの事もそうですが、見えていなくて分からないものもあれば、見えていても分かりにくいこともある。
それが無垢材。

弊社の無垢フローリングの多くが3グレードに仕分けされているのはご存知の通り。
もちろん、節があるかどうかや補修の加減を加味しての事ですが、それらは全て人の手で行われています。
当たり前、と感じるかも知れませんがこれが非常に手間。

私も自身で検品したりするので、よくわかるのです。


自分で検品!


あぁ、コレは寸法仕上がるかなぁ・・・
この、このちょっとが出てきそうやから節ありになってしまいそうやぁ・・・とか。

もちろん、全て私が見ているわけではなく工場の職人さんたちが、厳しい目線で見てくれているわけですが、まぁ、自分で検品する材木屋さんはそうはいないですよ。

そうはいっても、同じ無垢フローリングでもUNI品などでは、あらかじめ欠点を切り落としたものを接合できたりするので、意外とグレーディング基準があいまいなメーカーさんもあったりします。
でも、弊社では一枚物をメインに作っている為に、グレーディングは一枚物もUNIも全て手作業で行っています。

だから、たまにこんな感じで人のぬくもり?!を感じる検品の後が見られたりします。


手作業のしるし


これは何のしるしでしょうか?!(^^♪
八なのか?何なのか?内緒です。

手作業が全て!とは言いませんが、そうだからできるものがあるのも事実。
本日ご来店いただいたお客様も、既にフローリング材については99%(?!)他社の他の樹種で決定していたところ、弊社を見つけて頂き、普通ではないこだわり具合とそのこだわりから生まれる商品の仕上がりの良さに関心を持っていただいて、遠方よりご来店いただきました。

本当に有難いことです。
一般的なフローリングから比べると、選別や加工の特殊性から高価になってしまう商品も、それくらいの価値がある!と言ってもらえること。
私はもちろん、原木を扱っている職人さんも加工を担当してくれる職人さんも、とっても喜んでいます。


手作業のしるし2


弊社の扱っている無垢材はそんなものです。
同じ樹種名なのに何が違うのか、同じサイズなのにどうして幾つも種類があるのか、どうして他社より高いのか(笑)。
こんな手作業が沢山詰まっているんだな。
どんなおっちゃんが作業してくれているんかな?!
そんな想像をしてもらえる、そんな無垢材。

それをお届けしたくて、宣伝広告費ではなく職人さんたちとのコミュニケーションや現地での打ち合わせと検品に、時間と費用を使っている事情を受取っていただけると嬉しいです。

手作業のしるし。
それは弊社で扱う無垢材のしるし、です。



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昨年一番の話題は、もちろんこれ! 〜平湯大ネズコ〜

既に昨年の話題となりましたが「今年の漢字」が12月に発表され、世相や流行を表すものとして毎年話題となります。
それに対して、私の中での「今年の名前」は?と聞かれると迷いなく「ねずこ」です。
いわずもがな、昨年も映画が超話題作となった「鬼滅の刃(きめつのやいば)」に登場する主要キャラクターの名前です。
そして「ねずこ」の名については、わざわざ今さらにストーリーを説明するのは野暮、というものですが巨樹巨木マニアの方の中にはご存じない方もいらっしゃることを考えて、敢えて!!


ねずこ

竹を噛んでいるいる少女が「ねずこ」。
この「鬼化した妹」を人間に戻すべく、主人公である兄と宿敵である鬼を倒しに行く物語。

今回取り上げる巨樹の樹種名が、昨年日本中を虜にした話題作に登場する彼女と名称と同じなのです。
その名は「ネズコ」。

一昨年の紅白○合戦にてすでにその作品の主題歌が取り上げられるほど、以前から話題作であるのですが、私もその作品の内容を知ったのはつい数か月前・・・
ですので、「今更」というのはもしかすると私自身への言葉なのかもしれませんが、一部では私と同じようにご存じない方もいらっしゃるかもしれませんから改めて・・・

話題作の少女と同じ名前の樹木「ネズコ」。
関西では、特に現在の材木屋さんの間では殆ど話題になることもなく知る人も少ないであろうと思われる樹種。

しかし、一部では有名な樹種であることも忘れてはなりません。
が、そのお話は少しずつ進めましょう。


平湯大ネズコ 1


ここは岐阜県の東北部。
地理的には、あの有名な上高地にもほど近い場所に位置する平湯地区。
観光地で有名な高山市から長野県方面に向かう道中にある、有名な温泉地ですがこの地の山に、みごとなネズコの巨樹が「いる」のです。

観光バスも行き交う山道。
そんな道すがらに位置するキャンプ場の奥地に、関西地方では決して認知度の高くないネズコの巨樹が存在することは、巨樹巡りをする身としても、また木が好きなものとしても、そして仕事の都合上岐阜県には頻繁に出入りする者としても以前から認識していました。
しかしながら、なかなか私の足がその場へ向かうことはありませんでした。
私がなかなか訪れることが出来ずにいた理由。それは熊!!
岐阜県、熊怖い。
山が美しく植生も豊かで生態系も素晴らしいものだと理解していますし、とっても好きな県ではあるのですが、その分、私が怖れる熊との遭遇リスクも上がる(汗)。

山道を車で走っていると、あちこちに目につく「熊、出没注意!」の黄色い看板。
基本的に可愛い絵になっていますが、現実はそんなに甘くない。
その恐怖から、出来る限り勇気を振り絞ることができる時でないと行動できないと思っていた場所。
それがこの平湯。(あくまでも、私のイメージ、、、ですよ。)


平湯大ネズコ 12


道路からはこのような登山道チックな道を登っていくことになることを事前情報としてキャッチしていたために、とても身構えていた私。
それでも、逢いたくてしかたなかったネズコへ向けて歩を進めたこの日。

キャンプ場がすぐそこ、というにもかかわらずこの写真の場所では「ホー!」とか「ハイっ!!」とか熊除けの奇声をあげながら歩いていることは、写真なので言わなければわからないこと。
結果的に熊には遭遇しないのですけれど、山中への道のりにおいての私にとってはいつものこと。
戻った際には喉がカラカラ。
ネズコだけに、熊ではなく鬼が出るかと思いきや日中だから大丈夫(汗)。


そうやってのぼってきた先に出逢うのは、期待値にそぐわぬ見事な姿。

平湯大ネズコ 3


雑木林の中をくぐってきて、いきなり現れる巨躯を誇る針葉樹。
これが平湯大ネズコ。

鮮やかな、と言いたくなるような美しい赤茶色の肌は、若々しさすら感じるような力漲るような感覚を与えます。
しかし、その伝承樹齢は1000年!!
その数値は、一本の幹がまっすぐに立ち上がると認識される針葉樹のイメージとは全く異なる、老齢の巨樹ならではの迫力のある佇まい。

ネズコという樹種についてをここで語るにはスペースが不足しますので割愛しますが、樹木の系統としては桧の仲間。
そのため、木の皮や葉っぱはそれらのイメージに似ています。


平湯大ネズコ 6


その特徴を理解していなければ、おそらくヒノキだと思ってしまいそうな、そんな雰囲気のネズコ。
木材好き、もしくは中部地方の木材関係者や里山にお住いの方以外は、樹種自体馴染みのない人も多いのではないかとおもいます。

その名の由来は、一般的には「材色が薄黒く鼠色に近いこと」だと言われていますが、樹齢や育った環境によっての差も大きいようで、薄黒というよりも深い赤茶がかった褐色からスギに薄墨を流したような印象の物までが見られます。
安直なネーミング、と思われるかもしれませんが色合いや木目から名付けられる情報はとても重要ですし、各地の方言その他でも、そういったものを読み取っていくと、もともとその地の人たちが感じていた感覚を追う事が出来る、という場面もありますから、私はこの名がとても好きです。
若干、「ネズコ=ねず子」みたいで女の子っぽいというか(笑)。
そう、冒頭のねずこの様に。


平湯大ネズコ 10


ネーミングからは女の子を想像させるところもあると思うネズコ。
しかしながら、この平湯大ネズコにはそのようなイメージはありません。
力強く太く突き出る大枝、天にあるものを全て絡み取ってしまうかの如くあらゆる方向へ向け自由に伸びる細枝、それらを支える武骨な主幹。

これが千年か。
人はもとより樹木においても、特殊な場合を除いて千年という時間を生き続けるものは多くありません。
自然の中で寿命を迎えるものもあれば、人の手によって伐採されていくものも多くあるでしょう。
しかし、この大ネズコは昭和初期の発見以来とても大切にされ、この地の宝として保護されてきた。
ここへ至る道のりが整備されていることも、周囲が木材でステージの様に組み上げられていることも全て、発見以来ずっと守られてきたからに他ならないと思います。

千年の巨樹に運動靴でいくらか歩けば逢えること。
その有難さと、目の前にある歴史を感じる姿に先人への敬意を感じずにはいられません。


平湯大ネズコ 9


大ネズコの周囲は柵で仕切られている為、当然寄り添うことはできません。
それに、写真では分かりにくいものの急斜面にあるために、下側に回り込むとかなり見上げるようなアングルになるので、まるで拝み見るような感覚。
周囲は若い雑木林の様な状態ですがもし、これが昭和初期の山であればどのような感じだったか。
道なきケモノ道を進んだ先に、雑木の中でこの姿を眺めたならば、自分も先人の様に宝として後世に伝えようと思っていたに違いない。そう思います。


平湯大ネズコ 8


根際に表れている幾つもの隆起物。
瘤、というのも一つかもしれませんが、これが大ネズコの生命力の一つではないかと思ってしまうのは私だけでしょうか。
まるで細胞分裂の瞬間を切り取ったような、見つめているまさに今、これらが爆発的に増殖し根を張っていく・・・
動き出すはずのないそのモノを、どれくらい見つめていたかは覚えていませんが、永遠に生き続ける命の源が可視化されている、そう思えてなりません。

厳しい環境がそうさせるのか、それとも数百年数千年という時間の流れこそが作り出す造形なのか、「素直」な印象が多い針葉樹であるにもかかわらず、この地から動くことのできない溜まった力を絞り出すように、鋭く突き上げる枝。


平湯大ネズコ 11


訪れたときは「巨大なクワガタの角」、そう感じた記憶があります。
しかし、この記事を書いている今であればやはりその姿は鬼。
鬼の角。
先の生命力を感じる瘤にしても、そしてこの角にしても永遠の命を持つ鬼の様。

私が訪れた日は、生憎の本降りの雨。
見あげるレンズ、構えるカメラに瞬時に雨粒が張り付き、焦点は合わず濡れるカメラが壊れるのではないかと思うようななかでの撮影で、折角の対面なのに・・・と思ったのですが、その雨がもたらした唯一の感心事は大ネズコを一層美しく彩ってくれたこと。

雨というヴェールをまとって、鮮やかに艶やかに、その赤茶けた巨躯を輝かせてくれたのです。


平湯大ネズコ 4


先に大ネズコを鬼に例えましたが、鬼があらわすものは決してマイナスのものごとだけではありません。
私の故郷、大阪府茨木市には「茨木童子」なる鬼の伝説が残っています。
茨木市から京都南西部方面において、様々な伝説の残る鬼ですが悪者として伝えられるものがある一方、鬼という姿(他者とは異なる)になりながらも内面や行為は善良な人間として描かれているものもあります。
受取り方や考え方、又は自分とは異なった考えや生き方を排除する人の心が生むもの。それが鬼なのかもしれない。
それを、伝説の中から教えられているのかもしれません。

鬼滅の刃の「ねずこ」も鬼になってしまっています。
しかし人を襲うことなく、人を守り兄を信じています。

言葉や風体、そして自分とは異なる考えなどを一方的に否定するだけではなく、認め合い間違いを許しあいながら生きていくこと。
大ネズコの鬼気迫るその姿が、人としての生き方をも説いているのかもしれない。


平湯大ネズコ 7


私もかなり流行の影響を受けている様です(笑)。
しっかりと「キメツ」にはまってしまっているようですが、コロナウィルスが蔓延し「分断化」された世界を目にすることとなった2020年でしたから、もしかするとこの平湯大ネズコを紹介するのも、分断ではなく協調協力し、様々なことを受け入れながら進んでいくことを考える2021年のはじまりだからなのかもしれません。



平湯大ネズコ所在地

岐阜県高山市奥飛騨温泉郷平湯

キャンプ場から登山道を20分ほど上がると逢える。
車はキャンプ場周辺、登山道脇に止められるが正式に駐車可能かは要確認。


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謹賀新年 〜2021〜

新しい一年がはじまりました!

謹賀新年。
本年も木材業、一所懸命に取り組んでいきますので、こだわりのある無垢材たちとの出会いを楽しんでいただけると思います。


昨年納めることのできた日本の広葉樹家具材をはじめ、広葉樹利用を今年もさらに加速させる予定ですし、なによりも3年かかっている(のんきに何をしているのか・・・いや、十分乾燥できたと捉えよう・・・)弊社オリジナルの日本の広葉樹無垢フローリングが、数種類ラインナップに追加されます!!
といっても、大量にできるものではないので通常のホームページでは紹介できないかもしれません。
しかし、大規模林業や大規模工場生産ではなくても、弊社のようなところでも日本の木材を活用できること。否、弊社だからこそ日本の広葉樹の魅力を最大限引き出した少量生産が出来ることを、しっかりと現実のものとしていきたいと思います。


その辺の材木屋さんではできないこと、しないことを今年もたくさんしていきます。
もちろん、他の材木屋さんが出来ることもたくさんしながら!
両輪沢山漕ぎながら、一所懸命で今年もよろしくお願い致します!!


招福干支飾り



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木ぃクンmuku_mokuzai  at 13:30  | コメント(0)  |  この記事をクリップ! 材木屋の独り言  

本年もありがとうございました!

今年は本当に大変な一年でした。

まさかこのような一年になるとは想像もできませんでしたが、飲食や宿泊などの業種の皆様に比べれば、商品が数カ月入荷しないなど混乱があり仕事も激減したとはいえ、影響は限定的だったと思います。
サプライチェーンのことや、それに伴う価格のことを含めて、木材・建築業界も輸入品の影響が非常に大きかったと実感しました。

もちろん、以前から見て見ぬふりだったところなのですが・・・

そんなことも含めて、少しづつ進めている日本の広葉樹活用や身近な木材利用を、住宅建築以外のところにも勧めること、そして無垢の木材自体の活用の可能性を様々な部分で模索することなど、もっと山や最終の消費者ともつながった一体的な木の事を、来年も深く進めていかねばと感じています。

本当に少しづつですが、来年も継続していろいろな木材の事に取り組んでいく予定ですので、引き続き戸田材木店をよろしくお願い致します。


年始の通常営業は7日からとなります。
新しい一年も皆様にとって良い都市となりますように!


休業日



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日本の広葉樹のオリジナル家具、納入しました!

弊社は建築材料用の木材を多く扱っている会社ですが、それ以外の木材もたくさん取り扱っています。
材木屋さんなんだから当然!
そう思われるかもしれません。

しかし、材木屋さんというのは扱うものが多岐にわたっていると同時にその反対もあり、数種類しか扱わないお店も多くあり、非常に分かりにくいのです。
だからこそ、わざわざ多くの木材を扱っている、ということを書き出さないといけないのですが、単に樹種が多いだけでもありません。
様々なこだわりのある木々を扱っていますので、たまには建築とは違ったこともしていたりします。

その中の一つを納品しました。


日本の広葉樹家具 ぶな材長椅子 2

ベンチ状の長椅子です。

無垢の、一枚物の、日本の広葉樹の長椅子。
座面など、材幅が必要な部分には数枚の板を接ぎ合せていますが、長さ方向には一切つなぎ目はなく、一般的な集成材のようなブロック状の細かな木片がつながっているものとは表情が全く異なり、無垢の一枚板の雰囲気!!


日本の広葉樹家具 ぶな材長椅子 6


一枚物の無垢材の醍醐味、そして広葉樹の楽しみの一つでもあるうっとりするようなこの「杢」も、長さ方向につなぎ目がない為に伸びやかに続いています。
ゆらゆらとした水面の様でもあり、光が強く当たると燃え上がる炎のようでもあり・・・

ずっと眺めていたくなるほどに、それぞれが個性的な表情をみせ合板+印刷シートでは絶対に味わえない質感を、視覚的に感じさせてくれます。

いや、本来は無垢材だけが全てではありません。
求められるものが違えば、合板の方が良い場合もある。
でも、木の質感を活かした内装やおとずれる人に安らぎと安心感を持ってもらう場合はやはり、無垢の木以外には考えられません。


日本の広葉樹家具 ぶな材長椅子 5


思わず手を伸ばして触れたくなる木目。
香りがするのかと鼻を近づけたくなる質感。
触れても決して冷たくはない肌触り。
床をこする音や若干のきしみ音さえも、耳に自然のハーモニーの様に聞こえる。

無垢の木ならではのもの。

今回の納品の舞台は礼拝堂。
信者さんが集まるその場所に、木の温かみのある家具として納品をしました。


日本の広葉樹家具 ぶな材長椅子 4


ただ見た目が良ければいいわけではなく、腰かけた方が自然とその風合いに和むように。
意識することはないけれど、違和感を感じずその十字架の教えに集中できるように。
そして、表面がめくれたり剥がれたりすることなく、ともすれば礼拝堂本体の寿命よりも長く使っていただけるものとして、無垢の木を提案しました。

進んでいく中で、予算とのせめぎあいもあり幾度も訂正変更があり、納期の都合なども含めて多くの難関がありましたが、製作に協力してくれた職人さんの力添えもあり、何とか期限内に納入する事が出来ました。
予算とのおり合わせで、接合は当初の予定よりも簡易な方法をとっている部分もあるものの、狂いなくぴっしりと納品する事が出来、搬入後は完成品を眺めて改めて一安心。


日本の広葉樹家具 ぶな材長椅子 7


およそ60台の製作の為に1年以上の時間をかけて進めてきた集大成。
納品設置を完了した後に、一人2階からこの景色を眺めた時、なんとも言えないやりきった感と喜び、そして安堵の想いがありました。

日本の広葉樹を、一時期に沢山利用するには非常に多くの労力と先行投資と管理が必要。
思っている以上のロスが出たり目算通りに進まないことが多くある。
それを乗り越えて、期日にきっちりと納品できた喜びは、プレッシャーを感じていた時間が長かっただけにひとしおでした。


日本の広葉樹家具 ぶな材長椅子 3


今日にはもう、数回以上は礼拝が進んでいるはず。
おとずれた方が、この長椅子が当たり前のように並び腰かけることが当然であるように、ここからの景色を見ていると、礼拝堂の一部になったような気もしながらも、もっと外側から親心の様にみているようにも思ってしまいます。


20㎥を超える原板の一枚ずつを検品。
そして合格品をさらに検品し、商品となったものを再度検品。
これ以外にも多くの検品作業を経ていますので,特別な想いがたくさん詰まっています。

全て手作業で、人が関わった仕事。
朝から始めた搬入設置が終わるころ、ステンドグラスには傾きかけた光が差し美しく輝いていました。
そこに映る聖人が、私の一年の苦労を癒してくれているような、そんな優しい光をこの先も忘れることはないでしょう。


日本の広葉樹家具 ぶな材長椅子 8


まだまだ誰しもが十分に使えるというところには至っていない日本の広葉樹ですが、きちんと計画し活用を進めていける一つの「出口」として一定量の納品を達成できたことは、大きな成果だと思っています。

今後、森林環境譲与税などの使途としても注目を集めるであろう、机やいす、テーブルや備品の木質化。
単なる木質建材ではなく、本物の無垢の木材を使った木質化を日本の広葉樹で少しでもスムーズに進め、且つ喜んでいただけるように、また来年も頑張っていきたいと思っています。


私の中での今年一番の大仕事。
これにて終了。


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ビブリオ通信から続く、久しぶりに「陽疾(アテ)」のお話 

さて、シリーズ冒頭にて針葉樹と広葉樹のアテ材の形成の違いに少しふれました。
いや、アテ材の前に針葉樹と広葉樹は樹木という時点では変わりありませんが、その組織や成長方法には大きな違いがあることにも触れておかねばならないのですが、今回はそこはとばしてアテに「全集中!!木の呼吸!!」(笑)


基、アテ材においても現れる針葉樹と広葉樹に違いですが、まぁ見事に正反対というか、仲が悪いのか?!と思ってしまうような違いがあるのです。
一般的に言われる違いは以下ですね。

針葉樹

・圧縮アテ材(compression wood)
・斜面の下側にできる

広葉樹
・引っ張りアテ材(tension wood)
・斜面の上側にできる

です。
これは分かりやすくするために、斜面の傾斜を例にとって説明していますが、前回もお伝えした通りすべてがこの通りではありませんし、植物が動くことのできない体を臨機応変に対応させるための手段なので、あくまでも一概念です。

それでも、「圧縮と引っ張り」というようにまったく異なる力が作用することで形成されているのが面白いところ。
そしてその違いは材質にも非常に大きな違いをもたらしています。


針葉樹

・細胞遷移を構成する仮道管は短くその断面形状が円形に近いゆえ、細胞空隙が大きい。
また、正常材では低い値を示す軸方向収縮率が、アテ材になると3〜10倍以上になると言われています。
そして細胞壁に螺旋状の亀裂があるということも踏まえると、強度を保持できないということは理解できると思います。
・そして、細胞を形作るセルロースが少なく、細胞固定等の作用をするリグニンが多いことが原因である、あの着色された特有の木目が出るのではないかと思います。

アテ 2


広葉樹

・道管組織が少なく、正常材に比べて道管径が小径な傾向にある。これが乾燥時の裂けや材面の落ち込みなどに関係していると言われます。
針葉樹とは異なり、広葉樹のあては材質面では分かりにくいのですが、乾燥後に稀に見る材面が凹凸をつけたように落ち込んでいるものはきっとアテなのだと思っています。
・繊維の亀裂がある事や縦方向の収縮が大きいことは針葉樹と同じですが、正反対なのはセルロースが多くリグニンが少ないということ。


対比するとこのような感じです。

そんなことを言ってもやっぱりわかりづらい。
ということで、私は出来る限りその現物を見てもらうことにしています。
幸い、今までに多くのアテ材を扱ってきました(=不良在庫)ので、サンプルは十分!(汗)
そうすると、文章よりも早く上手に理解する事が出来ます。
特に、針葉樹アテ材においては先の光るような木目だけではなく、その特異な色調とともに年輪にも明らかな差が出てくる場合がおおいのです。

アテの木口


針葉樹でははっきりと出やすい年輪。
それがアテ材の部分は不明瞭になり、くっきりとした年輪ではなく薄〜いゴムバンドのようなものやひも状にも見えるような年輪になってしまいます。
これは、年輪の中の柔らかい部分が硬くなり、リグニンという成分が多く沈着する為に色も濃くなるために、年輪の境目となる部分との差が分かりにくくなるからだと言われます。

これらの作用により、密度は大きいものの脆くて乾燥収縮が大きいという性質になる傾向があります。
しかしながら、人間の感覚的に密度が大きなものは強度が高いという無意識的な認識が、大きな誤解を生む結果となります。

アテ材の原動力は成長応力と言われます。
樹木が成長するときに作用する力ですが、それは木材になってからも残っています。
残っている、というよりもむしろ木材となった場合に潜在するその応力が解放され、あの強烈なアテの状態となるのです。


アテ 6


確かに、これだけ強い力を持っている部分だから強度が高いに決まっている。
そう思いたい気持ちはわかりますが、もう皆さんは間違いませんよね。

木材は人間と同じく、見た目から受けるイメージというものは非常に大きい。
色合いや木目の良し悪しなど様々ですが、見た目だけではわからない違いや性質があります。
思い込みではなく、「どうして?なぜ?」という興味を持ちながら、一層木材の良さを活かせるようにしてもらいたいと思います。

この強烈なアテの個性を活かせる使い方。
一昔前の「アテ=利用価値のない材」ではなく、その個性を考え用途をうったえられる自由な考えが容認される時代になりました。

数年後に、アテ材を使うのが非常にクール!という時代が来るのかもしれない・・・
そんなことも少し思いながら、アテの深堀りは本日でいったん終了!



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ビブリオ通信から続く、久しぶりに「陽疾(アテ)」のお話 

根杢=アテではないことと同時に、必ずしも斜面だけで形成されるものではないということ。
私も以前は斜面に多く形成されると思っていましたが、植物はそう単純なものではないのですね。


積雪地


因みに、皆さんは街路樹などでもそうですが、どうして木の枝は横や上向きになっているんだろうと思ったことはありませんか?
「そんなの、当たり前!光合成したいから太陽に近い方に向いているんやろう!!」、そう思うでしょう。
そうかもしれません。
でも、樹木が枝を伸ばすということはその樹幹から枝の距離が長くなればなるほど、枝を水平もしくは上向きに支えておかねばならない力は強大になります。
巨樹訪問でしばしば見かけるように、巨大な腕のような枝をしたから支えてやらねばならず、支柱が立てられたりしている。
自分の枝の重さに耐えねばならないということです。

これはどんな木でも同じ。

その力のうちの一つもアテが関係しています。
普通であれば垂れ下がってしまう枝を、アテを形成することで上向きか水平に維持している美しい「枝垂れ桜」がありますね。
あれはどうして枝垂れているのでしょう。
人間にその美しさを誇張する為では決してありませんよ。


宝蔵寺の枝垂桜


あの美しい枝垂れにもアテが関係しているのです。
前回にも、アテは樹幹だけに生じるものではないとしました。
枝にもそれは形成され、枝垂れにはアテが関係しているそうです。
本来ならばアテの作用によって上か横方向に保たれるはずの枝が、何らかの理由で形成されないか若しくはされづらく、下向きになってしまう。
どうも、そうやってあの美しさが形成されているようです。

実は、お花見で美しいと眺めている枝垂れ桜にも、アテが関係していたんですね。
それほど樹木とは切っても切れない関係である、アテ。
近年ではその姿を見ることも聞くこともすっかりと少なくはなりましたが、樹木の事を知っていくと必ず興味の出る部分。
そして、情報があるようで実は詳しくわからない部分。
そして誤解のある部分。
そこをほじくっていく今回のシリーズ(笑)。

とはいえ、ほじくっていっても実際のところは現在でも、何がアテ材をコントロールしているのかという詳細は分かっていないようですが、少なくとも人間が持つ「イメージ」とは違う、ということは理解しておく必要があると思います。


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